2011年度

研究活動の要旨(2011年度)

情報行動学科

外国文化第二研究室

[劇団公演パンフレット]

著者名:荒木詳二

題名:「物理学者たち」朗読公演(「うずめ劇場」東京公演) 参考資料

公演年月日:2011年6月2日

要旨:「物理学者たち」朗読公演(「うずめ劇場」東京公演)に際し、「うずめ劇場」の松尾氏から依頼があり、「社会情報学部研究論集第8巻」(2001年)に掲載した荒木詳二「F・デュレンマットの「物理学者たち」論:核時代の作劇術」を全文公演パンフレットに掲載した。


[電話及びメール取材]

日本テレビ「なるほど!ハイスクール」担当内藤氏より2001年の5月に数回にわたり取材を受けた。「社会情報学部研究論集第16巻」(2009)に掲載した荒木詳二「カフェ変容史:文学のなかのカフェ」を見た内藤氏から「純喫茶の純はどういう意味か」という質問を受けた。

確認内容は以下の通り
《確認内容》
純喫茶とはアルコールを出さない喫茶店のこと。
そもそものきっかけは、明治の末から大正にかけて誕生した『カフェー』。
『カフェー』はコーヒー・紅茶類の他にアルコールも出す今で言うクラブのような店で、当時女給と呼ばれたウエイトレスを売りに、流行を追うモダン・ボーイ、モダン・ガール、通称モボ、モガたちの社交場となった。そんな特殊な喫茶店と区別する意味で、純喫茶という呼び方が生まれたと。

理論社会学研究室

[学術論文]

著者名:伊藤賢一

題名:中高生のネット利用の実態と課題―群馬県青少年のモバイル・インターネット利用調査から

発行年月日:2011年3月31日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:18

頁:19-34

概要:近年大きな社会問題となっている青少年のインターネット利用について、2009年度から2010年度にかけて群馬県内の中学・高校を対象として実施したアンケート調査の結果に基づいて考察したもの。とくにペアレンタル・コントロールの観点から問題と思われる生徒たちの情報機器利用の実態について、いくつかの論点を呈示した。


[学会発表]

発表者名:伊藤賢一

題名:フィルタリングの役割と限界

開催年月日:2011年5月14日

発表学会名:日本社会情報学会(JSIS)関西地区研究会

開催場所:京都大学

概要:研究会のタイトルは「フィルタリング再考」。2009年に成立した青少年ネット環境整備法では、青少年が使用する携帯電話についてはフィルタリングの利用を義務化したが、こうした法制度が成立するにいたった社会的文脈について解説し、現行のしくみの問題点について議論した。他の登壇者は渋井哲也氏(フリーライター)、竹宮恵子氏(京都精華大学マンガ学部教授)。


[学会発表・ワークショップ企画]

発表者名:伊藤賢一

題名:群馬県における中高生のインターネット利用と保護者の意識

開催年月日:2011年9月11日

発表学会名:日本社会情報学会JASI & JSIS 合同研究大会

開催場所:静岡大学

概要:ワークショップのタイトルは「モバイル・インターネット時代における青少年の育成環境」。情報環境が激変する中での青少年のネット利用の実態と保護者の意識について、調査に基づいて報告した。その他の登壇者は、片山雄介氏(NPO法人青少年メディア研究協会理事)、橋爪幸雄氏(高崎市教育委員会指導主事)、李栄美氏(韓国女性青少年メディア協会会長)、討論者は黒須俊夫氏(国士舘大学体育学部教授)、司会は小竹裕人氏(群馬大学社会情報学部准教授)。


[その他(新聞での解説)]

執筆者名:伊藤賢一

題名:孤独死46.8%「身近に」揺らぐ家族規範

掲載紙名:上毛新聞

掲載年月日:2011年1月1日

概要:前年11月に行われた県民世論調査の結果に対して論評したもの。誰にもみとられずに亡くなった後に発見される「孤独死」について、身近に感じるとの回答がかなり高い割合で出ている背景に、家族規範や世帯構造が多様化し、高齢者の一人暮らしが増えている背景があることを指摘した。


[その他(書評)]

執筆者名:伊藤賢一

題名:富永健一著『社会学わが生涯』「学び」に対する貪欲な姿勢―興味深いエピソードやドラマが次々と展開

掲載紙名:週刊読書人

掲載年月日:2011年7月22日

概要:編集部からの依頼による書評。日本の社会学の泰斗の自伝について、一般の読者にとって興味深いと思われる論点を取り出して整理した。


[その他(分担執筆)]

編著者名:伊藤賢一、平塚浩士、富山慶典、滝充、下田博次、小熊良一、管野吉雄、黒須俊夫

題名:ブックレット群馬大学6 情報社会のいじめ問題―解決に向けた地域からのアプローチ

企画:群馬大学地域連携室

発行:上毛新聞社事業局出版部

発行年月日:2011年4月20日

概要:2010年1月に群馬大学で行われた群馬大学地域連携シンポジウム・社会情報学シンポジウム「情報社会のいじめ問題」の報告書を、群馬大学ブックレットの1冊として再編集して発行したもの。


[その他(研究会での報告)]

講師名:伊藤賢一

報告題目:韓国における青少年保護について

研究会名:第6回保護者のためのフィルタリング研究会

日時:2010年10月25日

場所:ヤフー株式会社(東京ミッドタワー11階)

概要:同研究会の委員として、海外での有害情報からの青少年保護の事例として、韓国のケースを報告した。


講師名:伊藤賢一

報告題目:群馬県における中学生・高校生のインターネット利用の実態、韓国における青少年保護について

主催:ぐんま子どもセーフネット活動委員会

日時:2010年12月4日

場所:群馬県庁会議室292

概要:保護者向けの情報モラルの啓発活動を行っている市民インストラクターのグループからの依頼で、研修会講師として、群馬県内の中高生とその保護者を対象に行った調査の概要と、韓国における青少年保護の概要を解説し、質疑応答を行った。


講師名:伊藤賢一

報告題目:群馬県における中高生のインターネット利用

主催者:群馬大学社会情報学部モバイル・インターネット調査グループ、韓国放送通信審議委員会(KCSC)

日時:2011年3月14日

場所:韓国KCSC 研究センター

概要:韓国KCSC との研究交流の一環として、前年初めに群馬県内の高校生とその保護者を対象に行った調査結果を示しながら、わが国における青少年のモバイル・インターネット利用の問題について報告し、意見交換を行った。


[その他(討論会での報告・パネリスト)]

講師名:伊藤賢一

報告題目:日本におけるゲーム中毒対策について

研究会名:韓日共同討論会ゲーム中毒を予防するための共同協力方案“ゲーム世界で我が子と生きていく”

主催者:金盛東(韓国国会議員)・(社)女性青少年メディア協会

日時:2011年7月6日

場所:韓国国会図書館・小会議室

概要:韓国で深刻な問題になっているゲーム中毒についての討論会。韓国の市民団体・女性青少年メディア協会から、日本での対策について報告してほしいという要請があり応じたもの。日本での対策、韓国での対策についてそれぞれ報告した後、パネリスト7人による討論会が行われた。


[その他(ゲストコメンテータ)]

コメンテータ名:伊藤賢一

題名:ジャスト6 ニュースウォッチ

放送局名:群馬テレビ

放送年月日:2010年10月~2011年1月

概要:群馬テレビの夕方6時からのニュース番組で、その時々のニュースを読み解くコーナーにゲストコメンテータとして月1回出演。各回の話題は「韓国のモバイル・インターネット」(10月8日)、「子どものネット遊びと犯罪被害」(11月10日)、「読解力は向上したか」(12月10日)、「「孤独死」が反映しているもの」(1月21日)。


[その他(審査員)]

審査員名:伊藤賢一

題名:第2回小中学生新聞感想文コンクール

主催:上毛新聞社

日時:2010年11月8日、11月27日

場所:上毛新聞社本社

概要:県内の小中学生を対象とした新聞感想文コンクールの審査員を務めた。

言語コミュニケーション研究室

[著書]

著者名:瀬田幸人、保阪靖人、外池滋生、中島平三(編著)、井門亮、他7名

書名:[入門]ことばの世界

単・共の別:共著

発行年月日:2010年12月10日

発行所名:大修館書店

概要:本書は、日本語や英語を中心にした言語学の入門書であり、音声・文法・意味から言語と文化の関連まで幅広く解説したものである。担当した第5章「ことばと意味」pp.56-65(岡田聡宏氏と共同執筆)では、意味に関する伝統的な捉え方から始め、語や文の意味について意味論の観点から論じている。

意思決定支援研究室

[学会発表]

発表者名:岩井淳、吉崎陽介、佐渡一広、富山慶典

題名:収斂プロセス支援のための匿名保証型GDSS の拡張~参加者の相互作用に関する問題検討と支援機能の追加設計

開催年月日:2011年3月8日

発表学会名:第51回数理社会学会大会

開催場所:沖縄国際大学

概要:本研究では、収斂的思考のプロセスで匿名性保証を用いる集団的な意思決定支援のアプローチの展開可能性を検討した。特に電子民主主義研究の一技法と位置づけて問題検討を行い、参加者の相互作用の観点から支援機能の追加設計を提案した。


[学会発表]

発表者名:岩井淳

題名:個人情報漏洩を入力値分析を用いて防ぐ調査システムの設計

開催年月日:2011年9月11日

発表学会名:2011年日本社会情報学会(JSIS & JASI)合同研究大会

開催場所:静岡大学

概要:とりわけ小規模の調査では、被調査者自身の回答の特徴により結果的に匿名性の維持が困難になることがある。本研究では、この種の個人情報漏洩を入力値分析を用いて自動的に防止する調査システムの設計を提案した。

歴史情報論研究室

[新刊紹介]

著者名:落合延孝

題名:新井小枝子『養蚕語彙の文化言語学的研究』

掲載誌名:『群馬文化』306号

発行年月日:2011年4月

頁:47

要旨:養蚕に従事する人びとの語をつくりだす行為を、生活世界という具体的な場面の中で、人びとの具体的な営みや発想、もののとらえ方の視点で捉えようとした本書を紹介した。


著者名:落合延孝

題名:須田努編『逸脱する百姓―菅野八郎からみる一九世紀の社会』

掲載誌名:『歴史評論』734号

発行年月日:2011年6月

頁:102

要旨:1866年(慶応2)信達世直し一揆の際に頭取と噂された菅野八郎の人生を詳細に分析した本書を紹介した。


[学会等での講演]

発表者名:落合延高

題名:加藤周一を読む

講演会名:群馬大学公開講座

発表年月日:2010年10月15日・22日・29日(金)

開催場所:前橋テルサ第三研修室

要旨:加藤周一『言葉と戦車をみすえて』(ちくま学術文庫)をテキストにして、加藤が考え続けてきた日本文化、戦争と平和、現代社会の諸問題について、参加者との討議を交えながら講義した。


発表者名:落合延孝

題名:幕末維新期の農民日記を読む―吾妻郡関関市三郎真武の日記

講演会名:ぐんま史料研究講座

発表年月日:2011年1月22日(土)

開催場所:群馬県立文書館

要旨:上野国吾妻郡植栗村(群馬県東吾妻町)の関市三郎真武(1816―75年)が記した「抜書記録」や日記を通して、幕末維新期を生き抜いた彼が同時代の生活世界の変化をどのように捉えていたかを講演した。


[ラジオでの講演]

発表者名:落合延高

題名:群馬の偉人伝/群馬の事件簿

放送局名:NHK 前橋放送局

放送年月日:2010年10月~2011年8月の第4火曜日

要旨:「高山彦九郎の旅人生」(2010年10月)、「中島知久平」(12月)、「政治家の自伝―福田赳夫と中曽根康弘」(2011年1月)、「森宗作・羽仁五郎の親子」(2月)、「海外からみた日本人」(3月)、「自由民権運動と群馬事件」(4月)、「天明の浅間山大噴火」(6月)、「関東大震災と藤岡事件」(8月)などの話題提供を行った。

公共政策研究室

[学会機関誌等への投稿]

著者名:小竹裕人

題名:桐生市・みどり市広域住民アンケート調査報告書

掲載誌名:同名

発行年月日:平成23年1月

頁:2-33

要旨:桐生市とみどり市在住の市民に対して平成の大合併に対する評価を聞くとともに、これからの両市の在り方・合併の可否についてアンケートしたもの。5000票を配布し、2786票の回収(回収率55.72%)となった。特筆するべきは、桐生市市民はみどり市市民よりも合併に前向きであることが統計的に有意となった。この結果は、概要版が全戸配布、報告書は関係者に配付された。評価結果発表会(1月22日)で一般に公表され、各種メディアに取り上げられた。


[学会機関誌等への投稿]

著者名:小竹裕人

題名:地域と食ブランド

掲載誌名:ミルクの本

出版社:デーリイ・ジャパン社

発行年月日:平成23年6月

頁:61-68

要旨:小竹(2009)「消費者と良好な関係を構築するために」の内容を発展し、地域同士で一対一の販売・消費関係を構築し、さらには人的交流を高めることで農産物の生産地・消費地の良好な関係を構築することができるとし、その関係を「相対(あいたい)地域ブランド」と名付けた。相対地域ブランドの構築が重要であり、従来の均一的で大量で安価な農産物の流通方法の限界を指摘した。


[社会的活動(講演等)]

講演者名:小竹裕人

題名:「桐生市・みどり市アンケート報告会」

開催年月日:2011年1月23日

主催者:桐生市・みどり市

開催場所:桐生地場産センター

概要:桐生市・みどり市広域住民アンケート調査報告書の報告をおこなった。


[社会的活動(講演等)]

講演者名:小竹裕人

題名:「行政の役割とは?」

開催年月日:2010年10月10日

主催者:みどり市民討議会2010実行委員会

開催場所:みどり市笠懸公民館

概要:桐生青年会議所が行うみどり市民会議において行政の役割について話題提供した。


[社会的活動(委員会等)]

○協働と政策提案に関わるもの
・題名:協働提案パイロットフォーム意見交換会コーディネーター
 開催年:2011年
 主催者:群馬県NPOボランティア推進課
・題名:NPO協働提案パイロット事業審査委員
 開催年:2011年
 主催者:群馬県NPOボランティア推進課
・題名:NPO等活動支援事業運営委員会委員長
 開催年:2011年
 主催者:群馬県NPOボランティア推進課
・題名:多々良沼・城沼自然再生協議会
 開催年:2011年
 主催者:群馬県東部県民局
・題名:「在宅医療の連携体制に関する調査研究」委員会委員
 開催年:2011年
 主催者:群馬県健康福祉部医務課
・題名:群馬県協働推進会議アドバイザー
 開催年:2011年
 主催者:群馬県NPOボランティア課

○政策評価に関わるもの
・題名:指定管理者選定委員
 開催年:2011年
 主催者:群馬県企業局財務管理課
・題名:指定管理者選定委員
 開催年:2011年
 主催者:群馬県産業経済部観光局観光物産課
・題名:都市公園評価委員会
 開催年:2011年
 主催者:群馬県県土整備局都市計画課
・題名:公益認定等審議会委員
 開催年:2011年
 主催者:群馬県総務部学事法制課
・題名:外部評価委員会委員長
 開催年:2011年
 主催者:前橋市政策推進課
・題名:行財政改革推進懇談会会長
 開催年:2011年
 主催者:前橋市行政管理課
・題名:外部評価委員会委員
 開催年:2011年
 主催者:安中市
・題名:行政改革審議会委員
 開催年:2011年
 主催者:安中市
・題名:行政改革審議会補助金等検討部会部会長
 開催年:2011年
 主催者:安中市

○その他
・題名:コンプライアンス推進委員会委員
 開催年:2011年
 主催者:前橋市行政管理課
・題名:放送番組審議会会長
 開催年:2011年
 主催者:群馬テレビ


[社会的活動(ワークショップ)]

題名:赤城山振興にかかわるワークショップ

開催年:2010年から現在

主催者:前橋市観光課・AKAGI やる気塾

概要:富士見村が前橋市と合併し、前橋市は新たな観光資源赤城山を市内に持つこととなった。赤城山山頂付近の振興を図るため前橋市と一緒になってワークショップを行い、コーディネーターとして市民ニーズの吸い上げおよび取りまとめを行った。2011年から意見交換会は「AKAGI やる気塾」という市民団体となり、活動を続行している。

情報科学研究室

[学会発表]

発表者名:柿本敏克、細野文雄、松原健太

題名:状況の現実感と地域への帰属意識は環境行動を促進するか?

単・共の別:共

開催年月日:2011年9月10-11日

発表学会名:日本応用心理学会第78回大会

開催場所:信州大学

概要:状況の現実感と地域への帰属意識、および経済的ゆとり感が環境行動を促進するというモデルをたて、その妥当性を仮想世界ゲームのオリジナル版および電子版のデータによって検討した。状況の現実感として、下位尺度の一つである「一回性の感覚」を用いた。2つのデータセット毎に検討した結果を併せると、このモデルが部分的に成立することが明らかになったが、オリジナル版ゲームからのデータでは一回性の感覚が逆に環境行動を抑制する傾向が見られた。この結果は「現金に対する執着」という観点から解釈された。

パーソナルコミュニケーション研究室

[著書]

著者名:榎本博明(編著)、堀正ほか(著)

書名:発達心理学

発行年月日:平成22年10月

発行所名:株式会社おうふう

概要:第1章「心の発達における遺伝と環境」を担当。「発達心理学」における研究を分かりやすくまとめた教科書。


著者名:榎本博明(編著)、堀正ほか(著)

書名:自己心理学の最先端―自己の構造と機能を科学する

発行年月日:平成23年2月

発行所名:あいり出版

概要:第4部第1章「絵本を投影法的な自己分析に使う試み」を担当。「自己心理学」という領域について研究を行っている研究者たちが共同で執筆した著書。


著者名:堀正(監修・監訳)

書名:コーチング心理学ハンドブック

発行年月日:平成23年7月

発行所名:金子書房

概要:2007年に出版された“Handbook of Coaching Psychology”(英文)の全訳である。自己心理学研究会のメンバーに翻訳を依頼するとともに,監修・監訳を行った。


[学会発表]

発表者名:堀正

題名:コーチング心理学ワークショップ―パーソナリティ心理学の接点と演習を通して―

開催年月日:平成22年9月

発表学会名:パーソナリティ心理学会第19回大会

開催場所:慶應義塾大学

概要:コーチング心理学という新しい領域についてのワークショップを開催した。


発表者名:堀正

題名:コーチング心理学ワークショップ(2)―感情・認知・発達への応用と演習―

開催年月日:平成23年9月

発表学会名:日本感情心理学会第19回大会・パーソナリティ心理学会第20回合同大会

開催場所:京都光華女子大学

概要:『コーチング心理学ハンドブック』の出版後,昨年度に続いてコーチング心理学という新しい領域についてのワークショップを開催した。


発表者名:堀正

題名:コーチング心理学の理論と実践―QOL を目指すコミュニケーション技法と心理アセスメントについて―

開催年月日:平成23年9月

発表学会名:日本心理学会第75回大会

開催場所:日本大学

概要:『コーチング心理学ハンドブック』の出版後,日本心理学会の大会においてはじめてワークショップを開催した。

地域社会学研究室

[講演]

講演者:森谷健

演題:北軽井沢地域の活性化と今後の展開―北軽井沢コンソーシアム協議会の事例―

開催日:平成23年4月25日

主催:ぐんま地域大学連携協議会

講演会名:ぐんま地域大学連携協議会総会

場所:群馬県庁294会議室

概要:北軽井沢コンソーシアム協議会での社会情報学部の地域連携事業について解説をした。内容は、コンソーシアムの組織・体制と学部の関わり方、2009年度および2010年度の事業内容、学部として今後の課題であった。


講演者:森谷健

演題:地域社会をつくる人の想い

開催日:平成23年9月3日

主催:群馬県社会福祉協議会

講演会名:ぐんまボランティアフェスティバル東部ブロック

場所:太田市藪塚本町文化ホール

概要:生活様式論からボランティア・NPOを考察した。また、その具体的な事例として北軽井沢コンソーシアム協議会を取り上げ、産官学民のコラボレーションの可能性を指摘した。

情報社会科学科

環境科学研究室

[報告書]

著者名:石川真一、大森威宏、増田和明、小林栄一、小池正之

題名:西榛名地域貴重植物種モニタリングⅢ

発行年月日:2010年11月

報告書名:群馬県自然環境課「良好な自然環境を有する地域学術調査報告書(XXXVI)」

頁:117-124

概要:2009年度に行われた群馬県自然環境調査研究会による学術調査の報告書。群馬県西榛名地域において2005-2007年度調査で生育が確認された30種の絶滅危惧・希少植物種の生育・分布状況をモニタリングした。このうち4種について新たな生育地が確認された。また貴重在来種の受粉を行う昆虫相について調査し、種子繁殖成功度、遺伝子流動の検証の基礎資料を作成した。今後、群馬県の自然環境保護政策の策定・実施の基礎資料となる。筆頭著者として調査・解析・執筆を担当した。


[学会等での口頭発表]

発表者名:石川真一、高橋美絵、鈴木由希、青木良輔

題名:群馬県内で育成中の大型ビオトープの紹介

発表年月日:2010年10月23日

学会名:群馬野外生物学会2010年度大会

開催場所:群馬大学社会情報学部(前橋)

概要:群馬大学社会情報学部・環境科学研究室で「育成管理」と呼ばれる手法によって育成中である、群馬県内の3つのビオトープの植物種多様性の保全または再生状況を紹介した。アドバンテスト・ビオトープは明和町・群馬R&Dセンタ内に2001年竣工した、民間企業所有としては国内最大級のものである。2009年の調査では、在来植物86種、外来植物33種の計119種の生育が確認された。これまでの調査結果も含めると、在来植物種数が安定してきていることが明らかになった。チノー・ビオトープは藤岡市に2009年末から造成中で、高崎観音山にあるコナラ民有林から在来植物(コナラほか)と表土を移植し、在来の低地性樹種30種程度を植栽した。池には、前橋・玉村の休耕田および現地に埋没した水田土壌を撒きだしした。2009年の調査では、在来植物40種、外来植物1種の計41種の生育が確認された。男井戸川遊水池内ビオトープは、群馬県伊勢崎工事事務所が休耕田を遊水池化し、その一部に造成中である。造成前の休耕田では、2008年の調査により在来植物24種、外来植物4種の計28種の生育が確認された。この中にはアサザをはじめ、計4種の絶滅危惧種が含まれ、土壌または植物体の状態で保存されており、ビオトープ完成後に戻す予定である。以上のように大型ビオトープは、学術調査に基づいた人為的・積極的管理により、地域の在来種と絶滅危惧種の保護・系統維持など、生物種多様性の保全において重要な役割を担うことが期待できる。


発表者名:石川真一

題名:日本の砂浜海岸における砂丘植生の現状と課題―コメント

発表年月日:2011年3月9日

学会名:第58回日本生態学会大会シンポジウム「日本の砂浜海岸における砂丘植生の現状と課題」

開催場所:札幌コンベンションセンター(札幌)

概要:海岸砂丘植生・植物は、すでに1980年代から全国的に衰退が著しい。その保全のためには、以下の3点に留意する必要がある。第一に、海岸砂丘植物の研究は100年以上の歴史のある領域であり、また環境省の分類では「自然草原」に入り、植生自然度10という最も自然度の高い植生であるなど、学術上・保全上貴重な自然植生帯である。第二に、日本の海岸砂丘は様々な開発行為により、そのほとんどがすでに失われ、今後地球温暖化により海面が1ⅿ上昇すると、日本の砂浜面積の90%が消失すると予測されている。しかし海岸砂丘植物はレッドリストにもほとんど掲載されておらず、社会的・学術的認知度が非常に低い。東日本大震災による地盤沈下・大津波が沿岸域の自然植生にどのように影響しているか早急に調査し、レッドリストにおける海岸砂丘植物のランク評価をやり直す必要がある。第三に、海岸植物図鑑の復活など、研究成果・教育普及活動を推進し社会的理解を深める必要がある。また海岸法の改正で「海岸環境の整備と保全」が必須となり、その計画は各自治体が策定することとなったので、工学系・実学系の研究者および国土交通省と関連機関・自治体と生態学分野の共同研究・共同事業を実施していくことが、海岸砂丘植生・植物の保全に不可欠である。


発表者名:石川真一、ペレンゲル・ハシフー

題名:外来樹木ハリエンジュが渡良瀬川河川敷の在来植物相に及ぼす諸影響

発表年月日:2011年3月11日

学会名:第58回日本生態学会大会

開催場所:札幌コンベンションセンター(札幌)

概要:日本各地のダムを建設した河川の上・中流域で近年、外来樹木ハリエンジュが樹林化して、河道封鎖・堤防破壊や生物多様性減少などが危惧されている。植物相調査の結果、群馬県渡良瀬川上流に約30年前に建設された草木ダム周辺においては、ダム建設後も本来の生育立地が各地に残存し、山地性植物種が多く生存している一方で、山地性でない草本植物種および外来植物種も少なからず生育が確認された。また群馬県桐生市内の渡良瀬川河川敷における国土交通省との共同実験により、ハリエンジュを伐採することによって、植物種の多様性を回復できる可能性があるが、抜根まで行うと別の外来植物の繁茂を誘発する危険性があることが示唆された。渡良瀬川上中流域における分布調査により、最上流の足尾町で植林したハリエンジュ由来の個体が、全体で57カ所において合計110,080本生育していると推定された。ハリエンジュの根・茎・葉の各器官抽出液が、河川敷に生育する外来種3種(ナガバギシギシ、コセンダングサ、ショカツサイ)および在来種3種(チヂミザサ、ミゾコウジュ、メハジキ)の種子発芽に与える影響を発芽実験により検証した結果、茎および根の抽出液は、いずれの植物の種子の最終発芽率も大きく低下させた。またこの低下の度合いは、全体として外来種3種よりも在来種3種でより大きくなった。ハリエンジュの葉の抽出液にも同様の抑制効果があることが検出されたが、その効果は茎と根の抽出液よりも弱く、また時間が経つとさらに弱くなる可能性があると考えられる。いずれにしても、これらの在来植物の種子発芽に対する抑制効果は、野外調査で明らかになった、ハリエンジュ林およびその駆除後に外来種が特異的に多くなるという現象の一因になっていると推察される。


発表者名:石川真一

題名:企業と生物多様性―企業活動による生物多様性保全の実例

発表年月日:2011年3月12日

学会名:第58回日本生態学会大会フォーラム「企業と生物多様性―COP10の成果を受けて」

開催場所:札幌コンベンションセンター(札幌)

概要:群馬県内で企業が育成中の2つのビオトープの、植物種多様性の保全または再生状況を紹介した。


[社会的活動]

開催者名:石川真一

題名:教養教育合宿実習「群馬県本白根山の自然環境の成り立ちと保全」

開催年月日:2011年6月18日・19日

開催場所:群馬県草津町

概要:群馬大学学生を対象とし、草津白根山の自然環境資源としての重要性や、周辺地域の産業がいかに自然環境資源をうまく利用して成り立っているかを体験する実習。


開催者名:石川真一

題名:ビオトープ育成のための環境科学的調査研究と講習

開催年月日:2011年4月~10月毎月2回開催

開催場所:群馬県明和町、群馬県藤岡市

概要:㈱アドバンテスト群馬R&Dセンター(群馬県明和町)および㈱チノー藤岡事業所内に竣工したビオトープを育成する環境科学的調査研究を行い、これに基づいて講習を行った。㈱アドバンテストビオトープ基金および㈱チノービオトープ基金により助成を受けた。


開催者名:石川真一(群馬県自然環境調査研究会)

題名:群馬県・絶滅危惧植物実態調査

開催年月日:2011年3月~9月(月3回程度)

開催場所:群馬県東吾妻町、太田市、館林市、板倉町

概要:群馬県の委託事業である。群馬県レッドデータブックの改訂に必要な情報を得るため、群馬県内各地における絶滅危惧植物の分布・個体数・生育立地調査、種子採集を担当した。


開催者名:観音山丘陵の自然を守るネットワークの会、高崎商科大学

題名:公開講座「外来植物の脅威群馬県の実例」

開催年月日:2011年7月30日

開催場所:高崎商科大学

概要:地域住民対象の公開講座。群馬県内に蔓延するオオキンケイギクなどの外来植物の生態と防除法法に関する講義を行った。参加者60名。

社会心理学研究室

[翻訳]

著者名:Stephen Palmer & Alison Whybrow(Eds.)

訳者名:柿本敏克、堀正[左は日本語版監訳]、ほか13名

書名:コーチング心理学ハンドブック

単・共の別:共著(分担部分は単著)

発行年月日:2011年7月15日

発行所名:金子書房

総頁数:550

概要:Stephen Palmer & Alison Whybrowによる“Handbook of coaching psychology: A guide for Practitioners”.(Psychology Press, 2008)の全訳である。

担当部分:第20章「コーチ―クライエント関係の再検討―コーチングにおける目立ちにくい変化主体」(翻訳書346-381頁)を担当した。上記原書の第20章“Reappraising the coach-client relationship : The unassuming change agent in coaching”(Pp.295-324)を、原典に忠実に訳出した。


[その他報告書]

編者名:柿本敏克

題名:平成22年度群馬大学社会心理学セミナー報告

発行年月日:2011年3月

発行所名:群馬大学社会情報学部

総頁数:45

概要:平成22年度に社会情報学部主催で実施された第7回「群馬大学社会心理学セミナー」(杉万俊夫先生)および群馬大学社会心理学研究会主催・社会情報学研究センター共催で実施された第7回群馬大学社会心理学研究小集会(相馬敏彦先生)の講演録として作成された。


[学会発表]

発表者名:柿本敏克、細野文雄、松原健太

題名:状況の現実感と地域への帰属意識は環境行動を促進するか?

単・共の別:共

開催年月日:2011年9月10-11日

発表学会名:日本応用心理学会第78回大会

開催場所:信州大学

概要:状況の現実感と地域への帰属意識、および経済的ゆとり感が環境行動を促進するというモデルをたて、その妥当性を仮想世界ゲームのオリジナル版および電子版のデータによって検討した。状況の現実感として、下位尺度の一つである「一回性の感覚」を用いた。2つのデータセット毎に検討した結果を併せると、このモデルが部分的に成立することが明らかになったが、オリジナル版ゲームからのデータでは一回性の感覚が逆に環境行動を抑制する傾向が見られた。この結果は「現金に対する執着」という観点から解釈された。


発表者名:松原健太、柿本敏克

題名:価値観がリスク情報に基づく大学生の信頼性判断に及ぼす影響

単・共の別:共

開催年月日:2011年9月10-11日

発表学会名:日本応用心理学会第78回大会

開催場所:信州大学

概要:シュプランガーによる価値観を測定するため酒井ら(1998)によって開発された価値志向性尺度を用い、リスク情報に基づく大学生の信頼性判断がそのうちの理論志向性と経済志向性によって影響を受けるかを検討した。100名の大学生が旅行・食品・携帯電話の3つ領域で作成されたリスク情報を含む広告の信頼性を評定した。いずれの価値志向性も、その高低が信頼性判断に有意な差をもたらさなかった。旅行・携帯電話の2つの広告を対象とした判断では、経済志向性の高い回答者群で信頼性判断のバラツキが有意に大きかった。


発表者名:柿本敏克、広瀬幸雄

題名:状況の現実感が集団同一視に与える影響について

単・共の別:共

開催年月日:2011年9月18-19日

発表学会名:日本社会心理学会第52回大会

開催場所:名古屋大学

概要:状況の現実感が集団同一視に与える影響についてモデル化し、その妥当性を仮想世界ゲームのオリジナル版および電子版に参加した83名のデータにより検討した。「状況にコミットする意欲」と「集団成員としての実際の活動」という2つの要因それぞれが媒介要因となり集団同一視を高めるというモデルを検討した。すべてのパスが有意であったため、当該モデルの妥当性が確認された。


[講演]

講演者名:柿本敏克

題名:『オレオレ詐欺』=人は何故だまされるのか~人間の本質に迫る~

開催年月日:2010年11月11日、19日、30日【3回連続講座】

主催者:群馬県教育委員会

講演会名:ぐんま県民カレッジ「オープンキャンパス」大学等出前講座

開催場所:藤岡市鬼石公民館

概要:群馬県教育委員会からの依頼で、ぐんま県民カレッジの一環として3回連続の講義を行った。振り込め詐欺や悪徳商法などに人は何故だまされるのか、だまされないためにどのようにすればよいのかということを社会心理学の面から述べた。

行政学研究室

[講演]

講演者名:北村純

題名:政策・予算の執行

開催年月日:2011年1月22日

講演会名:平成22年度イラク行政官セミナー

開催場所:JICA 東京(東京都渋谷区)

概要:独立行政法人・国際協力機構[中東欧州部・東京国際センター]開催(実施主体:特定非営利法人・日本政治総合研究所)によるイラク行政官(大統領府職員、首相府職員、その他政府関係者)を対象とした「平成22年度イラク行政官セミナー」(2011年1月18日~2月3日)における研修プログラムの1つとして、わが国の「政策・予算の執行」について概観的な講義および参加者との質疑応答を行った。

経営管理研究室

[学術論文]

著者名:杉山学

題名:データ包絡分析法によるJR と大手私鉄の事業活動効率比較―DEA とInverted DEAのウィンドー分析による大手私鉄各社(在東日本)の推移―

発行年月日:2011年3月31日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:18

頁:67-96

概要:本研究は、国鉄の分割・民営化から約23年が経過し、本当にJR は国鉄時代の事業活動から、大手私鉄並みの事業活動に改善されたかを、データ包絡分析法(DEA:Data Envelopment Analysis)の諸手法を用いて実証的に検証、評価することが目的である。これにより、国鉄の分割・民営化に対する本来の目的が達成されたかを議論でき、一連の政策決定が妥当なものであったかを議論する上で、重要な資料を提示できると考える。第4報である本論文では、第2報の論文「データ包絡分析法によるJR と大手私鉄の事業活動効率比較―DEA/ウィンドー分析によるJR 旅客各社の推移―」と、第3報の論文「データ包絡分析法によるJR と大手私鉄の事業活動効率比較―Inverted DEA/ウィンドー分析によるJR 旅客各社の推移―」での分析の際に、既に分析済みであるが、掲載できなかった大手私鉄の中でも東日本で事業活動している鉄道事業者8社について、企業的側面である“効率性の追求”の面から評価したDEA の結果と、公共的側面である“非効率性の改善”の面から評価したInverted DEA の結果を検証し、考察を行った。すなわち、副題の「DEA とInverted DEA のウィンドー分析による大手私鉄各社(在東日本)の推移」を中心に報告した。


[講演]

講演者名:杉山学

題名:ビジネスプラン策定スキル④ ~事業構造と競争関係のデザイン~

開催年月日:2011年1月20日

講演会名:平成22年度群馬大学公開講座「社会起業家特論(ビジネスプラン策定スキル)」

開催場所:群馬大学サテライト高崎

概要:平成22年度群馬大学公開講座として、「ビジネスプラン策定スキル④ ~事業構造と競争関係のデザイン~」という題目の講演を行った。具体的な内容として、ビジネスプラン策定において「決定理論」と「ゲーム理論」の考えを活用した合理的な意思決定を企業活動の例題にて解説を行った。


講演者名:杉山学

題名:総合評価手法

開催年月日:2011年8月4日

講演会名:平成23年度群馬大学公開講座「企業・産業分析スキル(金融プロフェッショナルによ

るマネー講座)」

開催場所:群馬大学サテライト高崎

概要:平成23年度群馬大学公開講座として、「総合評価手法」という題目の講演を行った。具体的な内容として、総合評価をして合理的な意思決定支援を行う階層分析法(Analytic Hierarchy Process:AHP)を、身近な例題の意思決定に用い、合理的に結論を導き出す解説を行った。

計量経済学研究室

[学術論文]

著者名:樋田勉

題名:消費者物価の地域差

単・共の別:単著

発行年月日:2011年3月

掲載誌名:『群馬大学社会情報学部研究論集』

巻数:18

頁:141-162

概要:本稿では、1997、2002、2007年の全国物価統計調査を利用して地域間の価格水準差について検討した。価格調査における調査品目の定義の厳密性、消費者が利用する店舗業態の地域差が、地域間価格指数の数値に影響を与えており、地域間価格指数を利用する際には、これらの影響を考慮することが重要であることを示した。


[学会発表等]

発表者名:樋田勉

題名:社会生活基本調査による消費者の購買行動分析

単・共の別:単

開催年月日:2011年9月5日

発表学会名:2011年度統計関連学会連合大会

開催場所:九州大学、福岡

概要:社会生活基本調査の匿名データを利用して、消費者の購買行動分析を行った。消費者の購買行動は、消費者の直面する在庫費用、移動費用、時間の機会費用などと関連があることを示した。


題名:群馬大学社会情報学部における経済データ分析教育

単・共の別:単

開催年月日:2011年2月17日

発表学会名:第21回経済情報処理ワークショップ(富山大学経済学部)

開催場所:富山大学、富山

概要:報告者が担当する計量経済学関連科目の内容と、R、STATA、GIS ソフト等を利用するデータ解析教育の方法について報告した。


[社会貢献等]

開催者名:総務省統計研修所

題名:「Rによるミクロデータ解析入門」講義

開催年月日:2011年11月17日、2011年11月18日(計8時間)

開催場所:東京都新宿区

概要:官公庁職員を対象とする統計研修コース「Rによるミクロデータ解析入門」(全20時間)のうち「ミクロデータ分析の実際」(8時間)を担当した。基本統計量の計算や回帰分析を行う際に、調査設計を考慮して標準誤差を計算することの重要性を説明し、その方法について講義・実習を行った。

行政法研究室

[学術論文]

著者名:西村淑子

題名:開発行為許可取消裁決の拘束力

発行年月日:2011年1月

掲載誌名:平成21年度行政関係判例解説

頁:16-25

概要:横浜地裁平成21年8月26日判決・判例自治325号66頁は、鎌倉市大船観音近くに計画されたマンション建設をめぐり、鎌倉市が原告開発事業者に補助参加し、周辺住民が被告神奈川県に訴訟参加して争った事件である。本稿では、本判決を解説し、行政不服審査法43条1項及び2項所定の裁決の拘束力について検討した。


著者名:西村淑子

題名:カーボン・オフセット―地方自治体によるオフセット・クレジットの活用―

発行年月日:2011年3月

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻号数:18巻

頁:131-139

概要:日本国内の温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトにより実現された温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジットとして認証する制度であるJ-VER(Japan Verified Emission)について、その概要を紹介し、認証状況や販売実績を示し、J-VER 制度の意義と課題について検討した。


著者名:西村淑子

題名:委託処理基準刑事事件―木くずの産業廃棄物該当性

発行年月日:2011年10月

掲載誌名:別冊ジュリスト(環境判例百選)

巻号数:

頁:150-151

概要:東京高裁平成20年4月24日判決・判タ1294号307頁①事件は、木くずが廃棄物処理法2条4項にいう「産業廃棄物」に該当するか否かが争われた事案である。本稿では、「廃棄物」の解釈について、廃棄物処理法、通知、学説、従来の判例を解説し、水戸地裁平成16年1月26日判決(未登載)と比較したうえで、本判決の特徴・意義を検討した。


[研究会報告]

報告者:西村淑子

題名:泉南アスベスト国家賠償請求訴訟

開催年月日:2011年5月28日

研究会名:行政判例研究会

開催場所:第一法規株式会社東京本社会議室

概要:大阪泉南地域の石綿工場の労働者が石綿肺、肺がん又は中皮腫等に罹患したことについて、国の規制権限不行使に基づく国賠法上の責任が肯定された事案である泉南アスベスト国家賠償請求訴訟(大阪地裁平成22年5月19日判決・判時2093号3頁)について報告した。

民法研究室

[学術論文]

執筆者名:前田泰

論題:相続と第三者保護

発行年月日:2011年1月

掲載誌名:法律時報83巻1号

概要:掲載誌の特集「相続と財産法理論」の中で、「相続と第三者保護」の問題における議論を素材として、その「家族法的側面」と「財産法的側面」を抽出し、両者の総合判断上で再検討を加えることを目的とした作業を行った。具体的には、①結果的に保護される者が真正相続人か(家族法的側面)、第三者か(財産法的側面)、②その帰結を導く法理が相続法の領域に属するのか、財産法の法理によるのか、③その解決方法が、相続を財産権の移転以上のものではないとする理解で捉えきれるのか(財産法的側面)、捉えきれないとすればそこに家族法的側面が含まれるのか、以上の観点からの検討を行った。


執筆者名:前田泰

論題:親権者の法定代理権の範囲

発行年月日:2011年3月

掲載誌名:椿寿夫=伊藤進編『代理の研究』(日本評論社)

概要:親権者は自己の親権に服する未成年者を代理してその未成年者の財産を第三者に贈与する等の未成年者に不利益な行為を有効にすることができるという一般的な理解を疑問視し、親権者の法定代理権の範囲に関する立法趣旨、学説および判例を踏まえ、他の解決方法の限界を明らかにして、代理権の範囲を限定する私見を提示し、さらに、これを前提とする場合の表見代理法理および無権代理法理上の検討課題を明らかにした。(法律時報78巻11号に掲載した論文を大幅に加筆修正した。)


執筆者名:前田泰

論題:総則代理規定の法定代理への適用

発行年月日:2011年3月

掲載誌名:椿寿夫=伊藤進編『代理の研究』(日本評論社)

概要:民法総則の代理の節の規定が任意代理に適用されることは疑問視されないが、これに対して、法定代理への適用の可否については、多くの規定について議論がある。この論文では、法定代理と任意代理との異同、いいかえれば、「法定『代理』の代理性」を検討することを目的として、民法総則の代理規定が法定代理に適用されるべきか否かに関する議論を各規定ごとに整理して検討した。


[研究ノート]

執筆者名:前田泰

論題:プロバイダの発信者情報開示義務

発行年月日:2011年3月

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集18巻

概要:平成22年4月に登場した、プロバイダの発信者情報開示義務に関する2件の最高裁判決の意義を、従来の下級審の状況から位置づけ、今後の検討課題を探った。その結果、1件は、立法当初は予想していなかった経由プロバイダの発信者情報開示義務について、下級審で固まった内容を踏まえて、これを肯定した点に意義があることを明らかにした。そして、もう1件は、発信者情報を開示しないプロバイダの重過失の判定について、初めて重過失を肯定した原審を破棄して、これを否定した点、最高裁として踏み込んだ判断をした点に意義があることを明らかにした。

情報法研究室

[公表論文]

著者名:松宮広和

題名:近時のアメリカ合衆国における情報サービス規制をめぐる議論について・再論―ケーブル事業者であるComcast Corporationによる差別的なネットワーク運営実務の終了を命じたFCC の命令を取り消したアメリカ合衆国連邦控訴裁判所の判決を中心に―

単・共の別:単著

掲載紙名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第18巻

号数:

発行年月日:2011年3月31日

頁:97-129

要旨:アメリカ合衆国のブロードバンド政策においては、近時の合衆国最高裁判所判決及びFCC による規制緩和によって、ケーブル・モデム・サービスを含むブロードバンド・インターネット・アクセス・サービスが、連邦通信法第I 編のもとで、より緩やかな規制にもとづく情報サービスとして規制されることが確定した。しかし、「ネットワークの中立性」をめぐる議論の活発化とともに、FCC が、情報サービスのプロバイダーに対して、如何なる法的根拠のもとで、如何なる範囲で規制権限を行使し得るかという問題が、顕在化してきた。筆者は、本稿で、ケーブル事業者であるComcast Corporationによる差別的なネットワーク運営実務の終了を命じたFCC の命令を取り消したアメリカ合衆国連邦控訴裁判所の判決を中心に、当該問題に対する検討等を行った。


[翻訳・編集等]

研究代表者名:松宮広和

報告書:科研研究題目:「次世代のネットワークが通信・放送の融合法制の実現に与え得る影響について」(若手研究(B))(平成21年度)報告書

単・共の別:単独

報告年月日:2010年4月

研究支援者:独立行政法人日本学術振興会

研究期間:平成22(2010)年4月-平成23(2011)年3月

概要:標記と同名の科研研究に、研究代表者として従事してきた。その詳細については、[研究活動その他]の項目に記した、当該科研研究に関する記載を参照のこと。平成21(2009)年度は、特に、(1) 「次世代のネットワーク」(NGN)を経由してサービスを提供することが想定される電気通信事業者に対する規制のあり方、及び(2) NGN を経由して提供されるものを含む「情報サービス」に対する規制のあり方、に関連する研究に従事し、その研究成果の一部を公表した。本報告書は、これらの研究の実施状況について記載したものである。


[研究活動その他]

研究代表者名:松宮広和

科研研究題目:「次世代のネットワークが通信・放送の融合法制の実現に与え得る影響について」(若手研究(B))(平成21年度-23年度)

研究支援者:独立行政法人日本学術振興会

研究期間:平成22(2010)年4月-

概要:上記の科研研究に、研究代表者として従事している。本研究は、近時にその実現に向けて検討が開始された通信・放送の融合法制のあり方についての研究の一部に位置付けられる。近い将来に情報通信の領域において重要な役割を果たすであろう「次世代のネットワーク」(NGN)が、レイヤー型の通信・放送の融合法制の実現に与え得る影響について、特にレイヤー型規制の導入に際して最大の課題となることが予測され、将来的にNGN を経由して提供されるであろう「放送類似のメディア・サービス」及びそれに対する規制のあり方を中心に追求することをその目的とする。より具体的には、(1)各国におけるNGN 及びそれに対する規制の現状又は将来的展望、(2)近時にはインターネットに代表される各種のネットワークを経由して提供される様になってきた、既存の「放送サービス」に類似する「放送類似のメディア・サービス」及びそれに対する規制の各国における現状、並びに(3)将来において、当該サービスが特にNGN を経由して提供される場合に発生し得る問題及びそれに対する政策のあり方、の3つを中心的課題として、融合法制の実現に貢献し得る成果の獲得を目指す。平成22(2010)年度は、当該研究題目に関連する研究に従事した。