研究活動の要旨(2017年度)
新井康平(会計情報分析研究室)
[学術論文等]
著者名:廣瀬喜貴,平井裕久,新井康平
題名:MD&A情報の可読性が将来業績に及ぼす影響:テキストマイニングによる分析
発行年月日(西暦):2017年3月31日
掲載誌名:年報経営分析研究
巻数:巻33号
頁:29-43
概要:経営分析の観点から日本における有価証券報告書のMD&A情報を対象として,可読性が将来業績及ぼす影響を検証した。テキストマイニングによる分析を用いた点に特徴がある。新井は,分析を担当した。論文は,廣瀬喜貴,平井裕久,新井康平の3名による共著。
[編著書]
編著者名:安酸建二,新井康平,福嶋誠宣
書名:販売及び一般管理費の理論と実証
発行年月日(西暦):2017年6月15日
発行所名:中央経済社
頁:184
概要:日本管理会計学会スタディグループ(コスト変動の把握と変動の原因解明に向けた実証的研究)の研究成果を編著書として出版したもの。編者は,安酸建二,新井康平,福嶋誠宣の3名。新井が執筆を担当したのは,序章,第2,3,4,終章である。
石川真一(環境科学第二研究室)
[学術論文等]
著者名:石川真一
題名:工場緑地における生態学的自然再生・生物多様性保全
発行年月日(西暦):2016年11月
掲載誌名:GREEN AGE
巻数:43(11)
頁:13-18
概要:(財)日本緑化センター会長賞受賞に伴う依頼論文。生物多様性保全における企業の役割,生物多様性を保全する「自然再生事業」としてのビオトープについて概説し,ビオトープの“順応的”な管理方法について,群馬県内の企業敷地内で群馬大学社会情報学部環境科学研究室によって行われている実践例をあげて概説した。
[学会発表]
発表者名:石川真一,増田和明,大森威宏
題名:群馬県内の里山における絶滅危惧植物種ヒメアマナの10年間の開花個体数動態
発表年月日(西暦):2017年3月16日
発表学会名:第64回日本生態学会大会
開催場所:早稲田大学
概要:2007年に新たに確認された群馬県内の里山のヒメアマナ(絶滅危惧IB類)群生地において,その後1〜3年おきに4月中下旬に開花個体数調査を実施したところ,標本抽出調査(2008-2013年)および全数調査(20015-16年)で約500〜1600となり,2013年以降は,2007年に植林されたコナラの生長による被陰にもかかわらず,イノシシ等のケモノ道沿いで増加傾向にある。2007年の推定開花個体数を約6000と報じた(2008年生態学会ポスター講演)が,これはサブプロットの一つで過大評価になっていたと推察される。個体あたり開花数は最大8花で,いずれの調査年においても2花の個体数が最も多く,次いで1花,3花個体であり,4花以上の個体は非常に少ない。2007年に一部の開花個体(n=27)を掘りあげて鱗茎サイズおよび娘鱗茎数を計測した結果,本種は鱗茎の長径6.5mm付近を限界サイズとして,鱗茎サイズと個体あたり開花数の間に強い正の相関があることが確認された。また本種は鱗茎の長径5mm以上で娘鱗茎を生産して(1〜6個)栄耀繁殖を行うが,鱗茎サイズと娘鱗茎数の間には有意な相関は見られなかった。2008年に結実率を計測した(n=80)ところ,結実した個体の比率と個体あたり開花数の間には強い正の相関があることが示されたが,個体あたりの結実数(0〜3個)と個体あたり開花数の間には有意な相関がみられなかった。すなわち本種においては,栄耀・有性繁殖とも限界鱗茎サイズがあり,開花数も鱗茎サイズに依存しているが,いずれの繁殖様式でも生産される子の数は鱗茎のサイズに依存していないと推察される。以上より本種は限界鱗茎サイズ以上の個体が有性・栄養繁殖双方を行うことで主に1〜3花サイズの個体数が増加しており,また植林や動物による攪乱が個体群の拡大を促進している可能性が示唆された。
[その他]
講演
1.
題名:工場緑地における生態学的自然再生・生物多様性保全
年月日(西暦):2016年11月1日
会場:(財)日本緑化センター(東京都港区赤坂)
概要:財)日本緑化センター会長賞受賞講演
社会的活動
1.
開催者名:石川真一
題名:ビオトープ育成のための環境科学的調査研究と講習
開催年月日:2017年4月〜10月各月各1回開催
開催場所:群馬県明和町,群馬県藤岡市
概要:(株)アドバンテスト群馬R&Dセンター(群馬県明和町)および(株)チノー藤岡事業所内に竣工したビオトープを育成する環境科学的調査研究を行い,これに基づいて講習を行った。(株)アドバンテストビオトープ基金および(株)チノービオトープ基金により助成を受けた。
2.
開催者名:石川真一(群馬県自然環境調査研究会)
題名:群馬県生物多様性モニタリング調査
開催年月日:2017年4月〜9月(月2回程度)
開催場所:群馬県東吾妻町ほか
概要:群馬県の委託事業である。群馬県野生生物保護条例の制定に伴う生物多様性モニタリング調査として,ホットスポット内での絶滅危惧植物の分布・個体数・生育立地調査,種子採集を担当した。
伊藤賢一(理論社会学研究室)
[学術論文]
著者名:伊藤賢一
題名:小中学生のネット依存に関するリスク要因の探究 ― 群馬県前橋市調査より ―
発行年月日:2017年3月1日
掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集
巻数:24
頁:1~14頁
概要:2015年に群馬県前橋市で小中学生を対象に行った調査にもとづいて,生徒たちのネット依存の状況と依存が疑われるグループの利用しているネットサービスや生活満足度等について探索したもの。特に小学生男子と中学生女子に依存傾向がみられ,ゲームやSNSだけでなく動画サイトの利用も依存を促進する傾向があることを指摘している。(査読あり)
[その他(シンボジウムの企画・報告)]
報告者名:伊藤賢一
報告題目:群馬のブランドデータとネット文化(1) ― このシンポジウムのねらい
シンポジウム名:2016年度群馬大学地域貢献シンポジウム 明快!群馬の魅力の伝え方
主催者:群馬大学社会情報学部
開催年月日:2016年12月17日
開催場所:群馬大学荒牧キャンパス ミューズホール
概要:岩井淳准教授と共同で企画した群馬大学地域貢献シンポジウム。趣旨説明のための講演とパネルディスカッションの司会を担当した。岩井准教授以外の登壇者として,奈良晃世氏(群馬県総務部広報課ぐんまイメージアップ推進室),山尾信一氏(プレパラート代表),指出一正氏(雑誌『ソトコト』編集長),武井史織氏(Adobe Systems Inc. コミュニティ・マネージャー)。
[その他(会議参加)]
参加者名:伊藤賢一
会議名:平成28年度前橋市携帯・インターネット問題及び高度情報化社会への対応についての対策会議
主催:前橋市教育委員会
日時:2016年12月13日(第1回),2017年2月28日(第2回)
場所:前橋市総合教育プラザ
概要:前橋市教育委員会の依頼により有識者として標記の会議に参加した。次年度の方針や事業計画について意見交換を行った。
[その他(審査員)]
審査員名:伊藤賢一
題名:第6回小中学生新聞感想文コンクール
主催:上毛新聞社
日時:2016年10月20日
場所:上毛新聞社本社(前橋市古市町)
概要:県内の小中学生を対象とした新聞感想文コンクールの審査員を務めた。
井門 亮(言語コミュニケーション研究室)
[著書]
著者名:高見 健一・行田 勇・大野 英樹 (編)井門亮ほか
書名:〈不思議〉に満ちたことばの世界(下)
発行年月日(西暦):2017年3月25日
発行所名:開拓社
頁:252
概要:本書は,英語や日本語など,ことばとそれに関係する領域(ことばの文法・意味・語用)に見られる現象を解説したものである。担当した「会話の含意はどのように解釈されるか?」では,会話の含意の解釈について,Griceが提案した協調の原理と会話の格率の観点から検討を行った。(担当:井門 亮「会話の含意はどのように解釈されるか?」pp. 219-223.)
[著書]
著者名:中野 弘三 (編)井門亮ほか
書名:語はなぜ多義になるのか ―コンテキストの作用を考える―
発行年月日(西暦):2017年3月20日
発行所名:朝倉書店
頁:183
概要:本書は,語が多義化する主要な原因は語が使用されるコンテキストにあるという観点から,語の多義化に関する様々な問題を扱ったものである。担当した「多義語の分析と語用論」では,語彙語用論に基づき多義語の解釈過程について分析を行った。(担当:井門 亮「第5章 多義語の分析と語用論」pp. 106-127.)
岩井 淳(意思決定支援研究室)
[学術論文]
著者名:Sachiko Kanamori, Ryo Nojima, Hirotsune Sato, Naoya Tabata, Kanako Kawaguchi, Hirohiko Suwa, Atsushi Iwai
題名:How Does the Willingness to Provide Private Information Change?
発行年月日(西暦):2016年11月1日
掲載誌名:Proceedings of ISITA2016 (The International Symposium on Information Theory and Its Applications, 2016) Tu-D-2-4.
頁:(オンライン,計6頁)
概要:ビッグデータとして様々な個人データ使用が現実化する中で,個人情報の社会利用と個人のプライバシーの確保の両立が大きな問題になりつつある。本研究では,個人がどのような場合にプライバシーを侵害されたと感じるのかに焦点を当て,調査に基づく分析を行った。特に,2010年調査と2015年調査の結果を比較することにより,傾向変化の分析を行った。(査読有)
[学会発表]
発表者名:岩井 淳
題名:『集合的選択と社会的厚生』における価値と倫理 ― ナショナリズム・方法論的集合主義への批判とマルクスへの評価
開催年月日:2016年10月2日
発表学会名:日本倫理学会第67回大会
開催場所:早稲田大学
概要:アマルティア・センの主要な業績のひとつは経済学と倫理学の連結とされる。『集合的選択と社会的厚生』には,その初期の議論が収められている。このセンの議論におけるマルクス理論の位置づけの問題は,これまであまり注目されてこなかった。本報告では,センが同書においてマルクス(特にマルクス・レーニン主義以前のマルクス本来の着想)を明確に擁護する意図をもっていたことを説明した。また,ナショナリズムと方法論的集合主義への批判が,マルクスへの評価の文脈の下に整合的に統合されていたと思われることを説明した。
[その他](シンポジウム報告)
報告者名:伊藤賢一,岩井 淳
題名:群馬のブランドデータとネット文化
報告年月日:2016年12月17日
シンポジウム名:2016年度群馬大学地域貢献シンポジウム「明快!群馬の魅力の伝え方」
開催場所:群馬大学
概要:群馬大学の地域貢献活動の一環として開催された群馬の魅力の伝え方に関するシンポジウムにおいて,共同講演を行った。自身は,主として群馬県に関するブランドデータの作られ方に焦点を当てた議論を担当した。
[その他](シンポジウム報告)
報告者名:岩井 淳
題名:分散型意思決定手法の展開と"ノイマンの夢"
報告年月日:2017年6月3日
シンポジウム名:2017年度社会情報学会(SSI)社員総会シンポジウム「ブロックチェーンと社会組織・意思決定~自律分散システムの展開を考える」
開催場所:東京大学
概要:ブロックチェーン技術の社会的展開を検討するシンポジウムにおいて,佐藤俊樹著『ノイマンの夢 近代の欲望』の議論を踏まえつつ,Gitを含めた分散型意思決定手法の射程について考える講演を行った。
[その他](事典の項目担当)
担当者名:岩井 淳
項目名:最小多様度の法則(第Ⅱ部 第9章「社会システム」内)
書名:『社会学理論応用事典』(日本社会学会 理論応用事典刊行委員会 編集)
発行年月日(西暦):2017年7月31日
発行所名:丸善出版
担当箇所,頁:pp484-485
概要:サイバネティクス理論の一つとして提出された最小多様度の法則について,解説を行った。
大野富彦(経営学研究室)
[学術論文]
著者名:大野富彦
題名:旅館の仕事と働きやすさ・働きがいに関する一考察―伊香保温泉旅館ホテル天坊の接客部フロントサービス従業員の声を基に―(査読有,原著論文)
発行年月日(西暦):2017年3月31日
掲載誌名:『観光研究』,日本観光研究学会
巻数:Vol.28, No.2
頁:57-67
概要:旅館の場合,顧客の満足度には,部屋,料理,風呂といったモノのほかに,従業員の接客を通じた経験が影響する。本研究は,この接客に関わる人々に焦点をあて,彼ら・彼女らの声を基に,働きやすさ・働きがいについて検討し,旅館経営で参考になるような実践的な含意を導くことを目的とする。天坊の事例から,社内コミュニケーション:「タテ・ヨコのコミュニケーションのとれた職場」と人材育成:「従業員の成長を意識した仕事。そのための人材育成」の重要性を指摘することができた。
著者名:大野富彦
題名:日本版DMOの役割と課題に関する試論(査読無,研究ノート)
発行年月日(西暦):2017年3月1日
掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集
巻数:24
頁:81-92
概要:政府が進めている「地方創生」の一環として観光産業の強化があり,その実現に向けて日本版DMOの推進がある。日本版DMOは,地域づくりのための舵取り役として,多様なステークホルダーと協同することが求められる。本稿は,この日本版DMOの背景と役割を整理し,経営学の立場から試論を述べていく。本稿では,「日本版DMOの境界」と「合意形成のプロセス」について指摘し,特に,後者については,インフォーマルを含めた場の創造を強調する。ステークホルダーの地域に対する思いは様々であり,場を通じて彼ら・彼女らの思いが共有されれば,それが,地域のケイパビリティの発見につながり,観光やさらには魅力ある地域づくりにつながっていくと思われるのである。
[学会発表]
発表者名:大野富彦
題名:DMOの境界と合意形成プロセス―観光地域づくりにおける重層的な場について―
発表年月日(西暦):2016年12月4日
発表学会名:第31回日本観光研究学会全国大会
開催場所:江戸川大学
概要:政府が進めている「地方創生」の一環として観光産業の強化があり,その流れにおいて,日本版DMOの推進がある。本研究は,本格的な展開を前にした日本版DMOについて,主に経営学の立場から整理し,DMOの境界と合意形成のプロセスを検討する。DMOの境界では,「ケイパビリティ」や「取引コスト」の点から組織内で行う事業の範囲を明確にすることを,合意形成のプロセスでは,仕事の場,共創の場,交流の場という3つの場が重層的にあることを示す。本研究の根底には,地域の魅力や価値は,そこに住んでいる人の知見や訪れた人の発見を活かすことがあり,特に,共創の場が強調される。
[その他:研究会発表など]
発表者名:大野富彦
題名:観光客の増加がもたらす影響とITの可能性-住んでよし,訪れてよし,働いてよしの視点から-
発表年月日(西暦):2017年7月12日
発表会名:第13回 群馬産学官金連携推進会議 テクニカルセッション「観光・ITで群馬を元気にする」
開催場所:前橋商工会議所
概要:ITによる誘客が必須の時代となった現在,観光客にSNSで観光地の情報の一部分を切り取って発信してもらうことは効果的である。動画を使うことでガイドブックよりも格段に多くの情報を発信することも可能となった。全国の多量の観光情報に埋没しないためにも魅力的なコンテンツあるいは効果的なITツールは必須である。本発表は,誘客と逗留に効果的なITツールとは何かについて,住んでよし,訪れてよし,働いてよしの視点から検討する。
柿本敏克(社会心理学研究室)
[学会発表]
発表者名:柿本敏克
題名:マイバッグ利用行動を促進するには―費用と便益,資源節約意識と金銭節約意識の影響
単・共の別:単
発表年月日:2017年8月26日
発表学会名:日本応用心理学会第84回大会
開催場所:立正大学(東京都品川区)
概要:マイバッグ利用による費用・便益の評価を独立変数として実験的に操作することにより,これらが因果的にマイバッグ利用の行動意図を高めるかを検討した。調整変数として節約意識(金銭と資源)の大きさについても検討した。大学キャンパス内の生協店舗利用者121 人に対する現場実験の結果,実験的に操作された費用・便益の評価が,環境配慮行動の一つであるマイバッグ利用の行動意図に因果的に影響を与えることが明らかになった。マイバッグ利用の便益評価はその行動意図を大きくさせた。さらに,この効果は金銭節約意識により増幅されることが示唆された。
河島基弘(比較文化社会学研究室)
[学術論文]
著者名:河島基弘
題名:危機に瀕するデンマーク領フェロー諸島のゴンドウクジラ猟
発行年月日(西暦):2017年3月1日
掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集
巻数:24
頁:15-31
概要:デンマーク領フェロー諸島のゴンドウクジラ猟が,環境保護団体の反捕鯨活動と,水銀やPCBによる鯨肉汚染によって存続の危機に立たされている現状を論じた。
吉良知文(ソーシャル数理研究室)
[学術論文]
著者名:Akifumi Kira, HIdenao Iwane, Hirokazu Anai, Yutaka Kimura, and Katsuki Fujisawa
題名:An indirect search algorithm for disaster restoration with precedence and synchronization constraints
発行年月日(西暦):2017年7月5日
掲載誌名:Pacific Journal of Mathematics for Industry
巻数:9:7
頁:15 pages
概要:災害時にライフラインの被害箇所を複数の作業班で手分けして巡り,最短時間で復旧させるスケジュールを作成する問題は配送計画問題の一種である。しかし,作業の先行順序や複数班の合流を考慮すると作業班が互いに独立ではなくなるため通常の局所探索法では良い解が得られない。 本稿では,この相互依存問題を克服する新たな間接局所探索法を提案し,その効果を示した。
著者名:Hiroaki Yamada, Kotaro Ohori, Tadashige Iwao, Akifumi Kira, Naoyuki Kamiyama, Hiroaki Yoshida, and Hirokazu Anai
題名:Modeling and Managing Airport Passenger Flow under Uncertainty: A Case of Fukuoka Airport in Japan
発行年月日(西暦):2017年9月2日(2017年7月4日採択)
掲載誌名:Social Informatics (Proceedings of SocInfo 2017, Part 2, Lecture Note in Computer Science)
巻数:10540
頁:419--430
概要:離散事象モデルを用いて,福岡空港国際線ターミナルにおける各施設の運用と旅客の動きを再現するシミュレータを構築した。実証実験ではシミュレータを用いて現場のステークホルダーと対話することで,観察では得られなかった有用な情報を得ることができ,このことが予測精度の向上とさらなる情報の取得という好循環につながった。
[その他]
研究成果のプレスリリース(株式会社富士通研究所, 九州大学, 富士通株式会社):
最適な保育所入所選考を実現するAIを用いたマッチング技術を開発, 2017年8月30日。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/08/30.html
小竹裕人(公共政策研究室)
[学術論文]
著者名:小竹 裕人 , 関 庸一 , 天谷 賢児 , 宝田 恭之 , 根津 紀久雄 , 清水 宏康 , 宗村 正弘
題名「低炭素移動手段として開発した低速電動バスの導入と地域コミュニティの活性化 (特集 創発的地域づくりによる脱温暖化プロジェクト)」
発行年月:2016年11月
発行:日本エネルギー学会誌
巻:95(11)
頁:980-986
概要:地方は自動車依存社会であり,自動車から発せられるCO2を削減させ,持続可能な社会の確立が求められている。日本は他国よりも一早く成熟社会に入り,地方の活性化と持続可能な社会の確立のためにはCO2低排出型の自動車の開発が重要である。人の歩く速度の低速電気コミュニティバスが,CO2の排出削減ばかりでなく地方の活性化のために開発された。最高速度を時速19kmにしたことで開発コストを抑えられた。低速度で低排出という特徴は,公共交通のいくつかの場面で活躍する。例えば(1)高齢者が病院や商店街に行くモビリティーを高め,(2)観光客が古くからの商店街で新たな発見をする手助けをし,(3)自動車乗り入れ禁止のリゾート地でもCO2フリーの観光を行うことができる。群馬県桐生市でデモや社会実験を行った。本論文では,開発経過やバスの特徴を報告する。さらに,低速度バスの実装による地域社会の活性化の影響が議論される。
[その他]
著者名:小竹編,荒井他
題名:「今,安中にいます」
発行年月日:2017年2月
概要:群馬県安中市の埋もれた地域資源をまとめ,意味付けし,発信するという,地域資源の6次産業化を試みたもの。「食」「交通」「歴史」「絹糸」といったカテゴリーで地域の資源の紹介を行った。「交通」の部分ではアプト式のレールに着目し,摩耗したレールが電線受けやマンホールの蓋に使われていることを紹介した。これについては,安中市が再調査し観光資源とすることを検討している。群馬県農村整備課・やまさと応縁隊の資金を受け3,000部発行した。これらの活動は,上毛新聞,読売新聞等で取り上げられた。好評で配布が終了しため,安中市の資金で3,000部の増刷を行った。
[社会的活動(委員会等)]
○政策立案にかかわるもの
・総務省行政評価局行政懇談会,9/27,2/17
・群馬県国体検討懇話会,10/24,11/21,1/11,1/23
・群馬県未来創生懇談会検証部会,11/21,2/6,6/27,8/23,8/29
・群馬県未来創生フォーラム,12/10,於:群馬大学
・連合群馬政策委員会(おもに県民アンケート関係),8/31
○行政と市民との協働にかかわるもの
・前橋市市民提案型パートナーシップ事業審査委員長,12/2,2/26,4/29
・伊勢崎市協働まちづくり事業審査委員長,6/25
○政策評価・行政の効率化にかかわるもの
・安中市行政改革審議会,10/2,1/24
・前橋市行革推進幹事会,11/2
・群馬県ヘリポート評価委員会,7/8,9/17,10/24,3/9,8/4
○やまさと応縁隊
現地調査,7/29,8/15,8/19,8/25,8/29,8/30,9/16・17,9/30,11/16,12/14,1/14
情報交換会,9/1,2/16
○その他
・群馬県公益認定等審議会委員,2/21,3/24,8/30
・群馬県産業政策課優良企業表彰委員会委員,11/16
・群馬県議会(シチズンシップツアー引率),12/1
・群馬県・上毛新聞者シゴトーク,11/17,於:群馬大学
・多々良沼城沼自然再生協議会委員,8/20,於:館林市文化センター
・群馬テレビ,放送番組審議会会長,毎月
・群馬大学理工学府,Future Kiryu,毎月,於:桐生斎嘉の四辻
[社会的活動(コーディネーター等)]
・未来創生フォーラム・コーディネーター
・連合群馬政策フォーラム,鈴木文彦氏(交通ジャーナリスト)の基調講演「交通弱者の足の確保と地方都市構造の在り方」を受けて,鈴木氏をパネリストに迎えコーディネート,7/22
[社会的活動(ワークショップ等)]
・赤城山振興にかかわる市民会議,前橋市・AKAGIやる気塾,偶数月,於:赤城山山頂ビジターセンター
・やる気の木プロジェクト,前橋市
坂本和靖(計量経済学研究室)
[学術論文]
著者名:Morita, Yoko and Kazuyasu Sakamoto
題名:The Impact of Afterschool Childcare on the “First-grade Wall”: Labor Supply of Mothers with SchoolAge Children in Japan
発行年月日(西暦):2017年3月
掲載誌名: The Empirical Economics Letters
巻数:vol.16, No.3
頁:209-220.
概要:We use the data from the “Longitudinal Survey of Adults in the 21st Century” in Japan to examine whether an increase in the availability of afterschool childcare encourages women with primary school age children to participate in the labor market.
Our analysis indicates that increase in the regional availability of afterschool childcare significantly promotes mothers’ labor force participation and retention of both fulltime and part-time jobs. The recent expansion of afterschool childcare in Japan is expected to increase full-time and part-time labor force participation by 2.51% and 2.39%, respectively, which is a significant impact on the female labor force participation in Japan.
[学会発表]
著者名:坂本和靖・森田陽子
題名:妻の所得が所得格差に与える影響
発表年月日(西暦):2016年10月1日
発表学会名:法政大学比較経済研究所『高齢化社会における世代間資産移転と家族関係に関する実証研究』プロジェクト研究会,
開催場所:法政大学 市ヶ谷キャンパス,ボアソナードタワー
概要: 本研究の目的は,世帯(所得)における妻所得の役割の変化に着目し, 妻の所得が世帯間所得格差に与える影響を確認することにある。世帯所得は夫に依拠していた時代から,1990年・2000年を通して,徐々に,妻が就業機会を得るようになり,今後も,さらに夫婦ともに働くことを希望する者が多くなっている。妻の所得というものが,「世帯」の所得に与える影響,さらには一つ一つの世帯所得のみならず,世帯間の所得格差というものに与える影響について,少し考えていきたい。本稿の特徴は,同一個体を追跡調査するパネル調査を活用し,女性のライフコース別に,世帯間所得格差に与える影響についてみていくことにある。
分析の結果,第一に,妻の所得が世帯間所得格差に与える影響は増大しているか?という問題に対しては,どの夫の所得分位でも,妻の所得による上方移動の効果あり,特に妻の働きによる平等化効果があり,世帯所得分布の不平等化は確認できなかった。第二に,女性のライフコース別(出産後の就業状況別)で世帯間所得格差に与える影響は異なるか?という問題に対しては,出産前後の途中参入・退出,常勤継続のいずれのライフコースを辿るかで,所得に大きな開きが生じることが確認された。
著者名:坂本和靖
題名:The Effect on Intrahousehold Resource Allocation of the Provisions on Pension Division in Japan's Employee Pension System
発表年月日(西暦):2016年10月
発表学会名:Counterfactual Methods for Policy Impact Evaluation 2016.
開催場所:Università Cattolica .
概要:This paper examines the effect of the provisions on pension division in Japan's employee pension system (more specifically, the provision on agreement-based pension division) on the allocation of resources within the household (i.e., expenditure, saving, and leisure time). Taking advantage of the characteristics of the Japanese Panel Survey of Consumers conducted by the Institute for Research on Household Economics, which follows the same households over time, this paper compares changes in household resources observed after the implementation of the pension division provisions in (1) households that are subject to the provisions and those that are not and (2) households that are aware of the provisions and those that are not. The results show that saving and leisure time (in terms of proportion) increase in households that are subject to pension division and in households that are aware of it. This paper cannot clarify concretely how bargaining in the household takes place. However, the policy amendment, which changes the receiver of part of the pension, is shown to make intrahousehold resource allocation advantageous to female spouses. This is considered an important result for analytical frameworks that take into account intrahousehold bargaining.
著者名:坂本和靖・森田陽子
題名:妻の働き方が夫婦の所得階層に与える影響
発表年月日(西暦):2017年6月25日
発表学会名:生活経済学会第33回研究大会
開催場所:東北福祉大学
概要:近年,妻の就業率が上昇し,夫妻の所得格差に影響を与えていることが指摘されている。本稿では,「消費生活に関するパネル調査」(公益財団法人家計経済研究所)を用いて,妻のライフ・コース選択(第1子出産時の就業継続,無業継続,離職,復職)が夫妻所得の格差に与える影響を所得階層移動の観点から実証分析をおこなった。
分析の結果,以下のことが明らかとなった。第1に,妻が出産後も継続的に就業すること,あるいは復職することは,夫高所得層において所得階層を上方に移動させる効果があり,無業が続くことは,夫低所得層において下方移動を促進する。第2に,育児休業の利用は夫高所得層で上方移動を促進する効果が大きく,夫低所得層において下方移動を抑制する効果が大きい。第3に,妻が継続的に就業することは貧困抑制につながり,特に低所得層においてその効果は大きい。
したがって,夫高所得層の妻に対して,就業支援をすることは夫妻所得の格差を拡大するため,ワーク・ライフ・バランス施策の制度の中立性を高めることが所得格差の観点から重要である。加えて,貧困対策の観点から夫低所得層の妻に対する就業支援を重点的におこなうことが期待される。
著者名:坂本和靖・森田陽子
題名:Women’s Career Decisions and Earnings Disparities among Married Couples in Japan
発表年月日(西暦):2017年8月4日
発表学会名:2017 Singapore Economic Review Conference, on August 2 – 4, 2017, (with Dr. Yoko Morita).
開催場所:Mandarin Orchard Singapore.
概要:This paper examines the impact of women’s employment and career decisions (continuing to work, continuing not to work, or leaving or changing jobs after birth of first child) on earning disparities and the mobility of earning class.
The results of the analysis can be summarized as follows. Firstly husbands’ earning, wife’s earning are influential factor on inequality. And the impact of wife's earning will become stronger in the future. Lastly continuous employment after childbirth does impact subsequent family earnings and contribute to upward mobility, while also inhibiting retention in lower earnings brackets.
末松美知子(舞台表象論研究室)
[学会発表]
発表者名:末松美知子
題名:データから見る現代日本のシェイクスピア上演
発表年月日(西暦):2016年12月4日
発表学会名:2016年度日本演劇学会研究集会
開催場所:京都産業大学
概要:本発表では,限定的な考察ではあるが,シェイクスピア上演作品のウェブ・アーカイブA|S|I|A(Asian Shakespeare Intercultural Archive) のデータから,現代日本のシェイクスピア上演の特徴を検証し報告した。演劇の本質を考えれば,断片的なデータで上演作品の何をどこまで語ることができるのか,それ自体が疑問に思えるが,A|S|I|A所蔵の50を超えるアジア諸国のシェイクスピア上演作品を分析し,上演に用いられた音楽,衣装,装置,小道具,照明,表現形態,言語等のデータを作成して比較した結果,日本のシェイクスピア上演の伝統芸能の取り入れ方や作品の時代設定等の特徴がある程度明らかになった。
杉山 学(経営管理研究室)
[学術論文]
著者名:杉山 学
題名:データ包絡分析法によるJRと大手私鉄の事業活動効率比較 ― 国鉄の分割・民営化後19年間のJR旅客各社の推移に対するグラフ化表現を用いた時系列評価 ―
発行年月日:2017年3月1日
掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集
巻数:24
頁:33-53
概要:本研究は,国鉄の分割・民営化から30年が経過し,本当にJRは国鉄時代の事業活動から,大手私鉄並みの事業活動に改善されたかを,データ包絡分析法(DEA)の諸手法を用いて実証的に検証,評価することが目的である。これにより,国鉄の分割・民営化に対する本来の目的が達成されたかを議論でき,一連の政策決定が妥当なものであったかを議論する上で,重要な資料を提示できると考える。第7報の本論文では,第6報と同様にJR旅客各社と大手私鉄に関する分析結果の第2報から第5報に対し,総合的な分析・評価の第2段として,JR旅客各社の分析結果に絞り,事業活動ごとの時系列的な推移に関して実証的な検証結果を整理し,考察を行った。DEAとInverted DEAのウィンドー分析の数値結果を,直感的にわかり易く表現する方法として,第6報においてローソク足を用いたグラフ化表現を提案し,分析結果を示したが,本研究では時系列的な推移を事業体ごとにさらに把握し易くするために,ローソク足の設定を変更した新たなグラフ化表現を本論文は使用した。加えて,事業体の分類法を利用してJR旅客各社の推移のグラフ化表現も行った。すなわち,副題の「国鉄の分割・民営化後19年間のJR旅客各社の推移に対するグラフ化表現を用いた時系列評価」を中心に報告した。
[学会等での発表]
発表者名:杉山 学
題名:DEAによるわが国の電力自由化後における電力各社の生産性推移と東日本大震災に影響について
開催年月日:2017年5月20日
発表学会名:日本オペレーションズ・リサーチ学会「評価のOR」
開催場所:静岡大学工学部
概要:本発表では,1995年の電力自由化開始以来,段階的に自由化が進む状況において,利用者にそのメリットを長期的に還元出来る状態かを検証するために,既存の電力各社の生産性が効率化されているかを,DEAとInverted DEAの時系列分析を用いて実証的に分析した結果を報告した。そして,電力各社の生産性を公共性「非効率性の改善」と企業性「効率性の追求」の両面からとらえ,東日本大震災以降の新しいデータを使用して,震災以後の生産性の状況も報告した。
[その他 (講演)]
講演者名:杉山 学
題名:社会的起業とビジネスモデル① ~ 消費者の嗜好傾向を探るには ~
開催年月日:2016年11月3日
講演会名:平成28年度 群馬大学公開講座「社会起業家特論(ビジネスプラン策定スキル)」【群馬大学 産学連携・共同研究イノベーションセンター 荒牧分室 共催】
開催場所:群馬大学サテライト高崎会場
概要:平成28年度 群馬大学公開講座として,「社会的起業とビジネスモデル① ~ 消費者の嗜好傾向を探るには ~」という題目の講演を行った。具体的な内容として,マーケティング手法として,コンジョイント分析を用いて,消費者の嗜好傾向を探る例題にて解説を行った。
[その他 (講演)]
講演者名:杉山 学
題名:ビジネスプラン策定スキル② ~ 事業構造と競争関係のデザイン ~
開催年月日:2016年12月15日
講演会名:平成28年度 群馬大学公開講座「社会起業家特論(ビジネスプラン策定スキル)」【群馬大学 産学連携・共同研究イノベーションセンター 荒牧分室 共催】
開催場所:群馬大学サテライト高崎会場
概要:平成28年度 群馬大学公開講座として,「ビジネスプラン策定スキル② ~ 事業構造と競争関係のデザイン ~」という題目の講演を行った。具体的な内容として,ビジネスプラン策定において「決定理論」と「ゲーム理論」の考えを活用した合理的な意思決定を企業活動の例題にて解説を行った。
[その他 (講演)]
講演者名:杉山 学
題名:金融ビジネスの基礎知識⑤ ~ 総合評価手法 ~
開催年月日:2017年7月20日
講演会名:平成29年度 群馬大学公開講座「企業・産業分析スキル特論(金融ビジネスの基礎から実際まで)」【群馬大学 産学連携・共同研究イノベーションセンター 荒牧分室 共催】
開催場所:群馬大学サテライト高崎会場
概要:平成29年度 群馬大学公開講座として,「金融ビジネスの基礎知識⑤ ~ 総合評価手法 ~」という題目の講演を行った。具体的な内容として,総合評価をして合理的な意思決定支援を行う階層分析法(Analytic Hierarchy Process : AHP)を,身近な例題の意思決定に用い,合理的に結論を導き出す解説を行った。
高木 理(医療情報学研究室)
[学術論文]
著者名:高木 理,鳥飼幸太,浜元信州,青木 高,辻村真一,鈴木亮二,原澤祐輔,齋藤勇一郎
書名:大学病院における3つの側面からの院内ネットワーク統合化
発行年月日(西暦):2016年11月1日
掲載誌名:月刊 新医療
巻数:43(11)
頁:95-99-
概要:大学病院におけるネットワークシステムの複雑化の問題を,組織,デバイスおよびユーザ(による使われ方)の3つの側面から捉え,その問題解決に向けた取り組みの例として,2015年に稼働した新たなネットワークシステムの構築事例を紹介した。
著者名:高木 理,加藤 毅,杉本厚子,鳥飼幸太,遠藤浩樹,齋藤勇一郎
題名:Analysis of Nurse Call Data Based on the Medical Care Process
発行年月日(西暦):2017年1月
掲載誌名:iNFORMATION – An International Interdisciplinary Journal
巻数:22(1B)
頁:643-658
概要:病院情報システム(電子カルテおよびオーダリングシステム)とナースコールシステム上の履歴データを組み合わせて,入院患者の入院中の診療イベントに基づいて時系列的に変化するナースコール数を集計するナースコールデータ分析支援ツール(NCDA)を開発した。さらに,群馬大学医学部附属病院における2週間分のデータをNCDAによって分析し,手術の直後にナースコール数が有意に増加することを示した。
なお,本論文は,国際会議The 2016 International Conference on Science and Engineering in Biology, Medical and Public Health (BioMedPub 2016)(ジャカルタ)における2016年10月9日の発表内容がジャーナルペーパーとして掲載されたものであり,本論文はBioMedPub 2016におけるベストペーパーアワードを受賞している。
[学会発表]
発表者名: 高橋功二,鳥飼幸太,鈴木亮二,高木 理,辻村真一,茂木勇次,岡 めぐみ,野口瑞紀,斎藤勇一郎
題名: 検査システムと連携したパニック値検出・緊急連絡システムの開発
発表年月日(西暦):2016年11月22日
発表学会名:第36回医療情報学連合大会
開催場所:パシフィコ横浜
概要: 極異常値からパニック値を自動的に判定し,スマートフォンへプッシュ配信する仕組みを用いて,検査結果を迅速かつ確実に通知,記録し,スタッフの負担軽減,報告の遅れや口頭による伝達誤り等のリスク軽減に繋がる検査結果通知手段のプロトタイプを開発した。
発表者名:鳥飼 幸太,鈴木 亮二,高木 理,辻村 真一,岡 めぐみ,高橋 功二,茂木 勇二,齋藤 勇一郎
題名:指示出し/指示受けの電子化に伴う指示内容の統一化のための機能追加と運用評価
発表年月日(西暦):2016年11月23日
発表学会名:第36回医療情報学連合大会
開催場所:パシフィコ横浜
概要:2015年9月に群馬大学医学部附属病院にて稼働した電子カルテシステムの処方・注射カレンダー機能を基礎として,処方指示・注射支持を一体化するための考察を行い,実用化に向け必要な機能の見直しを行った。
発表者名:辻村真一,鳥飼幸太,青木 高,関口ひとみ,高木 理,鈴木亮二,斎藤勇一郎
題名: 病院情報システム更新に伴うポータブル超音波診断装置の無線化
発表年月日(西暦):2016年11月23日
発表学会名:第36回医療情報学連合大会
開催場所:パシフィコ横浜
概要: 2015年9月末までに実施した病院情報システム更新を機に,本院・周産母子センターにおいて診療に用いられる情報システムの利便性を改善するために,ポータブル超音波診断装置の無線化に取り組んだ。本成果により,業務の効率化が図られ,医療の安全性・迅速性の向上に寄与することが期待される。
発表者名:鈴木亮二 鳥飼幸太 高木 理 辻村真一 齋藤勇一郎
題名: 群馬大学病院における病院情報システム更新時の取り組みと成果
発表年月日(西暦):2016年11月22日
発表学会名:第36回医療情報学連合大会
開催場所:パシフィコ横浜
概要: 群馬大学医学部附属病院は2015年9月,新病院情報システム(以下,新HIS)に更新し,電子カルテは NECのMegaOak Ver.8.0を導入した。本研究においては,新HISの仕様書作成から導入までに行った取り組みと成果について報告する。
発表者名:加藤 毅,Rachelle Rivero,高木 理,鳥飼幸太,齋藤勇一郎
題名: Developing of User Locating System in Hospital
発表年月日(西暦):2016年12月9日
発表学会名:The 3rd International Symposium of Gunma University Medical Innovation (GUMI)
開催場所:桐生シティホール
概要:院内ネットワーク機器上のログデータを分析しつつ,院内スタッフの院内における位置(エリア,部屋,建物等)あるいは最も近い場所にいる別のスタッフをリアルタイムに推測するアルゴリズムを開発した。
発表者名:鈴木亮二,鳥飼幸太,高木 理,辻村真一,齋藤勇一郎
題名: 群馬大学の病院情報システム更新における情報連携とデータ継続について
発表年月日(西暦):2017年1月26日
発表学会名:平成28年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
開催場所:琵琶湖ホテル
概要:2015年9月の群馬大学医学部附属病院における病院情報システムの更新に伴う,情報システム間の情報連携およびデータ継続に関する報告を行った。特に,ネットワークの高速化を行った上での院内スタッフへのスマートフォンの配布や,更新前の電子カルテからのデータの移行に関する問題点などについて説明を行った。
[その他・講演]
発表者名:高木 理
題名: 呼び出し対応負担の平準化に向けたナースコールデータとオーダリング
発表年月日(西暦):2016年11月22日
発表学会名: 第36回医療情報学連合大会,ランチョンセミナー
開催場所:パシフィコ横浜
概要:前半において,院内ネットワークにおけるスマートフォンでの通話実現方法ならびに,スマートフォンを用いた院内スタッフ間の通知・承認のためのフレームワークの開発に向けた取り組みを紹介する。後半においては,入院患者のナースコールの呼び出しに関する履歴データと,診療プロセス上の入院状況に関わるデータとを組み合わせてナースコールの頻度に関する傾向を分析し,看護師による呼び出し対応の負担あるいは負担感の軽減を目指した取り組みを紹介する。
発表者名:高木 理
題名: 大学病院における院内ネットワークの統合化に際しての課題とその取り組み
発表年月日(西暦):2016年11月24日
発表学会名: 第36回医療情報学連合大会,ランチョンセミナー
開催場所:パシフィコ横浜
概要:院内ネットワークシステムの多様化の問題を述べた後で,その問題への取り組みの例として,昨年9月に稼働を開始した,群馬大学医学部附属病院における病院情報ネットワークシステム(以下,新ネットワークシステム)を紹介する。新ネットワークシステムでは,医療系ネットワークと学術系ネットワークの無線LAN環境が統合され,その利用エリアが附属病院から医学部キャンパス全体へと拡大された。この新ネットワークシステムの構築に伴う新たな課題点と,その対応策としてのFTTDネットワークアーキテクチャーの導入,無線LAN環境におけるスマートフォンによる音声通話の品質向上,そして,新たなセキュリティ対策への取り組みについて述べる。
鳶島修治(計量社会学研究室)
[学術論文]
著者名:鳶島修治
題名:進学期待の階層差に関する媒介メカニズムの検討-中学生の学力自己評価に着目して-
発行年月日(西暦):2016年12月26日
掲載誌名:社会学年報
巻数:45
頁:75-85
概要:ベネッセコーポレーションが2006年に実施した「学習に関する意識・実態調査」と「学力実態調査」のマッチングデータを用いて,中学2年生の進学期待に対する出身階層の影響について検討した。分析の結果,進学期待に対する出身階層の効果は成績自己評価や「がんばればとれると思う成績」という主観的な要因によって部分的に媒介されていること,進学期待の決定要因として,これらの主観的な要因の重要性はペーパーテストで測定された学力と同等またはそれ以上であることが示された。
著者名:福田亘孝・鳶島修治
題名:東アジアにおける教育達成と価値意識-日本・韓国・台湾の国際比較分析-
発行年月日(西暦):2017年3月31日
掲載誌名:東北大学大学院教育学研究科教育ネットワークセンター年報
巻数:17
頁:1-11
概要:EASS(East Asian Social Survey)の2006年調査データをもとに,教育達成と価値意識の関連について日本・韓国・台湾の国際比較分析を行った。分析の結果,個人の教育水準が価値意識に与える影響は同じ東アジアの儒教文化圏に属する日本・韓国・台湾のあいだでも少なからず異なっていることが示された。
[学会発表]
発表者名:鳶島修治
題名:進学期待と教育達成の関連からみた教育機会の不平等-2015年SSM調査データの分析-
発表年月日(西暦):2017年7月17日
発表学会名:第64回東北社会学会大会
開催場所:東北学院大学
概要:2015年社会階層と社会移動調査(SSM調査)のデータをもとに,中学3年時の進学期待と実際の教育達成の関連に着目して教育格差の生成プロセスを検討した。分析の結果,中学3年時の大学進学期待に関して出身階層間の格差が見られるだけでなく,中学3年時に大学進学を期待していた者の中でも実際に大学へ進学したかどうかは出身階層に左右されていることが示された。
西村尚之(森林生態学研究室)
[学会発表]
発表者名:岡田実憲,西村尚之,中川弥智子,戸丸信弘
題名:亜高山帯針葉樹林における優占種三種の個体群動態
発表年月日(西暦):2017年3月15日
発表学会名:第64回日本生態学会大会
開催場所:早稲田大学(東京)
概要:地上部バイオマス量の変化は森林の炭素循環の理解には欠かせない。そこで,本研究は気温や降水量が亜高山帯常緑針葉樹林の地上部バイオマスに与える影響について検討した。中部地方に位置する御嶽山と北八ヶ岳にある合計3プロットのデータを用い,1991年以降の年平均気温と夏季降水量の経年変化や,主要構成樹種と樹木群集全体の地上部バイオマスの経年変化の傾向について回帰分析を行った。また,主要構成樹種における胸高直径の絶対成長速度と地上部バイオマスに対する年平均気温と夏季降水量の影響を一般化線形混合モデルにより検討した。1991年以降の気象条件の経年変化をみると,年平均気温のより長い期間の傾向は有意に上昇していたが,主要構成樹種と樹木群集全体の地上部バイオマスの経年変化の顕著な傾向は見られなかった。しかし,年平均気温がコメツガの中間サイズとトウヒの大きいサイズの個体の成長速度には負の影響を及ぼしていた一方,モミ属2種の小さい個体の成長速度に正の影響を与えていた。同様に,地上部バイオマスに関しても同様の傾向が見られ,今後も気温上昇の傾向が続くならば,中部地方の亜高山帯常緑針葉樹林の地上部バイオマス量は増加していく可能性が推測された。
平田知久(比較社会情報学研究室)
[学術論文]
著者名:平田知久
論文名:東アジア・東南アジアにおけるインターネットカフェの比較社会学
発行年月日(西暦):2017年3月23日
発行所名:京都大学大学院人間・環境学研究科(博士学位論文)
頁:1-270(+i~iii,I~XVIII)
概要:東アジア・東南アジア諸国の首都圏と大都市のインターネットカフェのマッピング調査,およびインタビュー調査からアジアを移動する人々のインターネット利用のあり方と各国の社会問題との関係を比較社会学的な観点から考察した論文。帰結ではこれらの問題の解決に向けて,歓待という概念の再考が必要となることを論じた。
[著書]
著者名:平田知久
論文名:インターネットカフェという場所――マニラ首都圏の事例からみるつながりの課題
書名:せめぎ合う親密と公共 中間圏というアリーナ(秋津元輝・渡邊拓也編,他8名との共著)
発行年月日(西暦):2017年1月13日
発行所名:京都大学学術出版局
頁:191-214
概要:「インターネットカフェという場所――マニラ首都圏の事例からみるつながりの課題」というタイトルで,親密圏と公共圏が交錯する中間圏の具体的かつ範例的な場として,マニラのインターネットカフェを取り上げ,そこが若者のゲームのための場所であるだけでなく,海外に出稼ぎに行った親密な人々との交流の場所,安定した職業を求めるための勉強や競争の場所といった機能を持っていることを,フィリピンの社会的背景を踏まえながら示した論文。帰結では,海外での出稼ぎ労働で得た貯蓄を元手にしてフィリピンでインターネットカフェを開業した人々を事例として,つながりの場を社会で維持するための条件を考察した。
[学会発表]
発表者名:平田知久
題名:聖アウグスティヌスについて
発表年月日(西暦):2016年11月20日
発表学会名:第7回横幹連合コンファレンス
開催場所:慶應義塾大学
概要:第5期科学技術科学技術基本計画に記されたSociety5.0(超スマート社会)の代表的な実現例の一つとして,マンガ・アニメの舞台や,それらに縁のある土地を訪問する「コンテンツ・ツーリズム」に着目し,その問題点を明らかにすることによってSociety5.0と観光を基軸とする地域コミュニティのあるべき姿を考察した報告。
藤井正希(憲法研究室)
[学術論文]
著者名:藤井正希
題名:国立マンション訴訟の憲法的考察 ― 景観権と住民自治の原則
発行年月日(西暦):2017年4月17日
掲載誌名:法学館憲法研究所報
巻数:16
頁:67-82
概要:本稿は,美しい景観を護ろうとする一般市民とマンション建設を強行しようとする事業者とが行政(国立市)を巻きこみ激しく対立した国立マンション訴訟を憲法的に考察することを目的とする。まず,景観権(良好な景観を享受する権利ないし利益)を新しい人権として認めることができないかが問題となる。大きく環境権の議論を総論とすれば,この景観権の問題はその各論と位置づけられる。また,この訴訟では,反対運動を市民とともに主導した元市長が,事業者に対する営業妨害等の責任を問われ,多額の損害賠償責任を負わされている。このように,私的利益とは関係なく,住民の支持の下で自らの政治理念にもとづき行われた行動で,重い責任を安易に負わされるならば,市長の活動をきわめて委縮させてしまう。この点,憲法92条の地方自治の本旨(具体的には,住民自治の原則)に反しないかが問題となる。
[その他(書評)]
発表者名:藤井正希
題名:批判的人種理論と表現の自由の原理論を柱に ― ヘイト・クライムを憲法学から論じる
発行年月日(西暦):2017年5月6日
掲載誌名:図書新聞
巻数:3302
頁:4
概要:桧垣伸次『ヘイト・スピーチ規制の憲法学的考察 ― 表現の自由のジレンマ』の書評。本書における議論の柱であり,最重要概念の一つである「批判的人種理論」から新たな法学の構築を目指し,ヘイト・スピーチ規制を正当化する筆者の論理を憲法的に検証する。また,批判的人種理論とともに,もう一つの議論の柱となっているアメリカ流の「表現の自由の原理論」とヘイト・スピーチ規制との関係についての筆者の主張を読み解いていく。
[社会的活動(委員会等)]
題名:税関研修所講師
開催年:2017年
主催者:財務省
題名:通関業法に基づく審査委員
開催年:2017年
主催者:東京税関
題名:情報公開・個人情報保護救済委員会委員
開催年:2017年
主催者:東京都北区
[社会的活動(公開講座等)]
題名:終戦記念日に憲法を学ぶ ~ 国民主権と選挙権の真の意味を考える!
開催年:2017年8月15日
主催者:前橋商工会議所
前田 泰(民法研究室)
[学術論文]
著者名:前田 泰
題名:診療契約と多角的法律関係
発行年月日(西暦):2016年10月
掲載誌名:別冊NBL
巻数:161号
頁:182-187
概要:第80回日本私法学会(於:東京大学)のシンポジウム「多角・三角取引と民法」のために作成された資料集に掲載された論文である。椿寿夫=中舎寛樹編『多角的法律関係の研究』(日本評論社,2012年)に納められた筆者の論文の内容を踏まえて,さらに診療契約における多角関係の内容と効果を明確にした。
[講演報告]
著者名:前田 泰
題名:意思能力について
発行年月日(西暦):2017年5月
掲載誌名:執務現場から(群馬司法書士会会報)
巻数:49号
頁:58-71
概要:群馬青年司法書士協議会フルメンバー研修会における講演内容の報告である。意思能力に関する研究状況と判例の状態を整理・分析して紹介し,私見の立場から,具体的事件に関する判決を評価した。
松井 猛(システム最適化論研究室)
[学会発表]
発表者名:松井 猛
題名:個人と集団における数理計画法による最適化とその応用
発表年月日(西暦):2017年7月22日
発表学会名:日本オペレーションズ・リサーチ学会研究部会「数理的発想とその実践」研究集会 第12回研究集会
開催場所:金沢学院大学大学院サテライト教室
概要:個人の意思決定問題に対する数理計画法の応用例について紹介する。
また,各意思決定者が相互に独立で,相競合する目的を持ち,2人の意思決定者の決定が逐次的に行われる状況下での意思決定問題のモデル化である2レベル計画問題について述べ,意思決定者が複数存在する状況における数理計画法の応用例についても紹介する。
発表者名:Takeshi Matsui and Koji Okuhara
題名:Pattern Recognition through Particle Swarm Optimization and Deep Neural Network for Mixed Reality
発表年月日(西暦):2017年8月30日
発表学会名:12th International Conference on Innovative Computing, Information and Control (ICICIC2017)
開催場所:久留米シティプラザ
概要:近年,スマートフォンをはじめとするモバイル端末の急激な普及,高機能化・多機能化により,画像認識による混合現実(MR)技術が実用化されつつある。また,画像認識などのパターン認識分野では,深層学習と呼ばれる多層のニューラルネットワークを用いた機械学習の手法の一つが,従来手法より極めて高い性能を見せ,大きな注目を集めている。そこで本研究では,深層学習に対して粒子群最適化手法を用いて,高速かつ高精度に画像認識をすることができる手法を提案する。
松宮広和(情報法研究室)
[学術論文]
(1)
著者名 : 松宮広和
題名 : 近時の米国におけるコモン・キャリア規制をめぐる議論について
単著
書籍名 : 『経済法の現代的課題 舟田正之先生古稀祝賀』
出版社名 : 有斐閣
編著者名 : 金井貴嗣・土田和博・東條吉純
発行年月日 : 2017年5月25日
頁 : 607-627頁
要旨 : 本稿は,我が国の経済法の権威である舟田正之教授の古稀を祝して,経済法等を専門とする35名の研究者が執筆した論文を収録して発行された書籍に所収された。本稿は,過去約15年間,米国の情報通信の領域で最大の議論の1つとなってきた「ネットワークの中立性」又は「インターネットの開放性」をめぐる議論と関連するものを中心に,より広く,近時の米国におけるコモン・キャリア規制をめぐる議論について考察を行ったものである。
2010年12月23日,FCCは,「インターネットの開放性」に関連する初めての規則制定である,「インターネットの自由及び開放性の維持を目的とする2010年のFCCの判断」(一般に「2010年のオープン・インターネット命令」)(='FCC Open Internet Order 2010')を公表した。
しかし,2014年1月14日,コロンビア特別区連邦控訴裁判所は,FCCが,ブロードバンド・プロバイダーを,それらがコモン・キャリアの取扱いを免除される様なやり方で分類したが故に,連邦通信法は,それらをその様に規制することを明示的に禁止したこと,を指摘して,FCCが,当該命令の「非差別」及び「ブロッキング/遮断の禁止」の規則が,本来的にコモン・キャリアの義務を課さないことを示さなかったことを理由として,それらを,取り消した(一方,「開示」の規則は維持された)。
当該判決を受けて,2015年3月12日,FCCは,インターネットの自由及び開放性の維持を目的として,新たな規則制定である所謂「2015年のオープン・インターネット命令」(='FCC Open Internet Order 2015')を,公表した。当該命令は,FCCによって,「ブロードバンド・インターネット・アクセス・サービス」(='Broadband Internet Access Service'/以下「BIAS」)を,連邦通信法第II編に服する電気通信サービスである,と判断する規制の再分類が,行われる形で,「インターネットの開放性」の保護及び促進を実現することを,その目的とするものである。
本稿では,当該命令に関連して,(1) 「21世紀型の」コモン・キャリア規制のあり方をめぐる議論について(すなわち,(a) FCCが,BIASが,連邦通信法第II編に服すると判断する一方で,ある「軽いタッチの」(='light-touch')規制上の枠組みを確立する目的で,30の制定法の条項及び700以上の法典化された規則を差し控える,その(規制の)差し控えの権能を,同時に行使すること,(b) より具体的には,「ラスト-マイル/最後の1マイル」(='last-mile')の施設のアンバンドリング,料金表の作成,料金(率)規制,及び費用会計規則等を含む,広範な「公益事業型の」(='utility-style')条項を含む,連邦通信法第II編の下で採択される規則の大多数を差し控えること,(c) しかし,その一方で,FCCは,当該命令を執行する目的で,必要である,連邦通信法第II編の核心部分の条項を差し控えないこと),(2) 「IPへの移行」が,進展しつつある状況におけるユニバーサル・サービスのあり方をめぐる議論について(すなわち,(a) 全てのアメリカ人が,通信サービスに対するアクセスを有するべきである,という当該原則であるユニバーサル・サービスという考えが,1996年電気通信法§ 254で,初めて明文で規定され,その目的が,伝統的な電気通信サービスのみならず,ブロードバンド・サービスの様な「高度なサービス」(='advanced service')の,「入手可能性」(='availability')及び「支払可能性」(='affordability')を実現するものへと拡張されたこと,(b) 2010年3月16日に公表された「全米ブロードバンド計画」(='the National Broadband Plan 2010')を受けて,一般に「USF/ICC変革命令」(='FCC USF/ICC Transformation Order 2011')と呼ばれる当該判断が,公表され,当該命令で,従前の音声サービスに加えて,ブロードバンド・サービスを提供し得るインフラストラクチャーの提供を目的として,伝統的なユニバーサル・サービスのための貢献を,ブロードバンドの当該提供に即時に向け直す,専ら公的支援に依存するアプローチと,より長期的な観点から競争入札にもとづく市場原理等も活用するアプローチとを組み合わせるやり方が,採用されたこと,そして,特に,ユニバーサル・サービスを,ある効果的で,技術的に中立的な制度に移行する一方で,ブロードバンド・サービス及び高度な移動体サービスの即時の入手可能性を実現することを目的として,「コネクト・アメリカ・ファンド」(='Connect America Fund'/以下「CAF」)が設立されたこと,(c) 更に,高度な移動体(の)音声及びブロードバンド・サービスの普遍的な/ユニバーサルな入手可能性を支援する目的で,CAFの一部として,「モビリティ・ファンド」(='Mobility Fund')が,設立されたこと,並びに,(d) 特に§ 254 (d)及び関連する規則を,それらが,BIASに関連する強制的なユニバーサル・サービスの貢献を,即時に要求する限りにおいて,差し控える,と判断されたこと),並びに,(3) 将来における課題(すなわち,情報通信産業で,コンテンツ,アプリケーション,サービス及び機器等の多岐に渡る第三者が提供する補完的な商品及び/又は役務を巻き込んで成長していく「エコシステム/生態系」(='ecosystem')が形成され,それらの提供の「鍵となる」「プラットフォーム」(='platform')によって,競争が引き起こされるという今日の状況,及び「物のインターネット」(='Internet of Things'/以下「IoT」)の発展が,機械と機械が,コモン・キャリアが保有する移動体無線通信ネットワークを経由してのみならず,それらを経由することなく,直接に,又は(必要な場合には)非常に局地的な範囲で第三者の,機器,施設,若しくは設備を経由して,相互に自律的に通信を行う状況を,増大させる今日の状況において,ブロードバンド・サービスの「伝送」(='transmission')の構成要素に対する規制に限定されない,レイヤー型規制の導入(及び/又はアプリケーション層(及び/又はより上位)における規制を可能とする権能の確保)による,より広い情報サービス規制の必要性が存在すること),を中心に検討等を行った。
[翻訳・編集等]
(1)
研究代表者名 : 松宮広和
報告書 : 科研研究題目 「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成28年度)(JSPS科研費 JP24530056)実績報告書(研究実績報告書)
単独
報告年月日 : 2017年5月
研究支援者 : 独立行政法人日本学術振興会
研究期間 : 平成24(2012)年4月-
概要 : 上記の科研研究に,研究代表者として従事してきた。本研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。平成28(2016)年度は,当該研究題目に関連する研究に従事し,その研究成果の一部を公表した。本報告書は,最終年度となった当該年度における,これらの研究の実施状況について記載したものである。
(2)
研究代表者名 : 松宮広和
報告書 : 科研研究題目 「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)(平成28年度)(JSPS科研費 15KK0109)実施状況報告書(研究実施状況報告書)
単独(研究は,共同研究)
報告年月日 : 2017年5月
研究支援者 : 独立行政法人日本学術振興会
研究期間 : 平成28(2016)年4月-
概要 : 上記の科研研究に,研究代表者として従事している。本研究は,基研究である「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成24年度-28年度)(JSPS科研費 JP24530056)を格段に発展させ,優れた研究成果をあげることを目的とする。当該基研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。
本研究は,当該基研究との関連で,特に,(1) 電磁波のスペクトル利用の更なる拡大のあり方,(2) 上位レイヤーにおける規制のあり方,並びに,(3) ICT領域の規制当局であるFCC及びその規制のあり方を中心に,在外研究によって,外国の研究機関に在籍する研究者と共同して研究を行うものである。
平成28(2016)年度は,当該研究題目に関連する研究に従事し,平成29(2017)年度に開始する渡航に向けての準備を行ってきた。本報告書は,これらの研究の実施状況について記載したものである。
(3)
研究代表者名 : 松宮広和
報告書 : 科研研究題目 「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成24年度-平成28年度)(JSPS科研費 JP24530056)研究成果報告書
単独
報告年月日 : 2017年6月
研究支援者 : 独立行政法人日本学術振興会
研究期間 : 平成24(2012)年4月-
概要 : 上記の科研研究に,研究代表者として従事してきた。本研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。本報告書は,平成24年度-平成28年度の研究期間全体を通じて行われた,これらの研究の実施状況について記載したものである。
[研究会発表]
(1)
報告者 : 松宮広和
題名 : 「近時の米国における事業法及び競争法の適用について」
単独
研究会名 : 情報通信政策研究会議(Information and Communications Policy Conference/ICPC)の2016年10月会合において,報告担当者として報告。
報告年月日 : 2016年10月30日
開催場所 : 湘南国際村センター
概要 : 本報告は,メンバー・プログラム委員の1人として参加した,情報通信政策研究会議(Information and Communications Policy Conference/ICPC)の会合である「ICPC2016年秋」(2016年10月29日(土)-30日(日))において,報告担当者として報告を担当したものである。今回の会合は,「ポストオリンピックの情報通信政策」と題して,2020年以後の情報通信政策のあり方を議論することを主たる目的として開催された。2000年代前半,我が国で「規制緩和」が強く叫ばれた時期には,最早公益事業を含む殆どの事業領域において,専ら競争法による事後規制のみによって,適切な規制がなされ得るかの様な考えが,強く主張された。しかし,近時の米国では,2009年に成立した民主党のObama政権下で,例えば,ICTの領域を含むより広い事業領域で,それに先行する2001年に成立した共和党政権下で推進された自由放任政策に対する再考,及び事業法規制による政府主導型のより積極的な政策の実現が,追求されてきた。当該報告は,より広く,ICT利活用を支える公益事業規制のあり方との関連で,事業法及び競争法の適用のあり方について,関連する事項を含めて,その意義及びその問題点について議論を行うものである。当該報告の後,研究者,政策担当者及び情報通信関連事業者と,当該問題に対する質疑応答等を行った。当該会合の詳細については,ICPCのWWWサイト
(2)
報告者 : 松宮広和
題名 : 「近時の米国におけるコモン・キャリア規制をめぐる議論について」
単独
研究会名 : 東京経済法研究会(2017年3月例会)において,報告担当者として報告。
報告年月日 : 2017年3月18日
開催場所 : 立教大学池袋キャンパス
概要 : 本報告は,経済法判例研究会(2017年3月例会)において行った。本報告は,過去約15年間,米国の情報通信の領域で最大の議論の1つとなってきた「ネットワークの中立性」又は「インターネットの開放性」をめぐる議論と関連するものを中心に,より広く,近時の米国におけるコモン・キャリア規制をめぐる議論について考察を行ったものである。当該報告の内容の詳細については,[学術論文]の項目に記載した,拙稿「近時の米国におけるコモン・キャリア規制をめぐる議論について」金井貴嗣・土田和博・東條吉純(編)『経済法の現代的課題 舟田正之先生古稀祝賀』607頁以下 (有斐閣 2017年)に関する記述を参照のこと。
[研究活動 その他]
(1)
研究代表者名 : 松宮広和
科研研究題目 : 「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成24年度-28年度)(JSPS科研費 JP24530056)
単独
研究支援者 : 独立行政法人日本学術振興会
研究期間 : 平成24(2012)年4月-
概要 : 上記の科研研究に,研究代表者として従事してきた。本研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。平成28(2016)年度は,当該科研研究の1年間の延長が認められ,当該研究題目に関連する研究に従事してきた。
(2)
研究代表者名 : 松宮広和
科研研究題目 : 「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)(平成28年度-30年度)(JSPS科研費 15KK0109)
共同
研究支援者 : 独立行政法人日本学術振興会
研究期間 : 平成28(2016)年4月-
概要 : 上記の科研研究に,研究代表者として従事している。本研究は,基研究である「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成24年度-28年度)(JSPS科研費 JP24530056)を格段に発展させ,優れた研究成果をあげることを目的とする。当該基研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。
本研究は,当該基研究との関連で,特に,(1) 電磁波のスペクトル利用の更なる拡大のあり方,(2) 上位レイヤーにおける規制のあり方,並びに,(3) ICT領域の規制当局であるFCC及びその規制のあり方,を中心に,在外研究によって,外国の研究機関に在籍する研究者と共同して研究を行うものである。
平成28(2016)年度は,当該研究題目に関連する研究に従事し,また,平成29(2017)年度に開始する渡航に向けての準備を行ってきた。
森谷 健(地域社会学研究室)
[学術論文]
著者名:森谷 健
題名:月刊誌「はこべ」創刊の経緯と基盤的条件―市民編集の地域メディアと地域社会的文脈―
発行年月日(西暦):2017年3月1日
掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集
巻数:24
頁:55-79
概要:長野県松川町で発行されている市民編集の雑誌を取り上げ,その創刊背景と経緯を,公民館報との関連や社会教育実践に注目して明らかにした。地域メディア研究にそのメディアが置かれている地域社会の歴史や状況の変化,行われてきた住民の諸活動からアプローチすることができることを示した。
山内春光(社会倫理研究室)
[著書]
著者名:直江清隆(編者),山内春光,藤生英行 外20名
書名:(高校倫理の古典で学ぶ)哲学トレーニング2−社会を考える
発行年月日(西暦):2016年10月21日
発行所名:岩波書店
頁:208
概要:古今東西の古典約20冊について,各執筆者が原著の課題提示とその考察への導入・現代語訳による一部原文の紹介・原著者の紹介と哲学的視点からの課題考察などの解説を行なった書物である。山内の担当分は「なぜ豪雪とともに生きるのだろう」との課題の下,鈴木牧之『北越雪譜』について,課題への導入の対話・「雪吹(ふぶき)」の節の現代語訳・鈴木牧之の紹介・原著全体の展開と課題考察のあるべき方向付け,などを行なっている。(担当頁:2〜11)