2019年度

研究活動の要旨(2019年度)

石川真一(環境科学第二研究室)

[報告書等]

1.

編者名:青木雅夫,石川真一,大平満,大森威宏,片野光一,小暮市郎,増田和明,吉井広始

題名:相馬山・黒岩県自然環境保全地域

発行年月日(西暦):2018年11月

掲載誌名:群馬県自然環境課「良好な自然環境を有する地域学術調査報告書」

巻数:44

頁:27-52

概要:2017年度に行われた群馬県自然環境調査研究会による学術調査の報告書。榛名山の相馬山・黒岩の県自然環境保全地域おいて植物相調査を行い,現況を明らかにした。今後,群馬県の自然環境保護政策の策定・実施の基礎資料となる。現地調査・解析・報告書編集を担当した。


[学会発表]

1.

発表者名:Shin-Ichi Ishikawa, Takehiro Ohmori, Kazuaki Masuda

題名:Comparison of heterostyly composition and seed production among metapopulations of Primula sieboldii growing in Gunma Pref.

発表年月日(西暦):2019年3月18日

発表学会名:第66回日本生態学会大会

開催場所:神戸国際会議場(兵庫県神戸市)

概要:From 2006, so many metapopulations of Primula sieboldii had been found around halfway up Mt. Haruna, Gunma Pref. The largest metapopulation was found in the artificial coniferous (mainly cedar) forests at the north face of the mountain. This area, however, might be large grassland till the end of the World War II, and after that, cedar plantation was set over. There also be many metapopulations found at the western face of the mountain. This area might be also large grassland till the end of the World War II, and after that, it has been used as SATOYAMA. Over 8 large metapopulations have been monitored for about 8 years. Style analysis revealed that most of the metapopulations have about 1:1 pin/thrum ratio with 0% to about 10% of homo style. Seed production ratio (genet based) has been about 40% to 60% independent of per cent homo style, the sites of metapopulations, and monitoring years. Pollen limitation, insect predation and fungal attack must be major factors for seed loss, and their impacts have been fluctuating over sites and years.


[その他]

講演

1.

開催者名:殖蓮地区自然環境を守る会

題名:自然観察会「男井戸川調整池ビオトープと周辺の春の植物たち」

開催年月日:2019年4月29日

開催場所:殖蓮公民館および男井戸川調整池ビオトープ(群馬県伊勢崎市)

概要:男井戸川調整池ビオトープでは地域の自然景観を再生しつつあるので,4月・5月にそこで開花する在来植物について説明し,その後観察会を行った。参加者約50名。


2.

開催者名:伊勢崎市三和町キタミソウ保存会

題名:「キタミソウの生態と保全方法」

開催年月日:2019年6月14日

開催場所:三和町堤地区公民館(群馬県伊勢崎市)

概要:2017年より三和町の鯉沼で自生が確認されている絶滅危惧植物種キタミソウを住民が保全するため,キタミソウの生態に関する研究成果と保全方法の解説を行った。参加者約30名。


3.

開催者名:群馬大学広域首都圏防災研究センター,群馬大学社会情報学教育・研究センター(共催)

題名:群馬大学グローバルSDGs指向研究シンポジウム「SDGsにおける地域の生物多様性保全の位置づけ」

開催年月日:2019年7月5日

開催場所:群馬大学桐生キャンパス(群馬県桐生市)

概要:SDGsのうち『自然環境と共存した社会の実現』に関する目標に関連する専門分野の研究者か?一堂に会して,互いの研究成果を交換し合うことを通し?,その地球的価値観を共有するとともに,研究ク?ルーフ?間の有機的な連携の可能性を含めた自由な意見交換を行うことを目的として開催した。参加者約100名。


社会的活動

1.

開催者名:石川真一

題名:ビオトープ育成のための環境科学的調査研究と講習

開催年月日:2019年4月〜10月各月各1回開催

開催場所:群馬県明和町,群馬県館林市,群馬県藤岡市

概要:(株)アドバンテスト群馬R&Dセンター(群馬県明和町),東洋水産⑭関東工場(群馬県館林市)および(株)チノー藤岡事業所内に竣工したビオトープを育成する環境科学的調査研究を行い,これに基づいて講習を行った。(株)アドバンテストとの共同研究「ビオトープの育成管理手法の開発のためのモニタリング調査研究」および(株)チノービオトープ基金により助成を受けた。


2.

開催者名:石川真一(群馬県自然環境調査研究会)

題名:群馬県生物多様性モニタリング調査

開催年月日:2019年4月〜9月(月2回程度)

開催場所:群馬県東吾妻町ほか

概要:群馬県の委託事業である。群馬県野生生物保護条例の制定に伴う生物多様性モニタリング調査として,ホットスポット内での絶滅危惧植物の分布・個体数・生育立地調査,種子採集を担当した。

伊藤賢一(理論社会学研究室)

[学術論文]

著者名:伊藤賢一

題名:小中学生におけるインターネット依存をもたらす諸要因−群馬県前橋市における追跡調査に基づいて−

発行年月日:2019年3月1日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:26

頁:1〜14頁

概要:2015〜2017年に群馬県前橋市で小中学生を対象に行った調査にもとづいて,小中学生のネット依存傾向について分析したもの。特に,中学生431名について3年間行った追跡調査に基づいて,ネット依存度がどのように推移しているのかを追跡した。その結果,高リスク群と判定された生徒のうち半数程度が1年後も同じく高リスク群に留まり,しかも高校入試を目前にひかえた中学3年生の夏休み明けの時点でもそうであることが示された。(査読あり)


[学会発表]

発表者名:伊藤賢一

題名:小中学生におけるインターネット依存とペアレンタルコントロール

— 群馬県前橋市調査より —

発表年月日:2018年9月9日

発表学会名:2018年社会情報学会(SSI)学会大会

開催場所:島根大学

概要:群馬県前橋市で小中学生を対象に2015年〜2017年に実施した調査に基づいた報告。韓国で開発されたKスケールを用いたネット依存のスクリーニングテストの結果小学生で4.5〜7.9%,中学生で6.2〜7.6%がネット依存と疑われること,一旦ネット依存状態に陥るとなかなか抜け出せないこと,家庭でのルールの有無や内容は次の年のネット依存度には直接的には影響しないことなどを報告した。


[その他(講習会での講師)]

講師名:伊藤賢一

講習題目:第6分野 ネット依存問題〜社会学の視点より〜

講習会名:養成協議会第1回公式インストラクター認定講習会

主催者:ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会

開催年月日:2019年1月13日

開催場所:さいたま共催会館(埼玉県さいたま市浦和区)

概要:ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会主催の公式インストラクター認定講習会の講師を務めた。ネット依存について,その定義と診断基準,オンラインゲームとSNSの仕組み,予防法と対策などについて講演した。


[その他(教員免許状更新講習での講師)]

講師名:伊藤賢一,大谷良光,成田弘子

講習題目:ネット長時間接触による心と脳・体の発達阻害と学校での指導(選択領域)

開催年月日:2019年8月24

開催場所:群馬大学教育学部

概要:大谷良光氏(青森大学特任教授・弘前大学教育学部元教授),成田弘子氏(白梅学園大学前特任教授)と共同で,現職教員を対象とした教員免許状更新講習を実施した。児童生徒のスマートフォンやタブレット端末への長時間接触が問題視される中,発達阻害・健康被害の事実・現象とネット利用との相関関連,エビデンスを分析し,参加者と共に学校での指導のあり方を考える講習。94名が受講した。


[その他(教員免許状更新講習での講師)]

講師名:伊藤賢一,大谷良光,成田弘子

講習題目:ネットいじめの学校での指導とネット・ゲーム依存(選択領域)

開催年月日:2019年8月25日

開催場所:群馬大学教育学部

概要:上記と同様に,大谷良光氏,成田弘子氏と共同で教員免許状更新講習を実施した。いじめ・ネットいじめやネット依存・ゲーム依存問題の発生状況や構造について調査データを交えながら解説し,映像を含む各種教材や授業案を示して参加者と共に学校での指導のあり方を考える講習。81名が受講した。


[その他(会議参加)]

参加者名:伊藤賢一

会議名:平成30年度前橋市ケータイ・インターネット問題及び高度情報化社会への対応についての対策会議

主催:前橋市教育委員会

日時:2018年11月28日(第1回),2019年2月28日(第2回)

場所:前橋市総合福祉会館(第1回),前橋市総合教育プラザ(第2回)

概要:前橋市教育委員会の依頼により有識者として標記の会議に参加した。ケータイ・インターネット問題に関する保護者や生徒たちの意識を高めるための対策について協議するもの。教育委員会主催の事業や次年度の方針について意見交換を行った。


[その他(審査員)]

審査員名:伊藤賢一

題名:第10回小中学生新聞感想文コンクール

主催:上毛新聞社

日時:2018年11月1日

場所:上毛新聞社本社(前橋市古市町)

概要:県内の小中学生を対象とした新聞感想文コンクールの審査員を務めた。

岩井 淳(意思決定支援研究室)

[学術論文]

著者名:Atsushi Iwai

題名:Evaluation of a Privacy-Enhanced Survey System

発行年月日(西暦):2019年3月28日

掲載誌名:Proceedings of ICTCBW2019 (International Conference on Technological Challenges for Better World 2019), Cebu, the Philippines.

頁:(オンライン,計6頁)

概要:本研究では,プライバシー保全に焦点を当てた社会調査システムの評価実験を行った。入力値分析を用いて,元の質問票構造を動的に防ぐ仕組みを基本とする。従来のシステムと比べ,質問票内の属性関連設問の削除順序の自動決定が可能になる等の点で異なりがある。授業評価の文脈で評価実験を行い,システム評価に対する回答のみでなく,授業評価に関する回答も他の調査手法と比較する観点から検討した。総じて,システム構造の理解を得るという点では課題が確認されたが,システムとしては良好な評価が得られた。(査読有,Best Paper Award)


[学会発表]

発表者名:Atsushi IWAI

題名:Connected Migrants in Europe and the Image of Rising Nationalism in Japan

開催年月日:2018年9月8日

発表学会名:SSI Annual Conference in 2018

開催場所:島根大学

概要:日本におけるWeb上のナショナリズムの展開をヨーロッパにおける難民の受け入れの問題と比較する観点から検討する報告を行なった。移民の点では,いわゆるConnected Migrants (Smartphone等を介してコミュニケーションを取るような連結性のある現代の移民)に焦点を当てた。


発表者名:Atsushi IWAI

題名:Capability Approach and Demands for Individual Privacy

開催年月日:2018年9月16日

発表学会名:The Annual Meeting of the Japan Sociological Society 2018

開催場所:甲南大学

概要:情報化が進む中でのアマルティア・センの潜在能力論の展開について講演を行なった。プライバシーデータの漏えい防止に関連して,克服すべき技術的課題があることを説明した。


[その他](講演)

講演者名:Atsushi IWAI

題名:How to Cope with Cohesiveness in Decision Making: A Technology-Related Indirect Approach

講演日:2018年9月19日

行事名:The Open Symposium of "Media, Migration and the Rise of Nationalism"

開催場所:3331 Arts Chiyoda in Tokyo

概要:日本とオランダの二国間交流事業で開催された公開シンポジウム「メディア・移民・ナショナリズムの興隆」において,集団凝集性への対応に焦点を当てた一時間弱ほどのIntroductory Speechを行なった。


講演者名:岩井 淳

題名:情報社会における図書館の意義と可能性

講演日:2018年10月31日

行事名:第20回図書館総合展

開催場所:TRC図書館流通センターアネックスホール202

概要:第20回図書館総合展のフォーラム“「図書館」は地域のプラットホームとなり得るか - 図書館の次なる姿を求めて”において,情報化の進展する中での図書館のあり方について,社会情報学と社会的選択論の展開経緯を踏まえた講演を行なった。


講演者名:Atsushi IWAI

題名:A GDSS Design that Supports Anonymous Communication for the Convergent Process

講演日:2018年11月5日

行事名:International Conference on Mechanical, Electrical and Medical Intelligent System 2018 (ICMEMIS2018)

開催場所:群馬大学桐生キャンパス

概要:匿名性保証と議論の収斂性を両立させる集団意思決定支援システム(GDSS)の設計について紹介し,その将来的展望を説明するKeynote Speechを行なった。


講演者名:Atsushi IWAI

題名:The Capability Approach and Growing Concern of Data Breaches

講演日:2019年3月28日

行事名:International Conference on Technological Challenges for Better World 2019 (ICTCBW2019)

開催場所:BIG Hotel, Cebu, the Philippines

概要:情報化の進む中でのアマルティア・センの潜在能力論の展開ついてKeynote Lectureを行なった。2018年9月の日本社会学会での報告内容に基づく講演である。プライバシーデータの漏えい防止のために克服するべき課題があることを説明した。

大野富彦(経営学研究室)

[学術論文]

著者名:大野富彦

題名:観光地経営におけるDMOと地域ステークホルダーの関係構築プロセス−「場」の理論を基にした雪国観光圏の考察−(査読有,原著論文)

発行年月日(西暦):2019年3月1日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:26

頁:15-34

概要:本稿は,DMOと地域ステークホルダーとの関係について,「場」の理論を手掛かりにして雪国観光圏を分析した。分析の結果,日本版DMOに向けては,以下の2点が参考になると思われる。まず,場のアジェンダに通ずるビジョンなど,地域の軸となるものを設定し,それに基づく活動を継続して行う努力が求められることである。地域ステークホルダーはDMOの活動を参照して行動し,時間の経過とともに,両者の関係は構築される。また, DMOは地域ステークホルダーを尊重しつつ,ベクトルが合うように支援していくことである。あわせて本稿では,分析視点(まとまりのサイクル)に発見事項を加えた観光地経営の新たな分析視点「DMOと地域ステークホルダーの関係構築プロセス」を提示した。


[学会発表]

発表者名:大野富彦

題名:DMOの価値創造と地域住民−群馬県の日本版DMOを中心にした考察−

発表年月日(西暦):2018年12月16日

発表学会名:日本観光研究学会 第33回全国大会

開催場所:跡見学園女子大学文京キャンパス

概要:日本版DMOには,地域住民を含む多様なステークホルダーとコンセプトなどを共有することが求められる。しかし,単独市町村の区域を対象とする地域DMOであっても,1)実質的には地域連携型になっていること,2)地域住民の観光への関わり度合いが異なること,3)DMOの活動に傍観あるいは無関心の者が存在する可能性があることなどの困難が伴う。本研究は,群馬県内の地域DMOを中心に考察し,地域DMOが地域住民と接点を持ち信頼を獲得し価値創造につなげるための方策として,地味であるが実践へのハードルが高くない,広報誌や冊子の配布などの継続的な,それもすぐには捨てられないような工夫を伴った取組を強調したい。


[その他:研究会発表など]

発表者名:大野富彦

題名:観光地経営の価値創造デザイン−DMOとステークホルダーの新しい関係性のかたち−

発表年月日(西暦):2019年3月9日

発表会名:群馬大学・市民との対話イベント「研究者に質問を投げかける日」

開催場所:群馬大学

概要:本報告は,渋川市の廃校施設活用に関わる組織の相談を受けて,ゼミ学生とともに実施した事業の成果である。本事業は,群馬大学地域貢献事業として行なったもので,デザインアプローチを用いて廃校施設活用のビジョン(「趣味と歩む人生100年」)を策定し,それに基づいた具体的なコンテンツを作成した。具体的には,設定したビジョンに基づき,廃校施設のペルソナ(ターゲット顧客)を検討した。そして,ペルソナが廃校施設でどのような経験ができるかのストーリーを検討し,最終的には,地域観光の推進,地域の活性化,雇用の創出に資する提案として冊子化し,公表した。


発表者名:大野富彦

題名:DMOについて 藤岡月イチ会 話題提供資料

発表年月日(西暦):2019年5月16日

発表会名:藤岡月イチ会

開催場所:会遊亭

概要:藤岡月イチ会が毎月行なっている研究会でDMOについて話題提供し,簡単なワークショップを行なった。DMO政策を説明し,その上で,DMOを地域の「編集者(相互作用・相互編集)」として位置づけることを説明した。以上の説明をもとに参加者約20名と「DMOへの期待」「DMO(や他の地域組織)との関わり」「地域活性化のために必要なこと」等をテーマに議論した。


発表者名:大野富彦

題名:公共青少年施設と野外教育団体の指導者育成システムを探る

発表年月日(西暦):2019年6月15日

発表会名:第7回 WEAJ カンファレンス シンポジウム

開催場所:国立赤城青少年交流の家

概要:テーマ「公共青少年施設と野外教育団体の指導者育成システムを探る」に関して,海外の事例や日本の現状を踏まえ大学等の高等教育機関の役割を報告した。シンポジウムでは,人材育成について,立場を超えてどのような連携ができるかを議論した。

柿本敏克(社会心理学研究室)

[学会発表]

発表者名:Kakimoto, T., Ando, K. & Hosono, F.

題名:cSIMINSOC as a tool for the study of group phenomena

単・共の別:共

発表年月日:2019年8月29日

発表学会名:50th Anniversary ISAGA Conference

開催場所:Ko?mi?ski University(Warsaw, Poland)

概要:SIMINSOC is a simulated society game, known for provoking group-level reality. This is true even for its computer-based version (cSIMINSOC), where each player individually participates in the game through a networked computer. The players communicate and bargain with other players without actually meeting each other. Just as in the original game, cSIMINSOC is based on a number of rules about gaining food, employment, political parties, travels, etc. The players have to survive for 7 game years while pursuing their own goals such as wealth, power, and popularity. Compared to the original, the computer-based version is characterized by its thorough record of communication and transactions among the players. Several studies were presented to demonstrate how this game contributed to the study of group and intergroup phenomena.


[その他](社会的活動-マスメディアへの協力)

協力者名:柿本敏克

題名:座間事件の陰(1) SNS被害 悪意とつながる危険

発行年月日:2017年11月14日

発行所名:上毛新聞

概要:上毛新聞の特集「座間事件の陰」についての取材に協力した。SNSを介するつながりの特徴について解説した(実際の記事構成は担当記者が行った)。


協力者名:柿本敏克

題名:人ごとじゃない特殊詐欺

発行年月日:2018年1月14日

発行所名:上毛新聞

概要:上毛新聞の「ニュース最前線」欄で,特殊詐欺についての特集のための取材に協力した。特殊詐欺の手口に様々な心理学的テクニックが組み合わされていることを解説した。2018年1月14日付上毛新聞に記事化された(実際の記事構成は担当記者が行った)。


協力者名:柿本敏克

題名:第23回上毛新聞広告賞への協力

発行年月日:2017年10月24日

発行所名:上毛新聞

概要:第23回上毛新聞広告賞に審査委員長として協力した。

2017年9月から10月にかけて3回(事前審査,審査会議,表彰式)活動し,表彰式では講評を述べた。同年10月24日の記事に活動が紹介された。


協力者名:柿本敏克

題名:第24回上毛新聞広告賞への協力

発行年月日:2018年10月26日

発行所名:上毛新聞

概要:第24回上毛新聞広告賞に審査委員長として協力した。

2018年9月から10月にかけて3回(事前審査,審査会議,表彰式)活動し,表彰式では講評を述べた。同年10月26日の記事に活動が紹介された。


協力者名:柿本敏克

題名:心理的な立場からみた特殊詐欺の被害防止策の解説

発行年月日:2018年10月17日

発行所名:エフエム群馬の番組「ユウガチャ」内での放送

概要:特殊詐欺防止のキャンペーンの一環として企画されたコーナーで,特殊詐欺防止に関し,「なぜ,人は騙されてしまうのか?」「騙されやすい人,騙されにくい人はいるのか?」「詐欺被害を減らすための方策」などについて,社会心理学の観点から解説した(実際の放送内容の構成はインタビューに基づき担当記者が行った)。

河島基弘(比較文化社会学研究室)

[学術論文]

著者名:河島基弘

題名:デンマーク領フェロー諸島の捕鯨文化—和歌山県太地町との比較から—

発行年月日(西暦):2019年6月24日

掲載誌名:国立民族学博物館調査報告

巻数:149

頁:153-172

概要:デンマーク領フェロー諸島のゴンドウクジラ猟を和歌山県太地町の追い込み猟と比較して論じた。


[学会発表]

発表者名:Motohiro Kawashima

題名:‘NGOs' Anti-Whaling Movement’

発表年月日(西暦):2018年12月1日

発表学会名:International Symposium “Whaling Activities and Issues in the Contemporary World”

開催場所:National Museum of Ethnology, Osaka, Japan

概要:「資源動員論」と「新社会運動論」の2つを鍵概念として援用し,環境・動物保護団体と反捕鯨運動の関わりについて発表した。


[その他]

zafu主催の『「おクジラさま ふたつの正義の物語」上映会—クジラが 世界を動かしている』で2019年2月28日に対談と質疑応答(東京都三田区 三谷山明福寺)。

川畑泰子(計算社会科学研究室)

[学術論文]

著者名:Yasuko Kawahata

題名:Examination of analysis method of opinion distribution in News media transferred on Web

発行年月日(西暦):2019年12月(公開予定)

掲載誌名:Springer Book Series: “Proceedings in Adaptation, Learning and Optimization”

概要:公共ネットワークと社会環境システムの世界的な広がりは,肯定的な側面だけではない。情報交換,意思決定,合意形成がさまざまな境界を越えて行われる社会に変貌しつつある。特に,無意識の合意形成における反響の拡大により世論が変化する傾向があり,オンラインスピーチがメンタルヘルスに大きな影響を与える傾向があることがわかる。この研究では,感情(ネガティブ/ポジティブ/ニュートラル)は,YouTubeのさまざまなニュースメディアから転送されたビデオからコメントを得て,日常生活に関連するメディアや情報を送信し,さまざまな参考文献で意見の分布を検討した。


著者名:Yasuko Kawahata

題名:Quantitative consideration of spatio-temporal information on education and culture in Japan using telephone directory archive data

発行年月日(西暦):2019年12月(公開予定)

掲載誌名:Springer Book Series: “Proceedings in Adaptation, Learning and Optimization”

概要:この調査では,電話帳データを使用して,全国の自治体の産業動向の最新動向を取得した。分析は,日本語版の電話帳データと業界情報を使用して実施されました(2012年6月から2018年10月までの22ポイント)。このデジタルアーカイブには,すべての店舗/施設(海,病院,学校,公園,福祉施設,医療施設など)の地理空間情報(住所と産業)が含まれている。時系列の変化を分析することができる。本論文では,全国の市町村における教育・文化施設の繁栄に関する時空間的状況を定量的に把握する試みを行った。今回は詳細な動向を把握するために全体を検討しましたが,災害時の将来の観光戦略計画において将来の動向と都市の台頭につながる地域特性について詳細に検討しました。


著者名:Yasuko Kawahata

題名:Examination of analysis method of urban resilience based on temporal and spatial archive information before and after disaster -Perspective of SDGs-

発行年月日(西暦):2019年12月(公開予定)

掲載誌名:Springer Book Series: “Proceedings in Adaptation, Learning and Optimization”

概要:この調査では,電話帳のポイントデータを地理情報として使用し,災害前後の都市の産業構造の変化を把握するために定期的に更新している。これらのデータに基づいて,災害前後の被災地の地域動向について定量的なアプローチが取られた。災害前後の人口形態など,多くの多様な要因があり,継続的な精神的支援が求められている。外側.地方自治体も再建のための新しい都市計画を立てていますが,持続可能な都市計画であるかどうかは問題のままである。本稿では,これまでの研究を参考にしながら,災害復旧計画,持続可能性,都市のレジリエンスの観点から検討します。


著者名:川畑泰子,石井晃

題名:Consideration of simulation of consensus formation Online using Sociophysics method

発行年月日(西暦):2019年6月

掲載誌名:GDN 2019 - Group Decision and Negotiation Conferences

概要:本研究では,コメントテキストにおけるネガポジのスコア分布から社会の合意形成の成り立ちを理解する試みを行ったが課題も存在する。例えば,マス・パーソナルにおけるOSNにおける社会的影響についての議論は,権力に対する抵抗勢力・ポピュリズム・危険性におけるトピックとして課題にされがちである。そのため,5. 実測例でも取り上げたように同じYoutube chにおいてもニュースの内容や性質によって反発する意見や合意する意見は発信源や中身によって異なる傾向も類似した傾向も存在すると推察する。
 また,OSNでは社会問題に関する様々な意見の対立が見受けられる。それぞれ発信者のアカウントや投稿内容に対するReply欄を覗くと発生している。しかしそこでも様々な利害に関わる人間関係が複雑に交差しているケースが混在する場合が多い。そのため,単なるテキストにおける正負のスコアリングだけでなく,ネットワークにおける意見の発信者のネットワーク上における立ち位置や構造まで捉えた定量的な考察も必要となってくる。 また,対立する意見における社会的な問題における文脈の理解なども必須であろう。それらを踏まえて,条件付きの新たなモデルの考案につながると考える。


著者名:Yasuko Kawahata, Nozomi Okano, Masaru Higashi, Toshimichi Wakabayashi

題名:The Influence of Social Media Writing on Online Search Behavior for Seasonal Topics: The Sociophysics Approach

発行年月日(西暦):2018年12月

掲載誌名:IEEE BIGDATA2018

概要:この調査では,季節ごとのトピックを調査対象として,ソーシャルメディアの執筆とオンライン検索行動のタイミングのギャップに焦点を当てた。分析を行うために,社会物理学アプローチを含む検索行動の数学モデルを使用しました。選択された季節のトピックは,聖バレンタインの日,ハロウィーン,新年のカウントダウンです。ブログとTwitterの検索行動への影響を分析し,タイミングの観点から関心の逸脱を発見した。


著者名:Yasuko Kawahata, Takuya Ueoka

題名:Behavior Analysis of People in Maebashi City Using Location Information Data

発行年月日(西暦):2019年5月

掲載誌名:ICTSS 2019(Best Paper賞)

概要:本研究は人の位置情報から行動分析する事によって,人々の行動の予測や地域の分析を行うことが目的である。本研究対象である群馬県では次世代産業振興会議と称して観光産業にも力を入れてきているため,人々の行動分析をする必要が出てきている。それは地域特性や人の行動のパターンなどを見つける事により地域観光政策などに寄与することを期待する。結論を言うと,位置情報から人の行動の傾向やライフスタイルを分析出来ることが分かり,移動を時間別にグラフ化してみると平日型と休日型などに分けられた。県外からの群馬県外の来訪者を見ると3月は引っ越しシーズン,5月はゴールデンウイークが関係している。以上のことより位置情報から人の行動を見ることで多種多様な分析が出来るため,新たな視点での地域分析が可能となった。


[学会発表]

発表者名:川畑泰子

題名:Social risk prediction using search behavior analysis of people of society

発表年月日(西暦):2018年10月

発表学会名:DySES2018

開催場所:パリ政治学院—パリ大学

概要:現代社会における多様なリスクに対して,ソーシャルメディア上での動向を考察すると同時に予測する手法の検討などを多変量データを用いて考察を得た。


発表者名:川畑泰子

題名:Behavior Analysis of People in Maebashi City Using Location Information Data

発表年月日(西暦):2019年5月

発表学会名:ICTSS2019

開催場所:桐生文化会館

概要:本研究は人の位置情報から行動分析する事によって,人々の行動の予測や地域の分析を行うことが目的である。本研究対象である群馬県では次世代産業振興会議と称して観光産業にも力を入れてきているため,人々の行動分析をする必要が出てきている。それは地域特性や人の行動のパターンなどを見つける事により地域観光政策などに寄与することを期待する。結論を言うと,位置情報から人の行動の傾向やライフスタイルを分析出来ることが分かり,移動を時間別にグラフ化してみると平日型と休日型などに分けられた。県外からの群馬県外の来訪者を見ると3月は引っ越しシーズン,5月はゴールデンウイークが関係している。以上のことより位置情報から人の行動を見ることで多種多様な分析が出来るため,新たな視点での地域分析が可能となった。


発表者名:川畑泰子

題名:過去の位置アーカイブデータの計量的アプローチ - 冪分布の観点から -

発表年月日(西暦):2019年9月

発表学会名:日本物理学会

開催場所:岐阜大学

概要:現在, オンライン上の多様な形態のデータから, 過去の知見を集約したアーカイブス(古典籍など)まで, 様々な手法で過去の様々なデータが保存されている時代となった. しかし, 実社会に改めて有用性を唱える手法に関しては様々な試行錯誤と議論がされている. 本研究では, 1996-1997年, また直近の2012年~2017年における電話帳データから得られる分布傾向を用いて, 過去の都市成長における規則性を産業特徴における観点, または都市における対数正規分布と, その傾向と年度を跨いだ場合の違い・解析手法可能性に関して議論する.

北村 純(行政学研究室)

[公開講座(一般向け)]

講演者名:北村 純

題名:「大河ドラマ」の誘致(「映像作品と地域活性化」を考える)

年月日(西暦):2018年10月27日(13時〜14時30分)

場所:社会情報学部棟611教室

概要:平成30年度群馬大学公開講座(全1回)。公開講座において今後継続する予定の“「映像作品と地域活性化」を考える”シリーズの講義(第1回)。大河ドラマの誘致活動をとりあげ,その背景,活動の状況,成功例を紹介・考察した。

吉良知文(ソーシャル数理研究室)

[学術論文]

著者名:Akifumi Kira, Keisuke Inakawa, and Toshiharu Fujita

題名:A dynamic programming algorithm for optimizing baseball strategies

発行年月日(西暦):2019年4月

掲載誌名:Journalof the Operations Research Society of Japan

巻数:62-2

頁:64--82

概要:野球を約645万状態の有限非定和マルコフゲームとして定式化した。「勝つ確率が最大の戦略の中で, 引き分ける確率が最大の戦略を選ぶ」という辞書式順序の最適応答を考慮することで,均衡勝率の一意性を保証した。さらに,情報の価値の観点から後攻チームの優位性を議論した。また,マルコフゲームの枠組みでの最適打順の計算は世界初である。


[学会発表]

発表者名:吉良知文, 神山直之, 穴井宏和, 岩下洋哲, 大堀耕太郎

題名:保育所マッチング:きょうだい同所希望への配慮と公平性の両立

開催年月日:2018年11月29日

発表学会名:社会情報学シンポジウム2018「社会的☆マッチング」

開催場所:群馬大学荒牧キャンパス


発表者名:吉良知文

題名:社会システムの施策や制度設計を最適化する数理技術について

開催年月日:2018年12月14日

発表学会名:群馬大学次世代モビリティオープンイノベーション協議会 第5回要素技術開発研究会

開催場所:群馬大学荒牧キャンパス


発表者名:吉良知文

題名:輸送問題とその応用

開催年月日:2019年2月16日

発表学会名:日本オペレーションズ・リサーチ学会「確率モデルとその応用」研究部会,

開催場所:秋田市民交流プラザ ALVE


発表者名:吉良知文

題名:数理技術による公平性の追求(話題提供プレゼン)

開催年月日:2019年3月9日

発表学会名:シンポジウム『データとICTを活用したまちづくり』, 研究者に質問を投げかける日

開催場所:群馬大学荒牧キャンパス


発表者名:吉良知文

題名:動的ゲームと社会システムデザイン

開催年月日:2019年4月26日

発表学会名:日本オペレーションズ・リサーチ学会「超スマート社会のシステムデザインのための理論と応用」研究部会

開催場所:京都大学数理解析研究所


発表者名:吉良知文

題名:野球のマルコフゲームとしての定式化(再考)

開催年月日:2019年7月27日

発表学会名:日本オペレーションズ・リサーチ学会「動的決定モデルとその応用」研究部会

開催場所:上智大学四谷キャンパス


[その他]

研究成果のプレスリリース(日本パレットレンタル株式会社, 群馬大学):

物流ネットワークの効率化・合理化に向けた産学連携開始のお知らせ, 2019年2月20日.

https://www.jpr.co.jp/release/20190220_DataSientist2.pdf


若者向け体験講習型ハッカソン『Web×IoTチャレンジ 2018-19 in 前橋』, アイデアワークショップモデレータ(2019年1月).

https://webiotmakers.github.io/2018/maebashi/


2018年度 現場イノベーション賞(金賞), 人工知能学会, 2019年6月.

富士通ソーシャル数理共同研究チーム(7名)による受賞

受賞理由:「公平な保育所入所割り当てを瞬時に実現するマッチング技術の開発」

http://www.gunma-u.ac.jp/information/55613

小竹裕人(公共政策研究室)

[学術論文]

著者名:小竹裕人,舩津賢人,天谷賢児,宝田恭之,根津紀久雄,宗村正弘,登丸貴之,大橋 司,清水宏康,佐羽宏之

題名「安全安心なモビリティとして開発された低速電動バスによるコミュニケーション空間の創出に向けた一考察」

発行年月:2019年7月採択

発行:安全とプライバシー(査読あり)

概要:低速電動バスeCOM-8は車室内での会話が一般車両と比較して多いことが報告されていた。eCOM-8が乗車する地域住民の発話を促進する可能性についてシミュレーションとアンケートを用いて研究を行った。定員が同じ9名のワゴン車とeCOM-8とを比較し,座席位置・座席間隔・座席の方向・乗客間の障害物を考慮し,パーソナルスペースの概念を援用しシミュレーション分析を行い発話のしやすさを検討した。その結果,クロスシートの座席を持つワゴン車と比較してロングシート(対面座席)であるeCOM-8は発話しやすく,アンケートからもその傾向が裏付けできることを明らかにした。


[研究会]

・群馬大学理工学府,Future Kiryu,月一回


[講演]

・桐生シティブランディングの第一歩,2019年5月24日,桐生シティブランディング戦略をとりまとめた立場から,桐生のシティブランディング戦略の概要と戦略の進め方について講演を行った。

・協働による地域づくりシンポジウム,2019年6月14日,2019年3月に策定した協働による地域づくりに関する指針の解説とアカデミックな解釈について講演した。
https://www.pref.gunma.jp/07/c01g_00042.html,2019年9月13日アクセス)

・前橋市Mサポセミナー協働入門,2019年8月22日,前橋市パートナーシップ事業の説明会に来場した市民に対し「協働入門」と題し協働を平易に講演した。
http://maebashi-shiminkatsudo.jp/news/?p=21166,2019年9月13日アクセス)


[社会的活動(委員会等)]

○政策立案にかかわるもの

・総務省行政評価局行政懇談会(委員),12/14

・群馬県未来創生懇談会検証部会(委員),5/24,5/27

・連合群馬政策委員会(おもに県民アンケート関係,政策アドバイザー),8/1

○行政と市民との協働にかかわるもの

・前橋市市民提案型パートナーシップ事業審査(委員長),12/10,2/24,4/20

・伊勢崎市協働まちづくり事業審査(委員長),4/15

○政策評価・行政の効率化にかかわるもの

・安中市行政改革審議会,1/28,8/9

・群馬県ヘリポート評価委員会(委員長),7/9

○その他

・群馬県公益認定等審議会委員, 9/20,10/25,3/20

・群馬テレビ,放送番組審議会(会長),毎月


[社会的活動(コーディネーター等)]

・連合群馬政策フォーラム,6/22


[社会的活動(ワークショップ等)]

・赤城山振興にかかわる市民会議,前橋市・AKAGIやる気塾,偶数月

坂本和靖(計量経済学研究室)

[学会発表]

著者名:坂本和靖

題名:職業訓練の効果測定における脱落の影響

発表年月日(西暦):2019年7月17日

発表学会名:一橋大学経済研究所定例研究会

開催場所:一橋大学経済研究所

概要:本研究では,「慶應義塾家計パネル調査(2004〜2012年)」を用いて,職業訓練が賃金に与える効果に対して,サンプル脱落によるバイアスの影響を分析する。これまでの先行研究では,職業訓練の賃金への影響を測定する場合,内生性の問題を中心に,如何にして職業訓練の効果以外のものを統制し,純粋な平均処置効果の測定するかが重要視されてきた。本研究ではその点も考慮しつつ,サンプル脱落がもたらす影響についても検証した。職業訓練と回答継続との関係を見ると,会社からの指示で実施される教育訓練は,継続回答率を向上させ,自発的に参加する自己啓発は,継続回答率を低下される傾向がみられた。Inverse Probability Weightで補正したモデルと未補正モデルとを比較すると,教育訓練では,平均処置効果が過大推計されており,自己啓発では,過小推定されていた。処置群がより多く分析対象に留まることで過大推計,逆に処置群が分析対象に留まらないことで過小推定されることが確認できた。


著者名:坂本和靖・森田陽子

題名:Empirical Analysis of Social Norms and Inequality of Household Distribution in Japan

発表年月日(西暦):2019年8月7日

発表学会名:2019 Singapore Economic Review Conference

開催場所:Mandarin Orchard Singapore

概要:This study uses data from the Japanese Panel Survey of Consumers (1993-2015) to determine how gender identity affects the market work and non-market work of married women. First, an analysis of the share of wives’ income compared with the couples’ combined income revealed that few wives earn more than 50% of the combined income. This is mainly because wives tend to reduce their labor supply to not exceed their husband’s income. Next, the average of the incomes of married women in each demographic group (according to age, education, and size of their residence) were assumed to be their potential income and it was confirmed that their employment tends to be limited by the possibility of their income surpassing that of their husbands. Moreover, as the wife’s income ratio compared with the total income of the couple increases, her time spent on housework decreases. However, when the income ratio reaches approximately 55 to 60%, the number of hours spent on housework starts to gradually increase again. An analysis of whether the wife possibly earning more than her husband affects the difference between potential and actual wages and the income gap confirmed that wives receive lower wages than they could potentially receive. This result emphasizes the validity of identity economics, which states that human behavior is affected not only by financial incentive, but also by the “norms” that society imposes.

杉山 学(経営管理研究室)

[学術論文]

著者名:杉山学

題名:JRと大手私鉄の事業活動効率に対するDEAとInverted DEAのノンパラメトリック検定を用いた比較検証

発行年月日:2019年3月1日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:26

頁:55-71

概要:本研究は,国鉄の分割・民営化によって本当にJRは国鉄時代の事業活動から,大手私鉄並みの事業活動に改善されたかを,データ包絡分析法(DEA)の諸手法を用いて実証的に検証,評価することが目的である。第8報の本論文では,著者の第6報や第7報のJR旅客各社と大手私鉄に関する総合的な分析・評価とは別の第3段,新たなアプローチとして,国鉄の分割・民営化後19年間を対象に,JR旅客6社の4つの効率性(コスト性,生産性,収益性,企業性)に関するDEAとInverted DEAの各効率値の推移結果に対して,JR旅客6社が大手私鉄15社と比較して事業活動に明らかな差があるか否かをパラメトリック検定とノンパラメトリック検定の両者を適用し統計学的に検証した。そして,国鉄の分割・民営化後のJR旅客6社関して考察を行った。


[その他 (寄稿)]

講演者名:杉山学

題名:群馬大学社会情報学部のOR教育の変遷と紹介

発行年月日:2019年1月

掲載誌名:オペレーションズ・リサーチ

巻数:64

頁:9-10

概要:群馬大学社会情報学部のOR教育について創立時から現在までの変遷とその紹介を学会誌で報告した。


[その他 (講演)]

講演者名:杉山学 (共著者:吉良知文,杉山学,山内裕美,藤井美奈枝)

題名:教養教育の必修科目における満足度を高めるためのクラス編成 〜 数理最適化による受講科目と学生のマッチング結果はいかに? 〜

開催年月日:2018年11月29日

講演会名:平成30年度 群馬大学社会情報学シンポジウム「社会的☆マッチング」

開催場所:群馬大学荒牧キャンパス

概要:平成30年度 群馬大学社会情報学シンポジウム「社会的☆マッチング」において,「教養教育の必修科目における満足度を高めるためのクラス編成 〜数理最適化による受講科目と学生のマッチング結果はいかに?〜」という題目の講演を行った。具体的には,平成30年度に実際に行った教養教育科目「学びのリテラシー②」における受講生と科目のマッチングについて解説し,結果の報告を行った。


講演者名:杉山学

題名:ビジネスプラン策定スキル② 〜 事業構造と競争関係のデザイン 〜

開催年月日:2018年12月2日

講演会名:平成30年度 群馬大学公開講座「社会起業家特論(先端応用情報学特講A・B)」【群馬大学 産学連携・共同研究イノベーションセンター 荒牧分室 共催】

開催場所:群馬大学荒牧キャンパス

概要:平成30年度 群馬大学公開講座として,「ビジネスプラン策定スキル② 〜 事業構造と競争関係のデザイン 〜」という題目の講演を行った。具体的な内容として,ビジネスプラン策定において「決定理論」と「ゲーム理論」の考えを活用した合理的な意思決定を企業活動の例題にて解説を行った。


講演者名:杉山学

題名:金融ビジネスの基礎知識⑤ 〜 総合評価手法 〜

開催年月日:2018年7月18日

講演会名:令和元年度 群馬大学公開講座「企業・産業分析スキル特論(金融ビジネスの基礎から実際まで)」【群馬大学 産学連携・共同研究イノベーションセンター 荒牧分室 共催】

開催場所:群馬大学サテライト高崎会場

概要:令和元年度 群馬大学公開講座として,「金融ビジネスの基礎知識⑤ 〜 総合評価手法 〜」という題目の講演を行った。具体的な内容として,総合評価をして合理的な意思決定支援を行う階層分析法(Analytic Hierarchy Process : AHP)を,身近な例題の意思決定に用い,合理的に結論を導き出す解説を行った。

高木 理(医療情報学研究室)

[学術論文]

著者名:Osamu Takaki, Takayuki Asao and Yoichi Seki

題名:Risk Impacts of Patients’ Information and Extensions of l-Diversity

掲載誌名:Journal of Technology and Social Scienceに掲載決定

概要:本論文では,電子カルテ上のデータなどの医療データに対して,そのデータに記載されている患者の状態に関して,どのくらい深刻な情報が得られるのかを推定するための,オントロジーおよび指標化アルゴリズムを提案し,さらに,患者情報の深刻さに関する匿名化を行うための,拡張されたl-多様性および匿名化手法を紹介する。さらに,本論による患者情報の深刻さの指標化手法を用いて,厚生労働省による公表データ等を用いて,診療科と病院が保有する医療データの患者情報の深刻さを比較している。なお,本論文は,2017年に発表された国際会議論文(ICMEMIS 2017)の拡張論文である。


[学会発表]

発表者名:Osamu Takaki

題名:A proposal on an evaluation method of service quality based on properties of change in frequency

発表年月日(西暦):2018年11月4日

発表学会名:International Conference on Mechanical, Electrical and Medical Intelligent System 2018 (ICMEMIS 2018)

開催場所:桐生市市民文化会館

概要:本発表では,時系列データ上に示される手術等の事象(イベント)の発生頻度の変化を表現するための論理である頻度論理と,頻度論理をベースとした時系列データ上の検索システムを紹介した。このシステムを用いて,診療上のイベントの事象発生頻度のパターンから,医療安全上問題となりそうな時間帯や場所を示す時系列データの洗い出し(デースファインディング)が可能となる。


発表者名:高木 理

題名:多様なデータの連携分析のための頻度論理の拡張 −頻度論理に基づく,より大規模な業務プロセスの評価に向けて−

発表年月日(西暦):2018年11月12日

発表学会名:電子情報通信学会 研究会(“システムのモデリングと制御・検証・最適化の手法,機械学習的アプローチ及び一般”:MSS, CAS, IPSJ-ALによる共同開催)

開催場所:熱海伊豆山温泉 ハートピア熱海

概要:本発表では,時系列データ上に示される手術等の事象(イベント)の発生頻度の変化を表現するための論理である頻度論理のモデルである,時空間階層モデルの拡張モデルを提案する。この拡張モデルによって,時系列の目盛りが異なる複数の時系列データを包括的に扱うことが可能になる。


発表者名:Osamu Takaki, Tsuyoshi Kato, Kota Torikai, and Yuichiro Saito

題名:Towards prediction of a wireless LAN device’s location in a large scale network system

発表年月日(西暦):2018年12月6日

発表学会名:Gunma University Medical Innovation 2018 (GUMI 2018)

開催場所:桐生市市民文化会館

概要:本発表は,群馬大学医理工連携プロジェクトにおける研究課題の1つである,院内無線LAN環境における無線LANデバイスの位置推定システムを紹介する。また,位置推定システムの長期的・連続的な実用性評価に関する結果報告も行う。


発表者名:Osamu Takaki

題名:Data analysis based on temporal associations between databases in a hospital

発表年月日(西暦):2019年5月8日

発表学会名:International Conference on Technology and Social Science 2019 (ICTSS 2019)

開催場所:桐生市市民文化会館

概要:本発表では,複数の病院における情報システム上のデータを連携させて,時系列データに示される問題事象の洗い出し(ケース・ファインディング)の方法について議論する。


[その他]

(1)公開講座・講演会

講師名:高木 理

題目:病院でどんな情報を集めどう利用すべきか?

年月日(西暦):2019年6月8日

開催:“夢ナビライブ2019東京会場”

場所:東京ビッグサイト

概要:大学進学を希望する高校生向けの全国規模の学問・研究紹介イベントである“夢ナビライブ2019東京会場”における,学問・研究紹介のための3分間のライブ・トークである“夢ナビTALK”に出席し,医療情報学を主題としたトークを行った。


講師名:高木 理

題目:多様なデータを繋げて物事の流れを見出す

年月日(西暦):2019年6月8日(第1回),2019年7月20日(第2回)

開催:“夢ナビライブ2019東京会場”(第1回),“夢ナビライブ2019名古屋会場”(第2回)

場所:東京ビッグサイト(第1回),ポートメッセなごや(第2回)

概要:“夢ナビライブ2019東京会場”および“夢ナビライブ2019名古屋会場”にて,大学病院の病院情報システムや院内ネットワークシステムを紹介し,それらのシステムの中に蓄積されるデータの分析や分析支援システムをテーマにした研究紹介を行った。


講師名:高木 理

題目:求める時系列データを探し出すための論理

年月日(西暦):2019年7月20日

開催:“夢ナビライブ2019名古屋会場”

場所:ポートメッセなごや

概要:“夢ナビライブ2019名古屋会場”における“夢ナビTALK”に出席し,頻度論理に基づくモデル検査法の拡張を主題としたトークを行った。


講師名:高木 理

題目:病院情報システムに基づくデータ分析

年月日(西暦):2019年8月16日

開催:群馬大学 オープンキャンパス 社会情報学部 模擬授業

場所:群馬大学荒牧キャンパス社会情報学部棟

概要:群馬大学社会情報学部への進学に興味のある高校生向けの模擬授業として,群馬大学医学部附属病院内に設置された様々な情報システム上に蓄積されたデータを用いて,ナースコール数の分析や,院内の無線LANデバイスの位置推定に関する研究紹介を行った。


(2)地域貢献活動

講師名:高木 理

題名:医療安全に向けた院内システムデータの分析

年月日(西暦):2019年2月3日

開催:安全・安心まちづくりセミナー IN 桐生 2019

場所:群馬大学桐生キャンパス

概要:一般市民向けのセミナーとして,病院内の医療安全の向上に向けた,病院情報システムや院内ネットワークシステム上のデータに対する分析のための支援システムの紹介を行った。


(3)学外の審議会・委員会等への参画

3-1: 一般社団法人 電子情報通信学会 システム数理と応用研究専門委員会:専門委員(2011年5月〜現在)

概要:当該期間(2018年9月〜2019年8月)における活動としては,専門委員として,「電子情報通信学会 システム数理と応用研究会」の運営に関する会議に出席し,発言等を行った。


3-2: NEDO “IoT推進のための横断技術開発プロジェクト 次世代産業用ネットワークを守るIoTセキュリティ基盤技術の研究開発” ユーザ・アドバイザリー委員(2017年10月〜現在)

概要:当該期間(2018年9月〜2019年8月)における活動としては,次世代産業用ネットワークとその安全性に関する会議に出席し,発言等を行った。


(4)学外の各種調査・研究会等への参画

4-1: International Conference on Mechanical, Electrical and Medical Intelligent System 2018 (ICMEMIS 2018), Invited Papers Session 09 (Title of the session: “Data Analysis and Its Safety”), セッションオーガナイザー,2018年11月4日,桐生市

概要:国際会議ICMEMIS 2018における1つセッションのオーガナイザーとして,当該セッションへの投稿論文の審査および座長を務めた。


4-2: International Conference on Technology and Social Science 2019 (ICTSS 2019), Invited Papers Session 06 (Title of the session: “Utilization of data in Society”), セッションオーガナイザー,2019年5月8日,桐生市

概要:国際会議ICTSS 2019における1つセッションのオーガナイザーとして,当該セッションへの投稿論文の審査および座長を務めた。


4-3: 知識共創フォーラム:組織委員(2010年8月〜現在)

概要:当該期間(2018年9月〜2019年8月)における活動としては,知識共創フォーラムが主催する研究会等への投稿論文の査読を担当した。


(5)国際協力

なし(国際会議における査読を「国際協力」と見なすのであれば,2018年9月〜2019年8月の期間内は1件,2019年9月以降は3件)


(6)産業支援

6-1: 講師名:高木 理

題名:状況変化の傾向分析フレームワーク

年月日(西暦):2019年5月23日

開催:令和元年度(平成31年度)産学官金連携推進会議

場所:群馬大学荒牧キャンパス

概要:群馬大学の研究者と群馬県内の自治体,企業および金融機関が連携して事業を進めるための意見交換の場である本会議に出席し,頻度傾向分析フレームワークの紹介を行った。


6-2: アラクサラネットワークス株式会社との共同研究,“病院におけるネットワーク管理自動化に関する研究”,研究期間:2019年5月20日〜現在

概要:群馬大学医学部附属病院の院内ネットワークの安全性の向上に向けた研究を,アラクサラネットワークス株式会社および群馬大学医学部附属病院システム統合センターの教員メンバー(3人)と共同して行っている。

鳶島修治(計量社会学研究室)

[学術論文]

著者名:歸山亜紀・鳶島修治

題名:職場における自律性が仕事の満足度に与える影響−前橋市・玉村町住民サーベイの分析から−

発行年月日(西暦):2019年2月

掲載誌名:群馬県立女子大学紀要

巻数:第40号

頁:53-64

概要:本稿では,2017年11月から2018年1月にかけて群馬県前橋市・玉村町の住民(25〜54歳の男女)を対象に実施した「地域住民の仕事とくらしに関する調査」のデータを用いて,職場における自律性が仕事の満足度に与える影響について検討した。


[著書]

著者名:鳶島修治・高橋満

題名:学習経験と震災ボランティア

書名:東日本大震災と社会教育(日本社会教育学会編)

発行年月日(西暦):2019年6月1日

発行所名:東洋館出版社

頁:114-129

概要:本稿では,2012年に7月に仙台市教育委員会が実施した「仙台市民の生涯学習に関する調査」の個票データを用いて,生涯学習の実施経験と震災ボランティア参加との関連について検討した。


[学会発表]

発表者名:鳶島修治

題名:小学生の学力と母親の教育期待−TIMSS2015のデータを用いた分析−

発表年月日(西暦):2018年9月3日

発表学会名:日本教育社会学会第70回大会

開催場所:佛教大学

概要:本報告では,2015年に実施された「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の日本調査データを用いて,小学4年生の子どもをもつ母親の教育期待(子どもに大学進学を期待するかどうか)の規定要因について検討した。


発表者名:鳶島修治

題名:母親の就労が子どもの学力に与える影響

発表年月日(西暦):2019年7月15日

発表学会名:第66回東北社会学会大会

開催場所:東北大学

概要:本報告では,2015年に実施された「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の日本調査データを用いて,母親の就労形態が子ども(小学4年生)の学力に与える影響について検討した。


[その他(研究ノート)]

著者名:鳶島修治・歸山亜紀

題名:「地域住民の仕事とくらしに関する調査」の概要と標本の特性

発行年月日(西暦):2019年3月1日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第26巻

頁:127-137

概要:本稿では,2017年11月から2018年1月にかけて群馬県前橋市・玉村町の住民(25〜54歳の男女)を対象に実施した「地域住民の仕事とくらしに関する調査」の概要と調査設計を記述するとともに,「国勢調査」との比較をとおして標本の特性を検討した。

永野清仁(数理情報学研究室)

[学会発表]

発表者名:永野清仁,岸本章宏

題名:劣加法的集合関数の負荷分散最適化

発表年月日(西暦):2017年9月19日

発表学会名:情報処理学会 第164回アルゴリズム研究会(AL)

開催場所:京都大学

概要:劣モジュラ関数を一般化した概念である劣加法的集合関数について,負荷分散最適化などの最適化問題を扱い,近似アルゴリズムを提案し,その近似性能を解析した。さらに,マルチロボットルーティング問題に適用し,計算機実験によって提案アルゴリズムの性能を検証した。


発表者名:永野清仁

題名:劣加法的集合関数の限界と応用可能性について

発表年月日(西暦):2018年8月31日

発表学会名:日本オペレーションズ・リサーチ学会60周年記念事業 本部SSOR2018

開催場所:水上温泉 源泉湯の宿 松乃井

概要:劣加法的集合関数に関する最適化問題の理論的な限界について議論し,劣モジュラ最適化の場合との理論的な扱い易さの違いを検証した。さらに補間手法を通じ,劣加法的集合関数の応用可能性について議論した。


発表者名:Kiyohito Nagano

題名:Subadditive set optimization and its applications (特別講演)

発表年月日(西暦):2019年8月30日

発表学会名:International Conference on Nonlinear Analysis and Convex Analysis--International Conference on Optimization: Techniques and Applications (NACA-ICOTA2019)

開催場所:公立はこだて未来大学

概要:A set function is regarded as a discrete function on the vertices of n-dimensional hypercube. Many combinatorial problems arising in artificial intelligence and machine learning are reduced to set function optimization. In particular, submodular set functions are a fundamental tool. In this talk, we focus on a subadditive set function that generalizes submodularity, and examine the subadditivity of non-submodular functions. In addition, we discuss the application of subadditive set optimization methods to the multi-robot routing problem.


[プレプリント]

著者名:Kiyohito Nagano and Akihiro Kishimoto

題名:Subadditive Load Balancing

公開日(西暦):2019年8月27日

発行所名:arXiv

URL:http://arxiv.org/abs/1908.09135

頁:17ページ

概要:Set function optimization is essential in AI and machine learning. We focus on a subadditive set function that generalizes submodularity, and examine the subadditivity of non-submodular functions. We also deal with a minimax subadditive load balancing problem, and present a modularization-minimization algorithm that theoretically guarantees a worst-case approximation factor. In addition, we give a lower bound computation technique for the problem. We apply these methods to the multi-robot routing problem for an empirical performance evaluation.


[その他]

●群馬大学 社会情報学シンポジウム2017における発表

発表者名:永野清仁

題名:デマンドバス最適化とマルチエージェントシステム

発表年月日(西暦):2017年12月2日

シンポジウム名:社会情報学シンポジウム2017 「自動運転×社会情報学で議論する 群馬発 超スマート社会」

開催場所:群馬大学 荒牧キャンパス

概要:デマンドバス最適化の数学的な扱いや人工知能分野との関連について述べ,その数学的な難しさと,離散最適化に基づいたアプローチについて解説した。

平田知久(比較社会情報学研究室)

[学術論文]

著者名:Hirata Tomohisa and Osamu Takaki

論文名:Social Theory on the Datafied Our Society

発行年月日(西暦):2018年3月22日(HPへのアップロードの年月日)

発行所名:Proceedings of International Conference on Technological Challenges for Better World 2018

頁:4P

概要:現代のデータ志向社会における監視の問題について,関連する国内外の社会理論研究を渉猟し,監視社会を考究する際のあるべき認識枠組みを検討した論文。論文では,現代社会の技術的展開が人々を押しなべて「移民」として捉えるものであることを示し,これを捉える認識枠組みの必要性を論じた。(招待論文/査読なし)


[著書]

著者名:Hirata Tomohisa

論文名:Do Data Analysts Fill the Role of the Psychoanalyst? The Contemporary Digital Divide and Freud’s Theory

書名:Theorizing Digital Divide (Routledge Advances in Sociology)(Massimo Ragnedda and Glenn W. Muschert編)

発行年月日(西暦):2017年10月2日(e-book: 2017年9月22日)

発行所名:Routledge

頁:35-47

概要:現代のデータ志向社会における情報格差を考察する理論枠組みについて,ビッグデータ分析の手法の前提や特徴を,S. フロイトの臨床データの分析の前提や手法との比較から考察した論文。
 論文では,特に精神分析学における「抵抗」の概念に着目しながら,ビッグデータ分析と精神分析学との間の共通点と差異を示し,ビッグデータ分析を行う分析家とビッグデータを構成する個別データの提供者との間に格差が発生する可能性があるのみならず,データ分析の結果から適切な距離を置くことができるか否か(データ分析の結果から自由であるか否か)という観点から,ビッグデータ分析家(データ提供者)の内部にも格差が発生する可能性があることを示した。(査読有り)


著者名:平田知久

論文名:Society 5.0 とコンテンツツーリズム——聖アウグスティヌス号について

書名:ともに生きる地域コミュニティ——超スマート社会を目指して(横幹「知の統合」シリーズ編集委員会)

発行年月日(西暦):2018年10月10日

発行所名:東京電機大学出版局

頁:75-91

概要:現在,日本の科学技術研究の柱となっている社会構想であるSociety 5.0について,現代のコンテンツツーリズムの観点から,その課題と解決の方策を示した論文。
 論文では特に,現在はフィリピンの船舶会社が所蔵する,聖アウグスティヌス号と名付けられた船に注目しながら,Society 5.0とコンテンツツーリズムの関係を素描し,上記の考察を行った。(査読なし)


著者名:平田知久

書名:ネットカフェの社会学——日本の個別性をアジアから開く

発行年月日(西暦):2019年3月15日

発行所名:慶應義塾大学出版会

頁:366P (+23P)

概要:博士学位論文の書籍化であり,東アジア・東南アジア諸国の首都圏と大都市圏のインターネットカフェのマッピング調査,およびインタビュー調査から,アジアを移動する人々のインターネット利用のあり方と各国の社会問題との関係を比較社会学的な観点から考察したもの。博士学位論文の構成を大きく変更し,それぞれの国の首都圏と大都市圏のネットカフェとその利用者の相互関係をより緊密に示しつつ,それぞれのネットカフェの特徴をより明確に示した。(査読なし/博士学位論文の書籍化)


[学会発表]

発表者名:Hirata Tomohisa

題名:International Symposium/Workshop for Social and Information Studies 2017

発表年月日(西暦):2017年11月25日

発表学会名:群馬大学 社会情報学部附属社会情報学教育・研究センター/群馬大学 国際センター

開催場所:群馬大学

概要:「現代メディア技術とナショナリズム——アジアと世界」という主題のもと,2名のKeynote Speakerによる報告,および4名の常勤職を持たない若手研究者の報告をオーガナイズし,現代メディアとナショナリズムの関係を,アジアとその他の地域(世界)との比較という観点から議論した。(Symposium/Workshop Organizer)


発表者名:平田知久

題名:日本のゲーム産業と社会情報学——その史的展開と展望 ゲームの社会史の観点からのコメント

発表年月日(西暦):2018年3月3日

発表学会名:2017年度社会情報学会定例研究会(実証部門・若手研究支援主催)

開催場所:東京大学

概要:2017年度社会情報学会優秀文献賞を受賞した『日本デジタルゲーム産業史——ファミコン以前からスマホゲームまで』の著者である芝浦工業大学教授の小山友介氏を招いた研究会。
 研究会では,同書の冒頭で加えられた産業史に着目するという限定を,どのようなかたちで解除すべきか,という方法論的課題について,ゲームジャンル史,ゲームの社会史の観点からの同書へのコメントと著者によるコメントへのリプライを行うかたちで議論を行った。(研究会主催者/コメンテーター)


発表者名:Hirata Tomohisa

題名:Social Theory on the Datafied Our Society

発表年月日(西暦):2018年3月27日

発表学会名:International Conference on Technological Challenges for Better World 2018

開催場所:BIG Hotel, Cebu, the Philippines

概要:同名のProceedingを原型としたキーノート・スピーチ。

報告では特に,近年の監視社会に関する社会科学分野の先行研究を紹介しつつ,現代社会の総移民化とでも呼びうるような状況を,図らずも監視技術が実現してしまうこととその問題を,自らの研究成果をもとに論じた。(招待講演)


発表者名:Hirata Tomohisa

題名:A Desire for Being Cosmopolitic: A Reconsideration of Hospitality as a Concept of Social Theory in Jacques Derrida and Marquis De Sade

発表年月日(西暦):2018年7月20日

発表学会名:XIX ISA World Congress of Sociology

開催場所:Metro Toronto Convention Center, Toronto, Canada

概要:Distributed Paperとして,現代的なコスモポリタニズムを提起したJ・デリダの議論の一つのタイトルが,なぜK. マルクスの『共産党宣言』の最終節とD. A. F. サドのパンフレットのタイトルとの合成となっているのかを,I. カントの訪問権と滞在権に関するデリダの批判的検討のあり方から分析したもの。(査読あり)


発表者名:平田知久

題名:ゲームをめぐる「世論」の形成と韓国のインターネットカフェ——世論とメディアを考えるために/前に

発表年月日(西暦):2018年8月25日

発表学会名:日本マス・コミュニケーション学会/韓国言論学会 2018年 第24回日韓国際シンポジウム「デジタル/サイバー空間における「世論」——その問題状況,研究の最前線——」

開催場所:京都大学

概要:同名の論文を原型とした招待報告。
 報告では特に,韓国のインターネットの普及史とオンラインゲームの普及史において欠かすことができない,韓国のインターネットカフェ(PC房)の現状について研究成果をもとに説明し,その歴史的視座の重要性を例示した。(招待報告)


発表者名:Hirata Tomohisa

題名:「メディア・移民・ナショナリズムの興隆」を考える

発表年月日(西暦):2018年9月8日

発表学会名:2018年 社会情報学会(SSI)学会大会

開催場所:島根大学

概要:日本学術振興会二国間交流事業を受けての二国間共同セミナー「メディア・移民・ナショナリズムの興隆——ヨーロッパとアジアの経験と視座の比較」(2018年9月19日〜21日)の日本側からの登壇者数名による先行的議論の場を作り,学会活動の国際的展開に貢献する目的をもって開催した英語ワークショップ。特に,二国間共同セミナーと本ワークショップの差異として,前者ではヨーロッパとアジアの比較が中心的議題となることから,本ワークショップでは日本を含むアジアの現代メディア利用と移動する人々(の表象)との関係を中心に,聴衆である研究者を含めた議論を行った。(ワークショップ司会者/報告者/報告内容は事項を参照)


発表者名:Tomohisa Hirata

題名:Contact Zones and a Question of the “Imaginary/Real” Scape

発表年月日(西暦):2018年9月21日

研究会名:NWO-JSPS Bilateral Seminar: Media, migration and nationalism: Comparing European and Asian Experiences and Perspectives.

開催場所:3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田3331)

概要:現代メディア研究と移民研究を接続する理論枠組みとして,多くの研究者によって参照されている概念である,「コンタクト・ゾーン(Contact Zone)」(Mary Louise Pratt, [1992] 2007, Imperial Eyes: Travel Writing and Transculturation. Routledge.)と,同じくグローバル化する社会を把握するための認識枠組みである「スケープ(Scape)」(Arjun Appadurai, 1996, Modernity at Large: Cultural Dimensions of Globalization. Univ. of Minnesota Press.)について,香港のインターネットカフェの事例に当てはめつつ,それらの強みと検討課題を提起した報告。(Seminar Organizer/Presenter)


[その他]

発表者名:平田知久

題名:社会実装の「障壁」をどのように理解/解決するか

発表年月日(西暦):2017年12月2日

研究会名:自動運転×社会情報学で議論する群馬発☆超スマート社会

開催場所:群馬大学

概要:次世代モビリティ社会実装センター(CRANTS)との共同で開催された自動運転車の社会実装にかかわる諸問題を検討するシンポジウムでの報告。
 報告では特に,人文社会科学の観点から,自動運転車を社会に実装していく上での問題の所在を,技術受容の歴史の観点,およびこれまでなされてきた政治的・経済的施策との類似と相違の観点から論じ,あるべき自動運転技術の利用のあり方について論じた。(招待報告)


発表者名:平田知久

題名:「コンタクト・ゾーン」の開かれ方について

発表年月日(西暦):2018年3月24日

研究会名:分身の会

開催場所:龍谷大学

概要:現代メディア研究の理論枠組みとして,多くの研究者によって参照されている,Mary Louise PrattがImperial Eyes: Travel Writing and Transculturation (Routledge [1992] 2007)において提示した「コンタクト・ゾーン(Contact Zone)」という概念について分析した報告。
 報告では特に,Immanuel Kantの自然地理学との関係,およびPrattが直接批判の対象としているMichel Foucaultの言説分析との関係を論じ,コンタクト・ゾーンという理論枠組みの可能性と限界を指摘した。(招待報告)


著者名:平田知久

論文名:ゲームをめぐる「世論」の形成と韓国のインターネットカフェ——世論とメディアを考えるために/前に

発行年月日(西暦):2018年8月21日

発行所名:日本マス・コミュニケーション学会2018年日韓シンポジウム実行委員会

頁:90-103

概要:現代のオンラインゲーム中毒に関する世界的な「世論」の例として,WHOによって提示された「オンラインゲーム中毒」の定義の内実を分析し,そこにオンラインゲームが社会問題化する過程についての歴史的な視点が欠けていることを論じたもの。
 論文では,特に韓国におけるインターネットの普及史とオンラインゲームの普及史の関係から上記のことを論証し,翻ってインターネットの利活用において形成される世論についても,各国/各地域に固有の歴史を踏まえた分析がなされる必要があることを示した。(招待論文/査読なし)


発表者名:平田知久

題名:韓国のネットカフェにおけるゲーム文化と利用者の多元性から見る現代韓国の社会構造

発表年月日(西暦):2018年8月26日

研究会名:多元化するゲーム文化研究会

開催場所:花園大学

概要:多元化するゲーム文化を主題とする研究会において,韓国のオンラインゲーム文化を事例として,その利用者の多元性と韓国の社会構造との関係を考察した報告。
 報告では,韓国におけるこれまでのネットカフェ調査の結果を踏まえた上で,一般的に若者が利用すると想定されがちなデジタルゲームについて,例えば高齢者や移民などの属性を異にする利用者たちのゲーム環境を紹介し,そのようなゲーム環境が生まれる背景から,韓国の社会構造を考察する道筋と,日本をはじめとする他の国におけるゲーム利用,およびその環境との比較研究の可能性を示した。(招待報告)


[その他 (報告)]

発表者名:平田知久

題名:SDGsと連携/SDGsにおける連携——SDGsと社会情報学

発表年月日(西暦):2019年7月5日

研究会名:群馬大学グローバルSDGs指向研究シンポジウム——防災と環境のその先を見つめて——

開催場所:群馬大学

概要:2015年9月の国連サミットにて採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」について,その達成度合いを測定するための指標(Indicators)に着目し,特に社会情報学に関連する指標に紐づいている目標とターゲットを紹介し,それらがSDGsとどのような関係を持ち,どのように果たされるべきかを概説したもの。(招待報告)


[その他 (書評)]

著者名:平田知久

題名:思考可能性の条件と実現可能性の条件について(大黒岳彦『ヴァーチャル社会の〈哲学〉』の書評)

発行年月日(西暦):2019年5月20日

掲載誌名:図書新聞

巻数:3400

頁:3(1頁)

概要:『ヴァーチャル社会の〈哲学〉』(大黒岳彦著)についての書評。本書の中核的主題の一つであるVR(ヴァーチャル・リアリティ)についての大黒の議論から,思考可能性/実現可能性という二つの可能性の条件が,本書を読み解く鍵概念となり,これらの概念をもって今後の情報メディア環境をいかに読み解くかが読者はもちろん著者にも問われていることを示したもの。(査読なし)

藤井正希(憲法学研究室)

[学術論文]

著者名:藤井正希

題名:衆議院解散権をめぐる諸問題 — その制限の必要性を考える

発行年月日(西暦):2019年3月1日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:26

頁:73-90

概要:衆議院解散権については,日本国憲法上,7条3項と69条に規定があるのみである。そもそも衆議院の解散とは,「衆議院議員全員について,その任期満了前に議員としての資格を失わせる行為」であり,衆議院が解散されたときには,衆議院議員総選挙を行い,特別国会を召集しなければならない。そして,その際には,当然に解散をおこなった内閣は総辞職して,総選挙で示された民意にもとづき新たな総理大臣を選出することになっている。このように,衆議院の解散は,最終的には必然的に内閣の総辞職にいたるというきわめて政治的影響力の強い結果をもたらすものであり,国民生活におよぼす影響も非常に大きい。それにもかかわらず,憲法には前述の二つの条文しかなく,行使主体(すなわち解散権の所在)や行使要件(すなわち解散権の制限)をはじめ多くの問題が憲法解釈に委ねられてしまっている。本稿では,このような衆議院解散権について,これまでに議論されてきた論点についての学説を概観していく。具体的には,①解散権の所在,②解散権の根拠,③解散権の制限の可否(解散権行使の要件)の各論点につき検討し,自説を述べる。そのなかでは,特に③に焦点をあてて論じる。また,比較憲法の観点から,イギリス,ドイツ,フランスの解散制度を概観し,適宜,言及していく。


[その他]

題名:高等理論研修講師

開催年:2019年

主催者:財務省


題名:税関研修所講師

開催年:2019年

主催者:財務省


題名:通関業法に基づく審査委員

開催年:2019年

主催者:東京税関


題名:市民のための憲法講座

開催年:2018年

主催者:群馬大学

松井 猛(システム最適化論研究室)

[学会発表]

発表者名:Takeshi Matsui and Koji Okuhara

題名:A fuzzy random multiobjective problem through probability maximization with possibility for schedule planning

発表年月日(西暦):2019年5月8日

発表学会名:International Conference on Technology and Social Science 2019

開催場所:桐生市市民会館

概要:本研究では,建築現場における,資源の最適な配分による生産性の向上を目的とした日程計画を考える。実問題への対応を考慮して,費用および天候に含まれる不確実性を表現するためファジィランダム変数の概念を用いる。

松宮広和(情報法研究室)

[学術論文]

(1)

著者名:松宮広和

題名:インターネットの自由回復を目的とする2017年のFCCの判断

単著

掲載紙名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第26巻

発行年月日:2019年2月27日

頁:139-163頁

概要:2017年12月14日,共和党のDonald J. Trump大統領の政権下のFCCは,「ネットワークの中立性」(='network neutrality')に関する新たな規則を採択した旨の報道発表を公表し,2018年1月4日,当該判断である所謂「2017年のインターネット自由回復命令」(='FCC Restoring Internet Freedom Order 2017')を公表した。それに先行する2015年3月12日,当時の民主党のBarack H. Obama, Jr.大統領の政権下のFCCは,インターネットの自由及び開放性の維持を目的として,所謂「2015年のオープン・インターネット命令」(='FCC Open Internet Order 2015')を,公表し,その後,施行していた。FCC Restoring Internet Freedom Order 2017は,基本的に,「ブロードバンド・インターネット・アクセス・サービス」(='Broadband Internet Access Service'/以下「BIAS」)の法的性質を,連邦通信法の第II篇の下での「電気通信サービス」(='telecommunications service')であると規制の再分類を行ったFCC Open Internet Order 2015の策定・施行以前にそうであった様に,連邦通信法の第I篇の下での「情報サービス」(='information service')として復帰させることによって,FCC Open Internet Order 2015によって導入された「ネットワークの中立性」(='network neutrality')の保護を目的とする諸規則を廃止すること,を意図するものである。
 FCCが,FCC Restoring Internet Freedom Order 2017において行った判断の概要は,以下の通りである。まず,FCCは,BIASの法的性質を,連邦通信法の第I篇の下での「情報サービス」として,更なる規制の再分類を行うことによって,FCC Open Internet Order 2015によって導入された「ネットワークの中立性」(='network neutrality')の保護を目的とする諸規則,特に,(1) 「ブロッキング/遮断の禁止」(='No Blocking'),(2) 「スロットリングの禁止」(='No Throttling'),及び(3) 「優先のための支払いの禁止」(='No Paid Prioritization'),という「クリア,ブライト-ライン・ルール/単純明白な区分線の準則」(='Clear, Bright-Line Rule(s)')の論理的根拠を著しく破壊し,そして,後述する様に,それらが廃止される結論を導いた。
 次に,FCCは,移動体(の)BIASの法的性質を,(「商業用移動体サービス」(='commercial mobile service'),又は,選択的に,商業用移動体サービスの機能的に同等なものではなく,)「私的移動体サービス」(='private mobile service')と判断する更なる規制の再分類を行った。FCC Open Internet Order 2015によって導入された前述した移動体(の)BIASの法的性質の判断は,FCCが,前述した3つのオープン・インターネット規則を,固定(の)及び移動体(の)BIASの両方に対して適用することを可能としていたが,しかし,それは,本判断によって,覆された。
 更に,FCCは,ブロードバンドの消費者の保護の権能を,「連邦取引委員会」(='the Federal Trade Commission'/以下「FTC」)に回復させて,それに,不公正で,欺瞞的で,及び反競争的な実務に対する統一的なオンラインの保護を提供する目的で,その広範な専門知識を適用すること,を可能とする,と判断した。特に,プライバシーに関して,本判断の採択に伴なって,FCC及びFTCの間で,「了解の覚書」(='Memorandum of Understanding'/以下「MOU」)である「インターネット自由回復 FCC-FTC間の了解の覚書」が,締結され,本判断と同日に公表された。一方,FCC Open Internet Order 2015で採択された,FCCによる強化された強制の仕組みは,廃止された。
 また,FCCは,連邦の規制と整合性を有さない,州及び地方の規制に対する「(連邦法による)専占」(='preemption')を,明言した。
 加えて,FCCは,新たな「透明性」(='Transparency')の規則を導入した。
 そして,FCCは,FCC Open Internet Order 2015によって導入された,前述した3つのオープン・インターネット規則,及び,従前の「消費者又はエッジ・プロバイダーに対する非合理的な干渉の禁止又は非合理的な不利益の禁止」(='No Unreasonable Interference or Unreasonable Disadvantage to Consumers or Edge Providers')を含み得る「一般行為規則」(='General Conduct Rule(s)')を廃止した。
 FCCは,当該判断を制定する権能の制定法上の根拠を,47 U.S.C. §§ 154,201(b),257,及び303(r),特に47 U.S.C. § 257に求める。
 FCC Restoring Internet Freedom Order 2017は,所謂「インターネットの死」をもたらすものであるとして,その実体的内容及びその策定に至る手続的過程を含めて,所謂「中立性規制」の賛成論者から激しく批判された。そして,それは,彼らと所謂「中立性規制」の反対論者との間に,激しい議論を提起してきた。
 本稿は,FCC Restoring Internet Freedom Order 2017に関連して,それに対する解説を行い,そして,本判断及び所謂「中立性規制」の賛成論者並びに反対論者の多岐に渡る「考え」を適切に代表する「原典」とも云うべき,以下の文書の邦訳を記載するものである。すなわち,
・2017年12月14日の本判断の採択に際して,FCCによって公表された報道発表である「FCCは,インターネットの自由を回復する目的で行動する; (1934年連邦通信法)第II篇の枠組みを覆し,消費者を保護し,投資,革新,及び競争に拍車をかける目的で,「透明性」(='Transparency')を増大させる」,
・本判断の採択に先行する,2017年12月11日付で,インターネットの開拓者及び主導者が,(連邦議会の)上院及び下院の幹部構成員に,「ネットワークの中立性」(='network neutrality')の保護を廃止するその投票/票決を中止することをFCCに求める目的で送付したメールである「インターネットの開拓者及び主導者がFCCに告げる: あなたは,如何にインターネットが機能するかを理解していない; インターネットの創造者及び主導的な人/第一人者が,「ネットワークの中立性」(='network neutrality')の保護を廃止するその投票/票決を中止することをFCCに求める」,
・本判断による「2015年のオープン・インターネット命令」(='FCC Open Internet Order 2015')の廃止の決定を受けて,2017年12月21日,中立性規制の支持者であるFCCのClyburn委員の執務室によって,当該考えの共有者に対する啓蒙及び中立性規制の復活に向けての行動のために準備された「「ネットワークの中立性」(='network neutrality')に何が次に起きるか?」,並びに
・2017年12月14日の本判断の採択に伴なって,FCC及びFTCによって,締結され,同日に公表された「了解の覚書」(='Memorandum of Understanding'/以下「MOU」)である「インターネット自由回復 FCC-FTC間の了解の覚書」。


[翻訳・編集等]

(1)

研究代表者名:松宮広和

報告書:科研研究題目:「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)(平成30年度)(JSPS科研費 15KK0109)実施状況報告書(研究実施状況報告書)単独(研究は,共同研究)

報告年月日(西暦):2019年5月

研究支援者:独立行政法人日本学術振興会

研究期間:平成28(2016)年4月-

概要:上記の科研研究に,研究代表者として従事している。本研究は,基研究である「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成24年度-28年度)(JSPS科研費 JP24530056)を格段に発展させ,優れた研究成果をあげることを目的とする。当該基研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。
 本研究は,当該基研究との関連で,特に,(1) 電磁波のスペクトル利用の更なる拡大のあり方,(2) 上位レイヤーにおける規制のあり方,並びに,(3) ICT領域の規制当局であるFCC及びその規制のあり方を中心に,在外研究によって,外国の研究機関に在籍する研究者と共同して研究を行うものである。
 平成30(2018)年度は,当該研究題目に関連する研究に従事し,前年度から継続して,米国に渡米して,The University of California, Berkeleyに「客員研究員」(='Visiting Scholar')として在籍して,在外研究を行ってきた。
 本報告書は,これらの研究の実施状況について記載したものである。


[研究活動 その他]

(1)

研究代表者名:松宮広和

科研研究題目:「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)(平成28年度-令和元年度)(JSPS科研費 15KK0109)

共同

研究支援者:独立行政法人日本学術振興会

研究期間:平成28(2016)年4月-

概要:上記の科研研究に,研究代表者として従事している。本研究は,基研究である「持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究」(基盤研究(C))(平成24年度-28年度)(JSPS科研費 JP24530056)を格段に発展させ,優れた研究成果をあげることを目的とする。当該基研究は,持続的な経済成長の促進を可能とするICT利活用のあり方に関する総合的研究を行うことをその目的とする。具体的には,過去約20年間 ICTの利活用で比類無い成功を収めてきた米国を参考に,(1) 通信インフラストラクチャーの更なる整備・更新,(2) アプリケーション層における競争環境の整備,(3) クラウド化及びスマート・グリッド,並びに(4) 公共サービスに関連するICTの利活用,の4つを中心的課題として,前記の目的に貢献し得る成果の獲得を目指す。本研究は,現在の我が国の最大の政策的課題(の1つ)である持続可能な経済成長の実現に,ICTが果たし得る役割についての有用な示唆を提供し得る点に,その意義を有する。
 本研究は,当該基研究との関連で,特に,(1) 電磁波のスペクトル利用の更なる拡大のあり方,(2) 上位レイヤーにおける規制のあり方,並びに,(3) ICT領域の規制当局であるFCC及びその規制のあり方,を中心に,在外研究によって,外国の研究機関に在籍する研究者と共同して研究を行うものである。
 平成30(2018)年度は,前年度から継続して,米国に渡米して,The University of California, BerkeleyにVisiting Scholar (客員研究員)として在籍して在外研究を行うことを含めて,当該研究を継続してきた。

山内春光(社会倫理研究室)

[学術論文]

著者名:山内春光

題名:「西枕」再考—漱石『こころ』と古典落語『死神』・『品川心中』—

発行年月日(西暦):2019年3月1日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:26

頁:113-126

概要:「倫理思想研究と社会情報学−漱石『こころ』・三人の自殺を事例として−」(山内,1999)及び「Kはなぜ死んだのか−漱石『こころ』再論−」(山内,2004)の続篇である。『こころ』においてKはなぜ自殺したのか,その当夜隣室にいた先生はなぜ「西枕」に床をとったのかを,古典落語『死神』・『品川心中』との関連という新たな視点から考察した。先生の「西枕」は,Kを遠ざけようとする意味で『死神』の主人公のふるまいに通じるものがあるが,その西の方角が「極楽浄土」というKの生家の宗旨に直結することは,先生には意識されていなかったであろうことを論じた。