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社会情報学研究センター

研究活動の要旨(2008年度)

情報行動学科

歴史情報論研究室

[学会機関誌等への投稿]

著者名:落合延孝

題名:佐藤杢平「一代記」の史料紹介

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月

掲載誌名:『群馬大学社会情報学部研究論集』第15巻

頁:363〜384

概要:上野国群馬郡村上村(群馬県渋川市)の村役人として幕末から明治維新の激動期を生きた佐藤杢平経廣の「一代記」と「訓戒録」を翻刻した。


著者名:落合延孝

題名:随想 史料との出会い

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年7月

掲載誌名:『群馬文化』295号

頁:1〜2

概要:群馬の地域史料との出会いと史料を読みながらどのような研究テーマを見つけてきたかを述べた。


[ラジオでの講演]

講演者名:落合延孝

題名:ふるさと歴史コーナー

放送年月日:2007年10月〜2008年9月の毎月第1水曜日

放送局名:NHK 前橋放送局

概要:宮崎俊弥『群馬県農業史上』を読む(2007年10月〜11月),高橋敏『国定忠治を男にした女侠―菊池徳の一生』を読む(12月),濱口富士雄『群馬の漢文碑』を読む(2008年1月),流行正月について(2月),上州人の気質と個性について(3月〜4月),毒婦高橋お伝(5月),『群馬新百科事典』を読む(6月),土屋政江『心のふるさとわが中里村』(上毛新聞社)を読む(7月),書画会の絵図を読む(9月)などの話題提供を行った。

外国文化第二研究室

[学会誌書評]

著者名:荒木詳二

題名:ハインリヒ・マン著 今井敦訳「ウンラート教授 ― あるいは暴君の末路」

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年7月10日

掲載誌名:世界文学

頁:120〜122

概要:この書評は「世界文学会」の依頼により執筆したものである。書評では,映画「嘆きの天使」の原作でもあるハインリヒ・マンの「ウンラート教授」の翻訳は待望久しかった翻訳であるとし,作者の本来の意図である政治風刺や社会風刺は映画ではなく小説の中でこそ味わえることを指摘し,本書の意義を強調した。またリズム感のある平易な訳文と詳細な訳者解説も本書の特徴であるとした。

舞台表象論研究室

[学会発表]

発表者名:末松美知子

題名:Appropriation of Shakespeare on Japanese Stage: Ninagawa and Deguchi

開催年月日:2008年7月16日

発表学会名:IFTR 2008(2008年国際演劇学会)

開催場所:中央大学(ソウル)

概要:日本の伝統芸能等の要素を取り入れたジャポニズムの上演のみが日本のシェイクスピアとして世界で認識されつつある現状に異議を唱えることを目的に,この発表では,代表的なシェイクスピア演出家である蜷川幸雄と出口典雄による過去30年間の作品をインターカルチュラルな手法の違いを中心に比較し,多様なシェイクスピアが混在する日本の上演状況を報告した。

日本文化研究室

[講演]

講演者名:高山利弘

講演題目:『源平闘諍録』の世界

発表年月日:平成20年5月17日

講演会名:放送大学群馬学習センター土曜フォーラム

概要:『平家物語』の一異本である『源平闘諍録』は,源頼朝の動向および頼朝を支えた千葉氏一族の由来などに焦点が当てられた特異なテキストであり,東国圏で成立したと考えられている。また,千葉氏が,平将門を起源とする妙見菩薩を信仰していることにも言及されており,そこから旧群馬町の妙見寺との接点を見ることもできる。群馬との関わりを視野に入れて,この作品の特徴について論じた。

社会倫理研究室

[学術論文]

著者名:山内春光

題名:古事記神話における「見畏み」と「恥」

単著・共著の別:単著

発行年月:2007年12月

掲載誌名:アジア・アフリカ研究(スロベニア・リュブリャーナ大学文学部発行)

巻号数:第11巻第3号

頁:137〜146

概要:古事記神話における「見畏み」と「恥」の関係について,イザナキとイザナミ,ニニギとサクヤビメ・イハナガヒメ,ホヲリとトヨタマビメの3つの神話の用例に即して考察した。人々の意識を「内部」・「外部」という概念によって説明する佐藤正英の学説を援用し,「見畏み」は自己が他物を醜い劣りとして外部化し自らは内部に逃げこもうとするときに発生し,そこで劣等視され外部化される側に「恥」の感覚が生ずることを論じた。


[学会等での発表]

発表者名:山内春光

題名:神戸事件・宮崎事件の「自分」〜「大和魂」

開催年月日:2007年10月13日

発表学会名:国際行動学会第4回大会・シンポジウム「国際化社会に向けた教育」

開催場所:立命館大学びわこ・くさつキャンパス

概要:神戸連続児童殺傷事件(1997年)と連続幼女誘拐殺人事件(1988〜89年)の犯人AとMの犯行の根底には,「自分が自分でいられない」と思い続ける長い時間があったと思われる。とすれば「自分が自分でいられる」ことを可能にする教育が可能であったなら,二人の犯行は防げていたかもしれない。それを可能にする日本人としての教育への手がかりとして,折口信夫の説く「大和魂」の考え方を提示した。

理論社会学研究室

[学術論文]

著者名:伊藤賢一

題名:G. Ritzerにおける合理性の問題 ― マクドナルド化理論の外延と内包 ―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月31日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:15

頁:13〜23

概要:マクドナルド化理論を提唱したG.Ritzerは,WeberとMannheimの合理性概念を基礎にして自らの理論を構築したと述べている。マクドナルド化とは,Weberが描いた西洋近代の合理化プロセスの現代的な形態であるとされるが,その意味しているところは必ずしも明瞭ではない。本論文は,RitzerがWeberとMannheimの合理性概念をどのように受容しているのかという点に注目することで,この理論が意味するものを明確化することを目指すものである。


[学会発表]

発表者名:伊藤賢一

題名:消費社会論の存立構造 ― Ritzer再魔術化論をめぐる考察 ―

開催年月日:2008年6月28日

発表学会名:第48回日本社会学史学会大会

開催場所:鹿児島国際大学

概要:G.Ritzerによる再魔術化(Re-enchantment)論は,なぜ人々が合理化されたサービス形態に非合理的な魅力(魔術)を感じるのか,という問題を扱っており,一種の消費社会論になっている。この報告は,Ritzerの議論から学ぶべき論点をすくい上げる際に問題となる箇所を指摘し,同時に,消費社会論を論じる際の基準の問題について論じるものである。


[調査報告書(分担執筆)]

執筆者名:伊藤賢一

題名:県民世論調査による県民意識の把握と分析

単著・共著の別:共著

共著者名:赤石知子,石垣光広,岩下省吾,小渕紀久男,森谷健

発行所名:上毛新聞社・群馬大学社会情報学部

発行年月日:2008年3月31日

分担執筆の頁:6〜9,18〜21

概要:上毛新聞と共同で行った県民世論調査の報告書。「暮らし向き」「生活の豊かさ」「格差社会の背景」を担当した。


執筆者名:伊藤賢一

題名:青少年が利用する学校非公式サイトに関する調査報告書

単著・共著の別:共著

共著者名:阿部圭一,下田博次,三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

発行所名:三菱UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社,文部科学省

発行年月日:2008年3月

URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index48.htm(文部科学省)

概要:インターネット上に開設されている公開型学校非公式サイトの利用実態や書き込み内容等についての全体像の把握を目的に,文部科学省よりの委託を受け,三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社にて調査が行われた。調査に際して組織された「有識者による協力者会議」に参加したものである。
報告書のうち,「第3章学校非公式サイトの利用実態に関する考察と今後の課題」の「2.アンケート調査考察」の項目を担当した。


[その他]

執筆者名:伊藤賢一

題名:値上げや“増税”反映

単著・共著の別:単著

掲載紙名:上毛新聞

掲載年月日:2008年1月3日

概要:前年11月に行われた県民世論調査の結果に対して論評したもの。今回調査では生活が「苦しくなった」と答えた対象者が有意に増えており,減税の廃止や年金保険料の引き上げ,各種日用品の値上げといった要因が県民の生活実感に反映された可能性を指摘した。


執筆者名:伊藤賢一

題名:視点オピニオン21

単著・共著の別:単著

掲載紙名:上毛新聞

掲載年月日:2007年12月12日,2008年2月10日,4月2日,6月1日,7月27日,9月15日

概要:上毛新聞に毎日掲載される「視点オピニオン21」の委員として,およそ2カ月に1回の割合で文章を執筆した。各回のタイトルは以下の通り。「難しくなる社会調査 ― データは貴重な財産」「ネットの落とし穴 ― 共通の関心失わせる」「アンケート結果 ― 信頼性の鍵は調査方法」「スーパーのレジ袋 ― 有料化に踏み切っては」「役に立つ教育 ― 社会が余裕なくす?」「指導 ― 成長を実感させたい」


[その他(講演)]

講師名:伊藤賢一

題名:近代市民社会とは何か ― もっと近代化遺産の宝庫桐生を知ろう

主催者:生涯学習桐生市民の会

日時:2008年7月2日

場所:桐生市市民文化会館

概要:「生涯学習桐生市民の会」の活動の一環としての講演会。桐生市は「近代化遺産の宝庫」とされるが,「近代化とはなにか」「近代社会とは何か」と改めて問われると多くの市民はうまく答えられないので,近代社会とはどのような社会なのか学問的に話してくれ,との要請を受けて行ったもの。

公共政策研究室

[学会活動]

開催年月日:2008年9月20日

概要:日本計画行政学会第31回全国大会セッションⅤ 第4会場において座長を行った。


[講演]

講演者名:小竹裕人

題名:「協働によるまちづくりのために〜手をつなぎ共に創るまち〜」

開催年月日:2008年4月22日

主催者:桐生青年会議所

開催場所:桐生グランドホテル

概要:桐生JC(青年会議所)においてJC が地域で協働をすすめるための考え方・方向性について講演したもの。


講演者名:小竹裕人

題名:NPO協働提案パイロット事業報告会講演

開催年月日:2008年5月9日

主催者:群馬県NPOボランティア課

開催場所:群馬県庁

概要:協働提案パイロット事業において県とNPOの協働の必要性とその効果について講演した。


[コーディネータ]

題名:前橋市長選挙立候補予定者公開討論会

開催年月日:2008年2月6日

主催者:前橋青年会議所

概要:前橋市長選挙立候補予定者の3名が参加する公開討論会において,討論会をコーディネートした。なおその内容はGTVにおいて生放送された。


題名:群馬NPO協議会シンポジウムコーディネータ

開催年月日:2008年6月21日

主催者:群馬NPO協議会

概要:群馬NPO協議会総会において,中之条町長,沼田町長と,協働の先進事例についてシンポジウムを行い,そのコーディネートを行ったもの。


題名:伊勢崎市21市民会議「インターネットを活用した情報交換システム」

開催年月日:2008年

主催者:伊勢崎市市民部市民課

概要:伊勢崎市21市民会議においてコーディネータとして参加し市民参加型政策立案の実践を行った。


[委員会]

題名:群馬県「公共施設のあり方検討委員会」副会長

開催年:2008年

主催者:群馬県総務課

概要:群馬県知事公舎,県立天文台,館林美術館などを対象にその存続の是非・運営方法などについて検討する委員会。副会長として参加し,公共サービスのあり方という観点から意見した。


題名:群馬県協働推進会議アドバイザー

開催年:2008年度

主催者:群馬県NPOボランティア課

概要:群馬県庁内で協働をすすめるために部局長を集め行われている会議にアドバイザーとして参加し意見した。


題名:群馬テレビ「放送番組審議会」会長

開催年:2008年

主催者:群馬テレビ

概要:群馬テレビの放送される番組の内容や方法について審議する委員会の会長を務めている。地上デジタル放送が開始されるなど過渡期にあり,群馬県と地域メディアの有効利用の観点からも意見している。

意思決定支援研究室

[学術論文]

発表者名:岩井淳

題名:エージェントベースの社会的選択過程モデルの検討

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月1日

掲載誌名:『エージェントベースの社会システム論を目指してⅡ』(21世紀COEプログラムエージェントベース社会システムの創出「社会システムグループ」中間報告書Ⅱ)

頁:81〜97

概要:本論では,社会的選択過程としての討議過程を対象にエージェントベースのモデル構築の可能性を検討した。社会的選択過程のうち投票などの最終的な決定過程には数理的なモデルが多く提出されてきているが,決定過程に至る以前の討議過程には数理的なモデル構築はあまり試みられてきていない。本論は,後者を含めた社会的選択過程のモデル構築の実現可能性を試論として検討するものである。具体的には,特に会議における討議により集団意思決定を行う場合の過程に着目し,シミュレーションプログラムとしてそのモデル構築を行なった。


[学会発表]

発表者名:岩井淳

題名:匿名性保証のための質問票構造の動的変更

開催年月日:2008年3月15日

発表学会名:情報処理学会第70回全国大会

開催場所:筑波大学

概要:社会調査において調査対象者の負担の軽減は重要な問題である。本研究では,無記名の調査でも結果的に調査対象者の匿名性が守られない場合がある問題を回避できるRDBを中心とした調査用システムを設計し,プロトタイプを試作した。利用場面として想定するのは大学組織や企業組織など小規模組織で行う社会調査である。ソフトウェアとしての構築だけでなく,人間組織によるその運用プロセスの問題を含めてシステムの実装上の問題を整理した。


発表者名:岩井淳,正木弘,吉崎陽介

題名:批判的評価と秩序ある議論の両立を考慮した文献評価システムの設計

開催年月日:2008年9月14日

発表学会名:2008年日本社会情報学会JASI & JSIS 合同研究大会

開催場所:東京大学

概要:本研究では,書評など批判的評価を含む必要のある領域での利用を念頭に,批判的評価の発信支援とともに自律的な秩序維持の支援も行うシステム設計を提案した。特に個人的集団的な書籍決定に役立つ文献評価システムの設計を題材として,提案内容を説明した。

言語コミュニケーション研究室

[学会発表]

発表者名:井門亮

題名:アドホック概念形成の観点から見た接尾辞-ishと-like

開催年月日:2007年12月8日

発表学会名:日本語用論学会第10回大会

開催場所:関西外国語大学

概要:本発表では,接尾辞-ishと-likeについて,関連性理論におけるアドホック概念形成の観点から,これらの接尾辞が基体に付加されることによって,記号化された語彙概念の解釈にどのような影響を与えるのか分析を行い,接尾辞が手続き的意味を有する可能性とその分析の妥当性について検討した。


[予稿集]

著者名:井門亮

題名:アドホック概念形成の観点から見た接尾辞-ishと-like(Ad hoc concepts and English suffixes -ish and -like)

単著・共著の別:単著

発行年月日:2007年12月8日

掲載誌名:日本語用論学会第10回大会予稿集

頁:21,96

概要:同題目で,日本語用論学会第10回大会で発表した内容の概要などを掲載。

情報科学研究室

[学術論文]

著者名:柿本敏克,細野文雄

題名:状況の現実感尺度の因子構造について

単著・共著の別:共著

発行年月日:2008年3月31日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:15

頁:41〜51

概要:柿本(2005)に続いて状況の現実感を測定するために作成された,状況の現実感尺度(柿本,2004)の因子構造の検討を,仮想世界ゲーム場面を用いた4つのデータに基づいて行なった。データごとに多少のずれはみられたが,全体として,想定された3つの下位尺度項目に対応した因子構造がおおむね観測されたということができる。従来版の仮想世界ゲームデータ3つ分を統合した上で3因子解を採用すると,このことはよりいっそう明確になった。ただし,個別データの因子分析では一回性尺度に対応する項目は2つの因子に分かれることもあり,また個別の項目がデータによっては一部別の因子に大きな負荷量を示すこともみられた。一回性尺度項目については柿本(2005)でも問題が指摘されており,今後も注意深く検討する必要がある。今後,検討する場面・領域を拡大してさらにデータを収集し,検討を続ける必要があるだろう。

担当部分:43〜44


[学会発表]

発表者名:柿本敏克,細野文雄

題名:状況の現実感尺度の因子構造の検討

開催年月日:2008年6月14〜15日

発表学会名:日本グループ・ダイナミックス学会第55回大会

開催場所:広島大学

概要:状況の現実感尺度(柿本,2004)の因子構造の検討を行なった。仮想世界ゲームおよびその電子版を検討場面として取り上げ,そこから得られた4つのデータセットに対して因子分析を行った。データセットごとの個別の分析の後,さらに共通性の高い従来型ゲーム場面からのデータセット3つ分を統合して因子分析を行った。予想通り,概ね3因子構造が観察された。

情報社会科学科

会計学研究室

[著書]

著者名:中島照雄

書名:社会科学の新展開 ― 支出に見合う価値の創造 ―(文化会計学会研究叢書第3号)・第7章 労働/創造/行動科学

単著・共著の別:共著

発行年月日:2008年4月10日

発行所名:富嶽出版

頁:265

概要:構成は,全4部・全16章である。
担当は,第2部学際的研究領域への挑戦・第7章 労働/創造/行動科学
現在,多くの企業ではマネー(資金)集めはもはや大きな課題ではない。むしろ優れた人材の獲得や育成が大きな課題になっている。こうした現況を鑑みながら,労働/創造/行動科学についての考察を試みる。そこで,特に人の知識や能力と関連していることから人的資産に注目する。人的資産と訓練・教育の関係を考える人的資産会計や,組織と意思決定(行動科学的アプローチ)の確立などを明らかにしている。

担当部分:105〜120

編者:木下照嶽・江川雅司・郡司健・鈴木好和


[学術論文]

著者名:中島照雄

題名:持続可能な会社に向けてインタンジブル・アセットの一考察―人的資産と行動科学―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月31日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第15巻

頁:25〜39

概要:インタンジブルの価値を作り出すのは,人である。そのため,企業があり続けるには,その企業にふさわしい優れた人材を絶えず吸い寄せることや,企業内部で優れた人材を育成しなければならない。そこで,インタンジブル・アセットの源泉と創造などを考慮しながら,人的資産の創造デザインについて明らかにする。

経営学研究室

[著書]

著者名:寺石雅英

書名:旅館ホテルの経営戦略と経営管理

単著・共著の別:共著

発行年月日:2008年3月31日

発行所名:経済産業省

概要:従来からのわが国の旅館・ホテル経営に関する経営書は,欧米のホテル経営を対象としたものか,旅館で慣習的に行われてきた経営技術を取りまとめたもののいずれかであったため,旅館・ホテルの経営者がわが国の経営環境を踏まえた新たなビジネスモデルを構築するにあたって必要な経営能力を体系的に学ぶことが難しかった。そこで本書では,既存の経営学の体系をベースとしながら,旅館・ホテルの経営者にとっての必要度・重要度に応じて各項目の強弱をつけ,さらに宿泊業独自の項目を付加することによってフレームワークを構築した。


[学会発表]

発表者名:寺石雅英

題名:地域再生プロジェクトにおけるエクイティ・スキームの活用法 ― 地域再生が直面する“The Valley of Death”を克服するために ―

発表年月日:2008年9月14日

学会名:日本中小企業学会第28回全国大会(統一論題報告)

開催場所:北海道大学

概要:「魅力的かつ有望な構想やプランが出来上がっているにもかかわらず,それが有効な地域再生には結びつかない」という,地域再生プロジェクトの計画・検討段階と本格的な実行段階の間に横たわる深刻なギャップを地域再生版の“The Valley of Death”と位置付け,それがどのような要因によって生み出されているのかを明らかにするとともに,これらの要因を克服するための現実的な解決策として持株会社システムを活用した地域再生スキームの導入を提案した。


[講演]

講演者名:寺石雅英

題名:まちづくり計画の骨格と持続的運営方法〜“八ッ場ダイエットバレー”プロジェクト〜

開催年月日:2007年10月3日

講演会名:第3回八ッ場湖周辺まちづくり講演会

開催場所:長野原山村開発センター

概要:八ッ場湖周辺地域の街づくり計画の基本コンセプトとして「Yamba Diet Valley 構想」を提案し,“心と身体のダイエットを実現する魔法の谷”としての圧倒的なブランド力を確立するために,地域内外のさまざまな観光資源や事業エネルギーをこのコンセプトの下に融合させるべきことを主張した。


講演者名:寺石雅英

題名:5地区を牽引する川原湯再生プロジェクト

開催年月日:2007年10月8日

講演会名:第3回川原湯まちづくり講演会

開催場所:川原湯相談センター

概要:5日前の「八ッ場湖周辺まちづくり講演会」で提案した「Yamba Diet Valley 構想」の概要説明を行うとともに,その構想のもとで5地区がどのような連携体制を構築すべきか,そして川原湯地区がいかなる役割を担えばいいのかを明らかにした。


講演者名:寺石雅英

題名:宿泊単価アップ ― その重要性と実現に向けて ―

開催年月日:2007年10月29日

講演会名:JTB 旅ホ連長野支部宿泊増売連絡会議

開催場所:ホテル翔峰(松本美ヶ原温泉)

概要:「客単価を10%上昇させることができれば,客数が20%減少しても利益は増加する」との共通認識を持った上で,価格アップの具体的手法にはどのようなものがありうるのかを考察した。


講演者名:寺石雅英

題名:生活者ニーズが勝ちパターンを変えた

開催年月日:2007年11月15日

講演会名:中小企業金融公庫中小企業懇話会

開催場所:マーキュリーホテル

概要:あらゆる商品やサービスがエンタテインメント化してきたため,日本企業の従来の勝ちパターンであった「理詰めの計画思考」が通用しなくなりつつある。こうした時代の流れの中で必要とされる新たな経営思考として,「数打ちゃ当たる型思考」「実験的経営思考」「勝率52%思考」を紹介した。


講演者名:寺石雅英

題名:八ッ場は世界初を目指すのか?目指さないのか?〜Yamba Diet Valleyの具体的構想イメージ〜

開催年月日:2007年12月3日

講演会名:第4回八ッ場湖周辺まちづくり講演会

開催場所:長野原山村開発センター

概要:「Yamba Diet Valley 構想」を実現していくにあたっての,地区ごとの計画イメージや推進組織のあり方について説明した。


講演者名:寺石雅英

題名:八ッ場湖周辺まちづくり講演会〜総集編〜

開催年月日:2008年2月6日

講演会名:第5回八ッ場湖周辺まちづくり講演会

開催場所:川原湯相談センター

概要:八ッ場ダム建設予定地域で1年にわたって行ってきた街づくり講演会の総集編として,「この地域が今何をすべきなのか,そしてそれはなぜなのか」を,今まで一度も講演会に参加しなかった人々にも理解できるように解説した。


講演者名:寺石雅英

題名:街づくりに必要な女性の力

開催年月日:2008年2月26日

講演会名:チア! ビジネスウーマン 2007 in 群馬

開催場所:前橋商工会議所

概要:全国至る所で繰り広げられている地域振興プロジェクトの失敗例を検証しながら,街づくりの成功に不可欠な3つの発想転換について学ぶとともに,この発想転換への対応に適性を有しているのが,男性ではなく女性であることを明らかにした。


講演者名:寺石雅英

題名:「勝ちパターン」は時代とともに進化するⅡ〜デザイン機能を核とした経営再構築のすすめ〜

開催年月日:2008年3月4日

講演会名:デザインビズ・セミナー

開催場所:栃木県南地域地場産業振興センター

概要:企業を取り巻く環境の急速な変化の中で,「数打ちゃ当たる型思考」「実験的経営思考」「勝率52%思考」「リアルオプション思考」等の新たな経営思考が必要になってきたことを明らかにするとともに,それぞれにおいてデザイン機能が果たす重要な役割について説明した。


講演者名:寺石雅英

題名:宿泊単価アップのための具体的取り組み

開催年月日:2008年3月13日

講演会名:JTB 旅ホ連石川支部宿泊増売連絡会議

開催場所:金沢都ホテル

概要:「客単価を10%上昇させることができれば,客数が20%減少しても利益は増加する」との共通認識を持った上で,価格アップの具体的手法にはどのようなものがありうるのかを考察した。


講演者名:寺石雅英

題名:宿泊単価アップの重要性とその実現に向けて(PART Ⅱ)

開催年月日:2008年3月21日

講演会名:JTB 旅ホ連山形支部宿泊増売会議

開催場所:メトロポリタンホテル山形

概要:カスタマイゼーション,バンドリング,バリューマップ,ポケットプライス,プロスペクト理論等の概念を用いて,旅館・ホテルがどのような具体的手法で宿泊単価アップを実現すれば良いのかについてわかりやすく解説した。


講演者名:寺石雅英

題名:宿泊単価アップの必要性とその方法

開催年月日:2008年5月29日

講演会名:JTB 旅ホ連島根支部宿泊増売会議

開催場所:玉造温泉ゆうゆ大ホール

概要:疲弊した旅館・ホテルが経営改善を進めるためには,まず何から手を付ければ良いのかを,ある宿泊業者の財務構造を用いたシミュレーションによって明らかにするとともに,具体的なプライシング手法を紹介した。


講演者名:寺石雅英

題名:実験的経営思考による宿泊単価アップのすすめ

開催年月日:2008年7月13日

講演会名:JTB 旅ホ連群馬・新潟合同宿泊増売会議

開催場所:福一(伊香保温泉)

概要:疲弊した旅館・ホテルが経営改善を進めるためには,まず何から手を付ければ良いのかを,ある宿泊業者の財務構造を用いたシミュレーションによって明らかにするとともに,実験的経営思考に基づく具体的な単価アップ手法を紹介した。


講演者名:寺石雅英

題名:起業教育について

開催年月日:2008年8月1日

講演会名:茨城県産業教育研修講座(商業)

開催場所:茨城県教育研修センター

概要:商業高校の教員を対象に,なぜ商業高校に起業教育が必要なのか,そこで期待される起業教育内容がいかなるものなのかについて明らかにした。


講演者名:寺石雅英

題名:宿泊単価アップセミナー

開催年月日:2008年9月9日

講演会名:JTB 旅ホ連沖縄支部宿泊増売連絡会議

開催場所:ザ・ナハテラス(那覇)

概要:疲弊した旅館・ホテルが経営改善を進めるためには,まず何から手を付ければ良いのかを,ある宿泊業者の財務構造を用いたシミュレーションによって明らかにするとともに,具体的なプライシング手法を紹介した。


講演者名:寺石雅英

題名:営業・交渉テクニックのスキルアップ(理論編)

開催年月日:2008年9月10日

講演会名:高崎青年経営者協議会定例勉強会

開催場所:高崎市役所

概要:交渉スキルには,「どのようなロジックや条件提示方法を用いるか」という実質面のスキルから,「場の雰囲気作りや交渉者の語調・目線・態度」といった形式面のスキルに至るまでさまざまなものが存在するが,このうち前者に関して詳細に解説した。

環境科学研究室

[査読付き原著学術論文]

著者名:Shin-Ichi ISHIKAWA, Mika IMAEDA, Jun NAKAJIMA

題名:Relationship between light environment and distribution of an alien winter-annual plant, Orychophragmus violaceus. - a model case for investigating the ecology of alien plants belonging to genus Cruciferae -

単著・共著の別:共著

発行年月日:2007年10月

掲載誌名:Field Biologist 16(2)

頁:35〜41

概要:Relationship between light environment and distribution of an alien winter-annual plant, Orychophragmus violaceus, was investigated by a two-year field research and an experiment. The field research revealed that this alien species distributes mainly at sites with relative light intensity higher than 10%. The main result of the artificial shading experiment is that the relative light intensity of 3% causes high mortality (74.3%) of seedlings. These results suggest that distribution of this alien species is restricted to the lighter environment because of the high mortality of seedlings under dark environment.


[著書]

著者名:宮崎俊弥他・編,石川真一他・著

題名:群馬新百科事典

単著・共著の別:共著

発行年月日:2008年3月20日

発行元:上毛新聞社

概要:上毛新聞社が1979年に発行した「群馬県百科事典」を,創立120周年記念に全面改訂したもの。歴史,宗教,教育,社会,文化・芸術,経済・産業,政治・時事,生物,地理,地学,スポーツの各項目についてまとめた。この中で,「草津白根山(植物)」,「里山(植物)」,「種の保存法」,「生物多様性条約」,「ニセアカシア」の5項目を担当した。


[報告書]

著者名:鈴木伸一・大森威宏・増田和明他3名,監修:石川真一

題名:里山地域・榛名山西部・3.植物

単著・共著の別:共著

発行年月日:2008年3月

報告書名:群馬県自然環境課「良好な自然環境を有する地域学術調査報告書(ⅩⅩⅩⅢ)」

頁:8〜26

概要:2005―2007年度に行われた群馬県自然環境調査研究会による学術調査(群馬県自然環境課よりの委託事業。石川は調査員および報告書編集・監修役として参加)の全体報告書。群馬県榛名山西部地域(自然保護上の事由により正確な地名は非公開とされている)において,植物相,植生の調査を行い,9タイプの植生および113科768種(雑種・変種を含めると813種)のシダ・種子植物の生育を確認した。また当地域において,多数の絶滅危惧植物・希少種の生育も確認した。この報告により,当該地域が人間による伝統的な山間地農法によって,非常に高い生物多様性を長年維持していることを明らかにした。
 今後,群馬県の自然環境保護政策の策定・実施の基礎資料となる。


[学会等での口頭発表]

発表者名:石川真一,増田和明,大森威宏(共同発表)

題名:群馬県内の里山で新たに確認されたヒメアマナ群生地における鱗茎サイズと開花数の関係

発表年月日:2008年3月15日

学会名:第55回日本生態学会大会

開催場所:福岡国際会議場(福岡市)

概要:2007年春,群馬県内の里山(保護上の理由により,地名を秘匿する)において,ヒメアマナ(絶滅危惧ⅠB類)の群生地が新たに確認された。ヒメアマナは典型的なスプリング・エフェメラルで,地上部生育期間は非常に短い。当調査地においては4月末―5月初旬の短期間に,開花個体・非開花個体数の調査を行うことができた。その結果,ヒメアマナは小さな渓流沿いから比高約1mほど上がったテラス状のコナラ植林地の林床にのみ生育し,幅約10m×長さ約200mほどの調査地内に推定開花個体6000,推定非開花個体7万,合計7.6万個体からなる巨大個体群が成立していることが判明した。このうち27個体を丁寧に堀り上げて,鱗茎サイズ(長径と短径)および開花数を測定した後,植え戻した。鱗茎サイズインデックス(鱗茎の長径と短径の積)を指標としてその開花数との関係を見たところ,25o2(長径で6.5o)付近を限界サイズとして,インデックスと開花数の間に強い正の相関があることが確認された。またこの限界サイズ以下の個体では開花は見られず,開花個体においては,結実は確認できなかった。ヒメアマナは娘鱗茎を生産して無性繁殖を行うが,鱗茎サイズインデックスと娘鱗茎数の間には有意な相関関係は見られなかった。ただし,インデックス9o2(長径で5o)以下の個体では,娘鱗茎の生産は見られなかった。以上より当調査地において,ヒメアマナは主として栄養繁殖により個体群を維持・拡大している可能性が示唆された。当調査地では盛んにコナラの植林が行われ,また渓流をコンクリート側溝で整備する工事が進んでいるため,早急な保全対策が不可欠である。


[社会的活動]

開催者名:国土交通省関東地方整備局

題名:渡良瀬川有識者会議会議,公聴会

開催年月日:2008年5月23日

開催場所:埼玉県大宮市

概要:利根川水系渡良瀬川河川整備計画の決定前に,河川法に基づいて開催された有識者会議。委員として当該計画に対する学術専門的意見を述べ,一部修正を実現した。議事録はすべて国土交通省のホームページ上で一般公開されている。


開催者名:石川真一

題名:教養教育合宿実習「群馬県本白根山の自然環境の成り立ちと保全」

開催年月日:2008年6月28日・29日

開催場所:群馬県草津町

概要:群馬大学学生を対象とし,草津白根山の自然環境資源としての重要性や,周辺地域の産業がいかに自然環境資源をうまく利用して成り立っているかを体験する実習。


開催者名:石川真一

題名:ビオトープ育成のための環境科学的調査研究と講習

開催年月日:2008年4月〜 月一回開催

開催場所:群馬県明和町

概要:(株)アドバンテスト群馬R&Dセンター(群馬県明和町)内に竣工したビオトープを育成する環境科学的調査研究を行い,これに基づいて講習を行った。(株)アドバンテストビオトープ基金により助成を受けた。


開催者名:石川真一(群馬県自然環境調査研究会)

題名:群馬県・良好な自然環境を有する地域学術調査

開催年月日:2008年3月〜9月(月3回程度)

開催場所:群馬県東吾妻町,中之条町,板倉町

概要:群馬県の委託事業である。群馬県東吾妻町,中之条町,板倉町における植物相・植生調査,種子採集,環境測定を担当した。


開催者名:石川真一

題名:自然観察教室「植物のからだのしくみ」

開催年月日:2008年9月23日

開催場所:群馬大学荒牧キャンパス(教養教育GA 棟)

概要:地域の小学生と親対象の教室で,植物の形態と分類および図鑑の使い方に関する講義と実習を行った。参加者18名。

行政学研究室

[学会発表]

報告者名:北村純

題名:中央省庁の文書管理−現状と課題−

開催年月日:2008年5月10日

学会名:日本行政学会(2008年度)

概要:〈分科会A 行政文書管理〉における報告。行政機関情報公開法制定(1999年)以来の中央省庁における文書管理の現状,および行政文書管理体制に関する改革的な諸提言・福田康夫政権のもとで浮上した文書管理法制定の動きを検討し,官民において記録管理(Records Management)システムやアーカイブズ(Archives)の役割への関心が高まるなか,行政文書管理体制に対する“改革の論理”が中央省庁の実務と円滑に結びあわない状況について考察した。
*2008年度日本行政学会総会・研究会要項(最終確定版)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaspa/2008programmeFinal.pdf

社会心理学研究室

[学術論文]

著者名:柿本敏克・細野文雄

題名:状況の現実感尺度の因子構造について

単著・共著の別:共著

発行年月日:平成20年3月

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:15

頁:41〜51

概要:状況の現実感尺度の因子構造の検討を,仮想世界ゲーム場面を用いた4つのデータに基づいて行なった。データごとに多少のずれはみられたが,全体として,想定された3つの下位尺度項目に対応した因子構造がおおむね観察された。従来版の仮想世界ゲームデータ3つ分を統合した上で3因子解を採用すると,このことはより明確になった。ただし,一回性尺度項目については課題が残った。


[その他報告書]

編者名:柿本敏克

題名:平成19年度群馬大学社会心理学セミナー報告

単著・共著の別:単著

発行年月日:平成20年3月

発行所名:群馬大学社会情報学部

総頁数:97

概要:平成19年度に社会情報学部主催で実施された合計4回の「群馬大学社会心理学セミナー」の講演録として作成された。外山みどり,村田光二,木下冨雄,広瀬幸雄の各先生の講演内容等が収録された。


[学会発表]

発表者名:柿本敏克・細野文雄

題名:状況の現実感尺度の因子構造の検討

開催年月日:平成20年6月14-15日

発表学会名:日本グループ・ダイナミックス学会第55回大会

開催場所:広島大学

概要:状況の現実感尺度(柿本,2004)の因子構造の検討を行なった。仮想世界ゲームおよびその電子版を検討場面として取り上げ,そこから得られた4つのデータセットに対して因子分析を行った。データセットごとの個別の分析の後,さらに共通性の高い従来型ゲーム場面からのデータセット3つ分を統合して因子分析を行った。予想通り,概ね3因子構造が観察された。


発表者名:柿本敏克

題名:仮想世界ゲーム電子版の状況の現実感

開催年月日:平成20年9月14-15日

発表学会名:日本応用心理学会第75回大会

開催場所:横浜国立大学

概要:仮想世界ゲームをコンピュータ上で実施できるよう改良した仮想世界ゲーム電子版を検証場面として取り上げ,状況の現実感尺度の妥当性を検討した。ゲーム実施条件(実際にゲームに参加した条件)と,シナリオ条件(ルールを学習しただけで実際にはゲームに参加していない条件)との間で尺度得点の比較を行なった。予想された条件間の差は明確には示されなかった。電子版を用いたことが原因と推測された。


[講演会企画進行]

実施責任者・司会・進行:柿本敏克

会合名:群馬大学社会心理学セミナー(第1回〜第4回)

主催者:群馬大学社会情報学部

開催年月日:平成19年5月23日,7月7日,10月31日,11月14日

概要:群馬大学荒牧キャンパスにおける教育機会の拡充と関連領域の研究の活性化を目的として,著名な4人の先生方をお招きした講演会を,社会情報学部主催で合計4回開催した。
外山みどり,村田光二,木下冨雄,広瀬幸雄の各先生にご講演いただいた。

経営管理研究室

[著書]

著者名:青山学院大学大学院国際マネジメント研究科編杉山学ほか113名

書名:MBA 国際マネジメント事典

単著・共著の別:共著

発行年月日:2007年10月10日

発行所名:中央経済社

総頁数:633

概要:「PERT(program evaluation and review technique)」に関する記述を担当。


著者名:(社)日本オペレーションズ・リサーチ学会編 杉山学ほか約300名

書名:OR 事典Wiki(創立50周年記念事業)

単著・共著の別:共著

発行年月日:2007年9月1日

発行所名:(社)日本オペレーションズ・リサーチ学会

概要:基礎編−AHP(Analytic Hierarchy Process)関連−AHP 重要度算出法,AHP 整合性

尺度,拡張型AHP を担当。
用語編−AHP(Analytic Hierarchy Process)関連−幾何平均法,固有ベクトル法,対数最小二乗法,CI ミニマム法,整合度,ランダム整合度,整合比,区間AHP, ファジィAHP, を担当。DEA(Data Envelopment Analysis)関連−DEA 加法モデル,DEA 乗法モデル,出力指向型モデル,乗数形式モデル,入力指向型モデル,比率形式モデル,領域限定法,コーン・レシオモデル,インバーテッドDEA, ウィンドー分析,を担当。
事例編−「グループAHP を用いた人事評価問題への適用」,「分析者の先験的な情報を用いた優先順位モデル」,「事業体間の相互評価情報を用いた調和的な効率性評価法」,「日本的経営の為のDEA 法:日本経済に果たす公共事業投資の役割」,を担当。
http://www.orsj.or.jp/?wiki/wiki/index.php/ インターネット上で公開中


[学術論文]

著者名:杉山学

題名:データ包絡分析法によるJR と大手私鉄の事業活動効率比較のための時系列業績データ基礎分析 ― 各種業績データに基づくJR旅客各社の推移 ―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月31日

掲載誌名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:15

頁:53〜70

概要:本研究は,国鉄の分割・民営化から今年で20年が経過し,本当にJRは国鉄時代の事業活動から,大手私鉄に匹敵する事業活動に改善されたかを,Inverted DEAを含めたDEAの諸手法を用いて実証的に検証,評価することが目的である。これにより,国鉄の分割・民営化に対する本来の目的が達成されたかを議論でき,一連の政策決定が妥当なものであったかを議論する上で,重要な資料を提示できると考える。第1報である本論文では,本格的な分析に入る前段階として,JRグループの現在までの経緯を踏まえた上で,鉄道事業者の事業活動に対する効率性評価の枠組みを改めて定義し,その中で使用される各種業績データに基づいてJR 旅客各社の推移についてまとめ,考察を行った。

情報法研究室

[学術論文]

著者名:松宮広和

題名:近時のアメリカ合衆国における電気通信事業者間の大型合併をめぐる議論について ― SBC Inc.とAT&T Corporationとの合併及びVerizon Communications Inc.とMCI, Inc.との合併を中心に ―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月31日

掲載紙名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第15巻

頁:71〜108

概要:近時の米国では,1984年の修正同意判決(MFJ)によって分割された,旧AT&T Corporation系の地域Bell電話会社(RBOC(s))を当事者とする,(1)SBC Inc.とAT&T Corporationとの合併,(2)Verizon Communications Inc.とMCI, Inc.との合併及び(3)AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併という3つの大型合併が,発生した。筆者は,本稿を含む3本の論説において,これらの大型合併に際して,競争当局であるDOJ と監督当局であるFCC が協調して合併審査を行った過程を明らかにした。本稿では,特にSBC Inc.とAT&T Corporationとの合併及びVerizon Communications Inc.とMCI,Inc.との合併を中心に考察を行った。また,筆者は,前記の過程において,特にFCC が,「ネットワークの中立性」の問題に代表される問題の解決を図るのと同時に,連邦通信法によって授権され得る最大限の範囲において,既存の公衆電話交換網(PSTN)及びそれによって実現される従来型の回線交換型の音声電話通信を前提とする規制的枠組みを,公共インターネット及びそれによって実現されるインターネット通信を前提とする規制的枠組みへと修正することを試みたこと,を明らかにした。更に,筆者は,これらの連邦政府の当局による判断に対する検討を通じて,公共インターネットのみならず,次世代のネットワーク(NGN(s))に代表される新たな通信ネットワークが,既存の公衆電話交換網(PSTN)に置換しつつある今日の状況における情報通信政策の現状と今後の課題について考察を行った。


著者名:松宮広和

題名:近時のアメリカ合衆国における電気通信事業者間の大型合併をめぐる議論について・再論 ― AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併を中心に ―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月31日

掲載紙名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第15巻

頁:109〜132

概要:近時の米国では,1984年の修正同意判決(MFJ)によって分割された,旧AT&T Corporation系の地域Bell電話会社(RBOC(s))を当事者とする,(1)SBC Inc.とAT&T Corporationとの合併,(2)Verizon Communications Inc.とMCI, Inc.との合併及び(3)AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併という3つの大型合併が,発生した。筆者は,本稿を含む3本の論説において,これらの大型合併に際して,競争当局であるDOJ と監督当局であるFCC が協調して合併審査を行った過程を明らかにした。本稿では,特にSBC Inc.とAT&T Corporationとの合併及びVerizon Communications Inc.とMCI, Inc.との合併に後続して発生したAT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併を中心に考察を行った。また,筆者は,前記の過程において,特にFCC が,「ネットワークの中立性」の問題に代表される問題の解決を図るのと同時に,連邦通信法によって授権され得る最大限の範囲において,既存の公衆電話交換網(PSTN)及びそれによって実現される従来型の回線交換型の音声電話通信を前提とする規制的枠組みを,公共インターネット及びそれによって実現されるインターネット通信を前提とする規制的枠組みへと修正することを試みたこと,を明らかにした。更に,筆者は,これらの連邦政府の当局による判断に対する検討を通じて,公共インターネットのみならず,次世代のネットワーク(NGN(s))に代表される新たな通信ネットワークが,既存の公衆電話交換網(PSTN)に置換しつつある今日の状況における情報通信政策の現状と今後の課題について考察を行った。


著者名:松宮広和

題名:AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併に際して誓約されたコミットメントについて

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月31日

掲載紙名:群馬大学社会情報学部研究論集

巻数:第15巻

頁:343-364

概要:近時の米国では,1984年の修正同意判決(MFJ)によって分割された,旧AT&T Corporation系の地域Bell電話会社(RBOC(s))を当事者とする,(1)SBC Inc.とAT&T Corporationとの合併,(2)Verizon Communications Inc.とMCI, Inc.との合併及び(3)AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併という3つの大型合併が,発生した。筆者は,本稿を含む3本の論説において,これらの大型合併に際して,競争当局であるDOJ と監督当局であるFCC が協調して合併審査を行った過程を明らかにした。本稿では,特にAT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併に際して,AT&T Inc.及びBellSouth CorporationによってFCC に対して誓約されたコミットメントに対する検討を行った。そこにおいて,筆者は,当該コミットメントについての解説を行い,特に,FCC が,当該コミットメントを,本件合併を承認するに際しての条件とすることによって,雇用対策及びブロードバンド・サービスへの接近可能性/アクセスビリティの促進等という,一般的な規制政策ではFCC が事業者に対して命令することが困難な事項についても実現することを可能とした点において,当該コミットメントが,当該合併審査において極めて重要な意義を有すること,を明らかにした。


著者名:松宮広和

題名:特許ライセンスにおける許諾数量制限の独禁法上の違法性

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年4月10日

掲載紙名:ジュリスト平成19年度重要判例解説

号数:臨時増刊4月10日号(1354号)

頁:283〜285

出版社名:有斐閣

概要:独占禁止法21条は,「この法律の規定は,著作権法,特許法,実用新案法,意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない。」と規定している。本稿では,平成19年度に発生した重要な判例の1つである,上下水道,電力,ガス及び通信等のサービスの提供を目的として使用される管路用の人孔鉄蓋(マンホール)の製造販売等に従事する事業者間で締結された特許ライセンス契約における最高数量制限条項が独禁法に違反し,公序良俗に反するものであり,無効であるか,という点が最も主たる争点として争われた,知財高裁平成18.7.20第3部判決(平成18年(ネ)第10015号損害賠償請求控訴事件)(判例集未登載)についての解説を行った。


[翻訳・編集等]

研究代表者名:松宮広和

報告書:平成18年度(財)電気通信普及財団助成研究題目「インターネットを経由するコンテンツ配信サービスの発展が既存の情報通信制度に与える影響に関する研究」(平成19年度)報告書

単著・共著の別:単著

報告年月日:2008年6月

研究支援者:(財)電気通信普及財団

概要:筆者は,(財)電気通信普及財団の支援を得て,平成19年度以降前記の研究に,研究代表者として従事してきた。主たる研究対象は,(1)インターネットを経由するコンテンツ配信サービスを提供する事業者に対する規制のあり方,及び(2)インターネットを経由するコンテンツ配信サービス及び既存の放送サービスに対する規制のあり方である。平成19年度の終了に際して,同年度に遂行した研究についての報告書を作成し,当該財団に提出した。当該研究活動の一部である本報告書は,同財団によって作成されるCD-ROMである「電気通信普及財団研究調査報告書No.23 2008」(ISSN 1346-0404)に収録されて,全国の幾つかの主要な図書館に収蔵されるほか,当該財団のWWWサイト上からも閲覧が可能とされる予定である。本研究活動については,群馬大学社会情報学部研究論集第15巻435頁以下等を参照のこと。


研究代表者名:松宮広和

報告書:情報通信政策研究プログラム研究題目「近時のアメリカ合衆国における主要な電気通信事業者規制について ― 近時における大型合併及びそれらに対する競争当局及び規制当局の判断を中心に ― 」報告書

単著・共著の別:単著

公表年月日:2008年3月

研究支援者:情報通信政策研究プログラム[後援](財)日本データ通信協会,(財)電気通信普及財団,及び(財)国際コミュニケーション基金

概要:筆者は,情報通信政策研究プログラムの支援を得て,前記の研究に,研究代表者として従事してきた。主たる研究対象は,近時の米国において発生した,旧AT&T Corporation系の地域Bell電話会社(RBOC(s))を当事者とする,(1)SBC Inc.とAT&T Corporationとの合併,(2)Verizon Communications Inc.とMCI,Inc.との合併及び(3)AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併という3つの大型合併,これらの合併に際して示された競争当局である合衆国司法省(DOJ)及び監督当局である連邦通信委員会(FCC)の判断,及び,公共インターネットのみならず,次世代のネットワーク(NGN(s))に代表される新たな通信ネットワークが,既存の公衆電話交換網(PSTN)に置換しつつある今日の状況における情報通信政策の現状と今後の課題,である。平成19年度の終了に際して,同年度に遂行した研究についての報告書を作成し,当該プログラムに提出した。当該報告書は,基本的には,「近時のアメリカ合衆国における電気通信事業者間の大型合併をめぐる議論について・再論 ― AT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併を中心に ― 」群馬大学社会情報学部研究論集第15巻109頁以下(2008年)と同様の内容である。当該報告書は,当該プログラムのWWW サイト上からも閲覧が可能である。本研究活動については,群馬大学社会情報学部研究論集第15巻435頁以下等を参照のこと。


[研究会発表]

報告者:松宮広和

題名:「最近の米国における電気通信産業と反トラスト法等」

報告年月日:2008年3月2日

研究会名:東京経済法研究会2008年春合宿において,報告担当者として報告。

概要:本報告は,メンバーの1人として参加した,東京経済法研究会2008年春合宿において行われたものである。
インターネット通信の発展,特に,近時のブロードバンド・サービスの普及は,アメリカ合衆国の1996年電気通信法の起草者による想定とは必ずしも一致しない形で,情報通信産業に多大な影響を与えてきた。当該報告では,近時の情報通信市場における大幅な競争環境の変化がもたらした,地域Bell電話会社と大規模な長距離通信事業者との合併である,SBC Communications Inc.とAT&T Corporationとの合併,Verizon CommunicationsInc.とMCI, Inc.との合併,及びそれらに続いて発生したAT&T Inc.とBellSouth Corporationとの合併に対する検討を通じて,「IP への収束」が実現されつつある同国における規制の現状と今後の課題についての考察,解説及び質疑応答を行った。


[研究活動その他]

研究代表者名:松宮広和

研究題目:平成19年度(財)電気通信普及財団助成研究題目「インターネットを経由するコンテンツ配信サービスの発展が既存の情報通信制度に与える影響に関する研究(継続)」(平成20年度)

研究支援者:(財)電気通信普及財団

概要:(財)電気通信普及財団の支援を得て,平成19年度以降前記の研究に,研究代表者として従事してきた。平成20年度は,昨年度からの研究に継続して従事してきた。主たる研究対象は,(1)インターネットを経由するコンテンツ配信サービスを提供する事業者に対する規制のあり方,及び(2)インターネットを経由するコンテンツ配信サービス及び既存の放送サービスに対する規制のあり方である。


共同研究者:松宮広和

研究題目:(財)国際高等研究所課題研究「共同研究の法モデル」

研究代表者名:北川善太郎(?国際高等研究所副所長,京都大学名誉教授,(財)比較法研究センター特別顧問)

研究主催者:(財)国際高等研究所

研究期間:平成20(2008)年4月〜

概要:2003年度に特別研究員として在籍した?国際高等研究所(IIAS)の副所長である北川善太郎教授を研究代表者とする,(財)国際高等研究所の課題研究「共同研究の法モデル」に,今年度も研究メンバーの1人として参加している。

政治学研究室

[著書(共著)]

書名:『はじめて学ぶ政治学』

単著・共著の別:共著

編者名:岡崎晴輝(九州大学),木村俊道(九州大学)

発行年月日:2008年3月

出版社:ミネルヴァ書房

担当頁:299〜310

概要:政治理論・政治思想を専攻する研究者による,初学者向けの政治学の教科書。Ⅴ-5章「歴史(History/Historiography)」を執筆。デイヴィッド・ヒューム『論集』とエドマンド・バーク『フランス革命の省察』を題材にして,歴史の意味,政治と歴史,政治学と歴史といったテーマについて,四つのトピックを選んで平易に解説した。


[学術論文]

著者名:犬塚元

題名:「啓蒙の物語叙述」の政治思想:ポーコック『野蛮と宗教』とヒューム

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年2月

掲載誌名:『思想』1007号(2008年3月号)

出版社:岩波書店

頁:108〜132

概要:特集号「ジョン・G・A・ポーコックの仕事:政治思想と歴史」への寄稿論文。第一に,ポーコックの新刊であるBarbarism and Religion,4vols.(Cambridge,1999-2005),特にその第Ⅰ・Ⅱ巻を紹介・検討し,第二に,それを手掛かりにして,18世紀啓蒙期の歴史叙述の特質を明らかにするとともに,ポーコックの解釈を批判的に吟味した。これは,科学研究費補助金研究課題「初期近代ヨーロッパの絶対主義政治理論における古代政治学の継受の問題」(若手研究B,研究代表者)の成果の一部である(以下同じ)。以下に見るように,今期は,ポーコックの研究成果の評価に関わる仕事が多かった。


著者名:犬塚元

題名:拡散と融解のなかの「家族的類似性」:ポーコック以後の共和主義思想史研究1975-2007

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年9月

掲載誌名:『社会思想史研究』(社会思想史学会年報)32号

出版社:藤原書店

頁:54〜65

概要:特集「共和主義と現代」への寄稿。この30年余りの共和主義思想史研究の動向について,欧米の研究を中心にして整理するとともに,思想史解釈の作業にあたって共和主義概念の多様化・混迷にどう対応するかを提言した。


著者名:犬塚元

題名:思想史研究としての精度を高めること

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年9月

掲載誌名:『社会思想史研究』(社会思想史学会年報)32号

出版社:藤原書店

頁:72〜73

概要:上記特集号に収録された論考に対するコメント論文。


[分担執筆]

著者名:犬塚元

題名:混合政体論

単著・共著の別:単著

発行年月日:2007年10月

書名:日本イギリス哲学会編『イギリス哲学・思想事典』

出版社:研究社

頁:187〜189

概要:大項目形式の事典への寄稿。政治学史上の重要概念のひとつである混合政体について,国内で初めて体系的に整理した論考。同概念の2つの起源,混合政体の理解をめぐる歴史的対立,混合政体論から権力分立論への転換,について説明した。


著者名:犬塚元

題名:立憲主義

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月

書名:今村仁司・三島憲一・川崎修編『岩波社会思想事典』

出版社:岩波書店

頁:323〜326

概要:大項目形式の事典への寄稿。立憲主義(constitutionalism)について,その定義,その思想史(中世立憲主義と近代立憲主義の潮流),さらには現代の政治理論・憲法学における論争点を軸にして,解説した。


[書評]

著者名:犬塚元

題名:大陸自然法学の復権のための戦略

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年5月

掲載誌名:政治思想学会編『政治思想研究』8号

出版社:風行社

頁:326〜327

概要:前田俊文『プーフェンドルフの政治思想:比較思想史的研究』(成文堂,2004)の書評。同書を書評するなかで,近年の欧米における自然法思想の研究動向について紹介した。


著者名:犬塚元

題名:書評:J.G.A.ポーコック『マキアヴェリアン・モーメント』

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年7月

掲載誌名:『論座』2008年8月号

出版社:朝日新聞社

頁:316〜317

概要:近年の政治思想史研究において最も影響力をもつひとり,ジョン・ポーコックの代表作の日本語版(『マキアヴェリアン・モーメント』,田中秀夫・奥田敬・森岡邦泰訳,名古屋大学出版会,2008)についての書評。同書の概略・特質を紹介した後,その後の共和主義研究の動向や,日本における同書の意義について解説した。


[学会報告]

報告者名:犬塚元

題名:スコットランド史解釈と1707年:ヒュームの歴史書はなぜ『イングランド史』になったか

発表年月日:2008日3月27日

学会名:日本イギリス哲学会第32回研究大会

会場:帝京大学

概要:シンポジウムⅠ「イングランド-スコットランド合同のインパクト:合同300周年記念」における報告。18世紀において1707年合同の歴史的意義がどのように理解されていたか,を明らかにするひとつの手段として,ヒューム『イングランド史』におけるスコットランド史解釈を分析した。


[研究会報告]

報告者名:犬塚元

題名:ポーコックの仕事について:拙稿をめぐって

発表年月日:2008日7月19日

学会名:第142回思想史研究会(成蹊大学)

会場:成蹊大学

概要:上記拙稿「「啓蒙の物語叙述」の政治思想」を含む『思想』特集号の合評会での応答報告。加藤節教授(成蹊大学)の報告「『思想特集号・ポーコックの仕事 ― 政治思想と歴史 ― 』(岩波書店,2008年3月)を読む」への応答。

行政法研究室

[学術論文]

著者名:西村淑子

題名:都知事が行った都市高速鉄道に係る都市計画の変更が鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年1月5日

掲載誌名:平成18年度行政関係判例解説(ぎょうせい)

頁:89〜96

概要:小田急線連続立体交差事業認可処分取消,事業認可処分取消請求事件(最判平成18年11月2日民集60巻9号3249頁)について解説し,特に本件都市計画決定又は変更の違法性判断の方法について検討した。


著者名:西村淑子

題名:近年の第三者の原告適格に関する裁判例の動向

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年1月

掲載誌名:訟務月報

巻号数:第54巻第1号別冊

頁:120〜131

概要:行訴訟9条2項の新設及び小田急大法廷判決以降の第三者の原告適格に関する裁判例のうち,特に競輪車券場外発売施設設置許可処分取消訴訟における周辺住民等の原告適格に関する裁判例の動向を追跡し,検討した。


[社会貢献活動]

出席者:西村淑子

日時:毎週月曜日

場所:法務省大臣官房行政訟務課

概要:行政訟務課の調査員として,国が当事者となっている訴訟について,学術的観点から調査・検討を行っている。


出席者:西村淑子

日時:毎月第三火曜日

場所:埼玉県庁県政情報センター

概要:埼玉県個人情報保護審査会の委員として,保有個人情報の開示,訂正又は利用訂正に関する決定に対する不服申立て等について調査・審議し,答申を行っている。


報告者:西村淑子

題名:圏央道あきる野IC 事業認定・収用裁決取消請求訴訟

日時:2008年5月10日

場所:第一法規出版本社

概要:圏央道あきる野IC 事業認定等取消請求訴訟(東京高裁平成18年2月23日判決・判時1856号32頁)について解説し,起業地内の不動産につき権利を有していない者の原告適の有無,事業認定の適法性判断の方法,代替案の検討の必要性等について検討した。


講演者:西村淑子

題目:環境訴訟と市民参加温暖化防止における政府・企業・市民の役割

日時:2008年9月20日

場所:群馬大学社会情報学部

概要:平成20年度群馬大学公開講座において,実施責任者として「地球温暖化でどうなる?どうする?地域・家庭の地球温暖化対策」を開催し,「環境訴訟と市民参加温暖化防止における政府・企業・市民の役割」について講演した。

計量経済学研究室

[学術論文]

著者名:樋田勉

題名:全国物価統計調査における分位点推定値の標本誤差の検討

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年3月

掲載誌名:『群馬大学社会情報学部研究論集』

巻数:15

頁:131〜140

概要:本稿では,Funaoka, Saigo, Sitter, and Toida(2006)が考案した層別多段抽出のためのベルヌーイ・ブートストラップ法(BBE)を利用し,平成9年,14年全国物価統計調査における,分位点推定値の標準誤差の推定を行った。本稿で行った計算から,分位点推定値の標準誤差は非常に小さく推定精度は高いこと,および,平成9年,14年の間で推定精度に大きな変化はないことが示された。


著者名:樋田勉

題名:2007年度データエディティング研究会報告

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年6月

掲載誌名:『2007年度データエディティング研究会報告』独立行政法人統計センター(全171頁)

頁:1〜11

概要:本稿では,無回答を含むデータから累積分布関数を推定する方法として,補助変数を用いる累積分布関数推定量の利用可能性を検討した。補助変数を利用する累積分布関数推定と,補助変数を利用して補定を行ったデータから累積分布関数を推定する方法の分布関数の推定精度をシミュレーション実験によって比較した。


[学会発表]

発表者名:樋田勉

題名:平成9年,14年全国物価統計調査を用いた価格分布の分析

開催年月日:2007年12月15日

発表学会名:経済統計研究会

開催場所:学習院大学,東京

概要:総務省「平成9年,14年全国物価統計調査」,経済産業省「商業統計調査」の個票データを利用して,平成9年,平成14年の指定商標銘柄の価格分布の変化の特徴,消費者物価指数との関係について明らかにした。


発表者名:樋田勉

題名:平成9年,14年全国物価統計調査の価格分布の比較分析について

開催年月日:2008年9月8日

発表学会名:2008年度統計関連学会連合大会

開催場所:慶應義塾大学,横浜

概要:平成9年,14年全国物価統計調査の個票データを利用して,価格の分散(price dispersion)に関する経済モデルの検証を行い,モデルの妥当性を評価した。(p.62)

憲法研究室

[学術論文]

著者名:田代亜紀

題名:リベラリズムとフェミニズムの対話可能性(1) ― ポルノグラフィをめぐる議論についての一試論 ―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年4月

掲載誌名:法学

巻数:72巻

号数:1号

頁:96〜157

概要:アメリカ憲法「表現の自由」解釈におけるリベラリズムとフェミニズムの対立点をポルノグラフィを題材に明らかにした上で,その対立に対して,リベラリズムがどのようにアプローチすれば,対立が解消するのかを探った。リベラリズムの議論を前提にしつつも,フェミニズムの議論に対して理解を示す諸論者の議論を紹介,検討することで,リベラリズムとフェミニズムが対話する理論的条件を提示するよう試みた。


著者名:田代亜紀

題名:リベラリズムとフェミニズムの対話可能性(2・完)― ポルノグラフィをめぐる議論についての一試論 ―

単著・共著の別:単著

発行年月日:2008年6月

掲載誌名:法学

巻数:72巻

号数:2号

頁:126〜173

概要:「リベラリズムとフェミニズムの対話可能性(1)」に引き続いて,リベラリズムとフェミニズムのアメリカ憲法「表現の自由」解釈上の対立を如何に克服するかをテーマとした。(1)ではリベラリズムからのアプローチを検討したが,(2)ではフェミニズムの側から,前記対立を克服するためにはどのような理論的条件が必要かを考えた。フェミニズム法理論が成立することの難しさとともに,フェミニズムの主張が普遍的な憲法解釈に取り入れられるための理論的条件を提示するよう試みた上で,(1)(2)を通しての問題設定に対して暫定的ではあるが,回答を示した。


Last Update 2016/03/02