増子 さくら

自分と向き合い、成長する

増子 さくら(2015年度修了生 )

masuko

 

 

 

 

 

 

1.人との関わり合いの中で

 学部の卒業論文を書いたときから持ち続けていた、「男女はお互いにどのような存在なのか」「人の生の拠りどころとは何か」という疑問をベースに、夏目漱石『行人』・『虞美人草』を題材として、修士論文を書き進めました。社会情報学研究科の社会倫理思想研究室へ進学を決めたのは、小説を深く読み 、追体験して考察を進めるというプロセスに興味を持ったからです。実体験は出来ないけれど、登場人物の心理になるべく接近して深く読み込むことで、追体験をすることが出来ます。小説は読み手によって解釈が異なります。人と関わって生きていく中で、自分が生きている意味とは何なのでしょうか?私なりの考察をして、それをこれから生きていく中で大切な価値として、また生涯の課題として、修士論文の中に書き上げることが出来ました。

2.社会情報学研究科の魅力

 社会情報学研究科の講義は学部の講義とは異なります。自分の興味のあることや、本や資料で読んだことをレポートにまとめ、積極的に発言して参加していかなければなりません。さらに本研究科は社会人の方や留学生の方が多いので、講義だけでなくそれ以外の時間でも、世代や国を超えて多くの意見を交換し吸収することが出来ます。そうすることで、学部時代には受け身であった私も、新たな発見をする事が多々ありました。

 また修士1年の夏季休業には、大学のプログラムを利用して1ヶ月間オーストラリアに行ってきました。拙い英語を使ってでしたが、ホストマザーと、私の専攻している社会倫理思想学から発展した内容も交えて、様々な会話や将来の夢について語ることが出来ました。

 本研究科は何事にも積極的に挑戦することで、自分を更に成長させることが出来る場だと今でも強く感じています。

3.修了後の今思うこと

 6年間暮らした群馬を離れ、今は新天地にて生活を送っています。幸運にも、職場での人間関係に恵まれ、社会人4年目となりました。私の研究とはまた畑違いとなる職業に就きましたが、新たな知識や発見に関心が高まる毎日です。

 はじめは、長い学生生活が終わり、不安に駆られていました。しかし、本研究科で多様な世代の方々や、国を超えた方々との関わりあい、留学先のホストマザーの“どんな場所でもやっていける”という言葉を励みに、ここまで勤めてくることが出来ました。勉学だけでなく、多くの方々と関わり合うことの出来る所が本研究科の魅力であり、感謝しているところです。

 また、慣れない土地での暮らしは大変な反面、同じように故郷から離れて暮らしてきた両親への尊敬や感謝の気持ちを持たずにはいられませんでした。私は同世代と比べて少し遅れて社会人になりましたが、離れた地でも少しずつ親孝行出来るようにしていきたいと思っています。

 実は現在、様々な事に興味を持ち、収拾がつかない状態に近くなってもいます。何か一つ、やり遂げたい事を発見した時には、再び学びの場に戻りたいとも考えています。

2019.9