地域環境政策の実現のために
金井 康夫(2011年度修了生 )
私が大学院進学を考えたのは、沼田市の自然と時代を結びつけるためです。当時沼田市議会議員として数々の政策課題に直面していましたが、場当たり的な対応では限界を感じていました。もっと深い知識と考察力を身に着けなければと日々思いを強くしてきました。そこで、年齢も40歳を前にして今しか無いものと考えて、沼田市議会議長の任期終了に合わせて、群馬大学大学院の門をたたくことを決意致しました。
大学院では、「自然環境」と「公共政策」を学びました。市議会とは違った、深い知見を有する大学の諸先生方からのご指導、また若い世代との議論は刺激に富んだものでした。 修士論文では、環境問題が話題となっている中、関東最北端のこの群馬県の自然や水源を守るために何らかの施策が必要だと思い、沼田市内のブナ林の有するCO2 吸収・固定能力を解明することを目的として、毎木調査によってその現存量を推定するという実測調査を行いました。この結果を基にして、沼田市内のブナ林の有するCO2 吸収・固定能力を明らかにし、またカーボンオフセット事業への活用の可能性を考察しました。
大学院在学時に、群馬県議会議員に当選いたしました。県議会でも、森林環境税の導入など大学院で得た識見は大いに役立ちました。私が住む利根沼田地域の森林面積は、群馬県内の30%にも及びます。これからの時代、益々自然環境を保護・活用した政策が必要なってきます。今後も、大学院での学びを生かした政策を実行できるよう努めてまいりたいと考えています。