結果および考察

冷湿処理期間と培養温度に対する発芽の依存性

アブラナ科植物の発芽

1 ナズナ(アブラナ科冬季一年生草本、Capsella bursa-pastoris):在来種

 春の七草のひとつで、道端、畑や田んぼのあぜ道、農村の空き地、山道沿いなど日本各地に広く分布している(高橋 2006)。

 冷湿処理を施さない種子においては、最終発芽率は10/6℃区と17/8℃区で0%となり、22/10℃区で約16%となり、これらより高い温度区では約35%〜39%となった(表4図1.4)。

 1ヶ月の冷湿処理を施した種子においては、最適発芽温度区(30/15℃)で培養した結果、最終発芽率は約9%となり、冷湿処理を施すと著しく発芽率が低下した(表4図6)。

2 ハルザキヤマガラシ(アブラナ科多年生草本、Baebarea vulgaris):要注意外来種

 ヨーロッパ原産で、明治末に輸入麦類に混入して日本に持ち込まれ、1910年頃からは国内の植物園で栽培されていた。畑地、草地、河川敷、冷涼な山地など全国に定着している(石川ら 2009)。

 冷湿処理を施さない種子においては、最終発芽率は気温の高い区ほど高くなり、10/6℃区で約5%、17/8℃区で約15%となり、25/13℃区および30/15℃区では93%以上が発芽した(表4図2.4)。

 1ヶ月の冷湿処理を施した種子においては、最適発芽温度区(30/15℃)で培養した結果、最終発芽率は約13%となり、冷湿処理を施すと著しく発芽率が低下した(表4図6)。ハルザキヤマガラシに関するこれらの結果は柴宮(2009)と同等であり、先行研究の結果が再確認されたことになる。

3 ショカツサイ(アブラナ科冬季一年生草本、Orychophragmus violaceus):群馬県・県内危険外来種

 中国原産で、第二次世界大戦後、日本各地での逸出が目につくようになった。多雪地を除く広範囲に分布しており、園芸栽培・種子販売されているため、現在確認されている範囲よりも広範囲に分布していると考えられる(石川ら 2009)。

 冷湿処理を施さない種子においては、最終発芽率は気温の高い区ほど高くなり、10/6℃区で約13%、17/8℃区で約38%となり、22/10℃区以上の区では72%以上が発芽した(表4図3.4)。

 1ヶ月の冷湿処理を施した種子においては、最適発芽温度区(30/15℃)で培養した結果、最終発芽率は約3%となり、冷湿処理を施すと著しく発芽率が低下した(表4図6)。ショカツサイに関するこれらの結果も柴宮(2009)と同等であり、先行研究の結果が再確認されたことになる。

 以上の結果から、3種のアブラナ科植物は、種子が成熟し散布された後に、主として秋に発芽するが、発芽が遅れた種子は冬の低温にさらされて二次休眠が誘導され、土壌シードバンクを形成するようになると考えられる。逆に、温暖化によって冬季が短縮され、冷湿処理を受けるような期間が1ヶ月よりも短くなった場合、アブラナ科植物の種子はほとんどが休眠せずに発芽し、土壌シードバンクを形成しないようになる可能性が高いと考えられる。

アブラナ科植物の発芽速度

 冷湿処理を施さない3種のアブラナ科植物の種子の発芽速度は、処理温度区全体をみると、いずれの種においても温度が高い区ほど高くなった(図5)。在来種のナズナについてはこの傾向が顕著であり、高い温度区ほど一様に発芽速度がより高くなった。これらの結果から、ナズナの種子は温暖化が進行した場合、一斉に発芽して発芽期間が短くなると考えられる。このような発芽特性を持つナズナは、発芽後に攪乱のようなその土地を一掃する環境変化が発生した場合には実生が全滅し、土壌シードバンクも消滅してしまうことが懸念される。

 外来種のハルザキヤマガラシとショカツサイにおいては、発芽速度は22/10℃区以上の区ではほぼ一定となった(図5)。すなわち、この2種の外来種の種子は、最終発芽率は22/10℃以上の高温区で増加しているのに発芽速度は一定となることから、温暖化が進行した場合、長期にわたって発芽するため発芽期間が長くなり、発芽後に攪乱のような環境変化が発生した場合においても、ふたたび実生が発生して個体群が維持されるようになる可能性が高いと考えられる。土壌シードバンクも一時的には消滅してしまうかもしれないが、生き残った個体が開花・結実に至れば再び形成される可能性がある。

 以上の結果から、アブラナ科植物においては、温暖化が進行した場合、在来種の絶滅の危機が増大し、逆に外来種の拡大の可能性は、相対的に高まると推察される。

キク科植物の発芽

4 オオブタクサ(キク科一年生草本、Ambrosia trifida):要注意外来種

 北アメリカ原産で戦後日本に渡来し急激に広がった。花期は8〜9月で、河原や荒れ地、特に都市周辺の新興住宅地に多く生育している(林 2009)。開花期の個体サイズは非常に大きく、最大草丈6mにも達し、ブタクサと同様に花粉症を引き起こす(石川ら 2009)。

本研究では、標高の異なる2地点(前橋:標高150m、菅平:標高1,300m)で採取した種子について実験を行った。しかし菅平産の種子はいずれの実験においても発芽率が非常に低く、種子が古くなって発芽能力が低下していることが明らかになった(表5図7.8.11)。このため前橋産の種子について行った実験についてのみ、以下に考察を行う。

 1ヶ月または2ヶ月の冷湿処理を施した前橋産の種子においては、いずれの冷湿処理においても、最終発芽率は気温の高い区ほど低くなり、10/6℃区〜17/8℃区で約37%〜57%発芽したが、30/15℃区では約2%〜3%しか発芽しなかった(表5図9.10.11)。

 以上の結果は茅島(2005)と同様であり、1ヶ月冷湿処理を施した種子と2ヶ月冷湿処理を施した種子では最適温度での最終発芽率に有意な差がなかったことから、オオブタクサの種子休眠の解除のためには、1ヶ月程度の冷湿処理が必要であるといえる。オオブタクサは現在全国的に分布しており、菅平のような寒冷地での拡大が続々と報告されている。これは、オオブタクサが上記のような発芽特性をもって定着に成功しているためと考えられる。温暖化が進行した場合においても、寒冷地で冷湿処理状態を実現するような冬期間の長さが1ヶ月を下回ることは考えにくいため、オオブタクサの種子に対する冷湿処理効果が寒冷地において抑制される可能性は低いと推察される。

 冷湿処理を施した前橋産のオオブタクサの種子の発芽速度は、22/10℃以下の区ではほぼ一定の低い値となった(図12)。

 このように低温で高い発芽率を達成する性質は、野外では早春に発芽して長い生育期間を獲得し、個体の適応度を上げるのに有利な特性といえる。

 以上の結果よりオオブタクサの種子は、冷湿処理を受け休眠が解除されても、低温環境下では長期にわたって発芽するため発芽期間が長く、発芽後に攪乱のような環境変化が発生した場合においても、ふたたび実生が発生して個体群が維持されるようになる可能性が高いと考えられる。一方温暖化が進行した場合、オオブタクサの種子は二次休眠に入る割合が増えて土壌シードバンクがますます巨大化する可能性があると考えられる。発芽率自体は温暖化の進行によって低下する可能性が想定されるが、種子生産量が膨大であるため(石川ら 2003)、少数個体でも開花に至れば危険であることに変わりはないと考えられる。

また前橋と菅平の種子の発芽率の比較から、より寒冷な地域に分布した場合に発芽特性が低温環境に適応する方向に変化する可能性も示唆された。すなわちオオブタクサが今後も寒冷地を含む全国各地において、量的・面積的に拡大していく危険性が高いと推察される(石川ら 2003)。

5 アメリカセンダングサ(キク科一年生草本、Bidens frondosa

 北アメリカ原産で日本には大正時代に渡来した。花期は秋で、湿った草地や川岸、休耕田などに生育している(清水 2003)。

 発芽実験結果は、河毛(2011)を参照されたい。本研究では、河毛(2011)のデータを用いて、発芽速度を算出した。

 冷湿処理を施したアメリカセンダングサの種子の発芽速度は、すべての温度区でほぼ一定の低い値となった(図12)。2ヶ月の冷湿処理を施したアメリカセンダングサの種子の最終発芽率はすべての温度区において約81%以上発芽した。

 以上の結果よりアメリカセンダングサの種子は、冷湿処理を受け休眠が解除されても、長期にわたって発芽するため発芽期間が長く、発芽後に攪乱のような環境変化が発生した場合においても、ふたたび実生が発生して個体群が維持されるようになる可能性が高いと考えられる。

マメ科植物の発芽

6 ギンネム(マメ科亜高木、Leucaena leucocephala

 熱帯アメリカ原産で、熱帯、亜熱帯で広く栽培され、日本では琉球と小笠原諸島に定着している(牧野 2000)。耕作放棄地や攪乱跡地に先駆種として広く分布している。

 小笠原は亜熱帯に位置し、父島における平成20年の年間平均気温は23.3℃、最高気温は 33.6℃、最低気温は10.9℃、雨量は年間1,600mm程度で、気温の変化が比較的少なく海洋性のしのぎやすい気候である(小笠原村HP 2010)。冬期間でも平均気温は18.7℃と温暖であることから亜熱帯特有の動植物が多く見られる(父島気象観測所HP 2010)。

 冷湿処理を施さない種子の最終発芽率は、10/6℃区で約3%と非常に低かったが、17/8℃区以上の区では約95%以上が発芽した(表6図13.14)。すなわち本種は、年間を通じて温暖な小笠原では一年中発芽することが可能であり、温暖化が進行して本土でも年間平均気温が17℃程度以上の地域が拡大すれば、発芽可能域が拡大する可能性があると推測される。

 冷湿処理を施さない種子の発芽速度は、温度が高い区ほど高くなった(図15)。すなわち本種の種子は、高い温度区ほど短期間に一斉に発芽するようになると考えられる。温暖化が進行すると、ギンネムは野外でより早く発芽するようになると推察される。

 ギンネムと同じマメ科の外来植物であるハリエンジュの発芽実験(河毛 2011)の結果から、同様に発芽速度を算出してみたところ、冷湿処理を施さない種子の発芽速度は、ギンネムと同様に温度が高い区ほど高くなった(図15)。すなわち、発芽速度が高温下でより高くなる特性は、マメ科の外来樹木に共通性の高いものである可能性があると考えられる。

異なる温度・光・土壌窒素濃度条件下で栽培した植物の生長解析

アブラナ科植物

1 ナズナ(アブラナ科冬季一年生草本、Capsella bursa-pastoris):在来種

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、ナズナの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、10/8℃区で約0.08、15/13℃区で約0.12、25/23℃区で約0.13と、温度が高い区ほど高くなった(図16)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、10/8℃区で約5.5、15/13℃区で約8.3 、25/23℃区で約8.6と、温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.019〜0.020であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.019〜0.023であった。器官別重量比のうち葉の重量比は区間で有意な差がなかったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。15/13℃区で1個体、25/23℃区で4個体花が咲いたため、花の重量は茎に算入したのだが、それでも茎の重量比は小さかった。ナズナは茎がほとんどない形態をとっており、光合成産物は積極的に葉へ投資されていることが示唆される。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、ナズナに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、発芽・生長期における気温上昇により、休眠する種子が減り発芽が早まるとともに、相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。しかしながら、発芽期間の短縮は、攪乱が生じた場合の地上個体群の絶滅確率を高め、土壌シードバンクの縮小を引き起こす危険性もあると推察される。

2 ハルザキヤマガラシ(アブラナ科多年生草本、Baebarea vulgaris):要注意外来種

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、ハルザキヤマガラシの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、10/8℃区で約0.08、15/13℃区で約0.11、25/23℃区で約0.13と、温度が高い区ほど高くなった(図17)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、10/8℃区で約4.6、15/13℃区で約7.3 、25/23℃区で約9.0と、温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.025〜0.026であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.015〜0.019であった。器官別重量比のうち葉の重量比は区間で有意な差がなかったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。一方茎の重量比は15/13℃区、25/23℃区でほぼ同じ値となったのに対し、10/8℃区ではこれらより小さかった。ハルザキヤマガラシは温度が高いほど茎への光合成生産物の投資を大きくして、草丈を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、ハルザキヤマガラシに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、発芽・生長期における気温上昇により、休眠する種子が減り発芽が早まるとともに、相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。また発芽期間の長期化は、攪乱が生じた場合の地上個体群の絶滅確率を低下させるであろうし、茎への光合成生産物の投資が大きなって草丈が大きくなれば、競争力が増すことになり、ますます生育地が拡大する危険性があると推察される。

3 ショカツサイ(アブラナ科冬季一年生草本、Orychophragmus violaceus):群馬県・県内危険外来種

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、ショカツサイの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、10/8℃区で約0.04、15/13℃区で約0.07、25/23℃区で約0.09と、温度が高い区ほど高くなった(図18)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、10/8℃区で約2.2、15/13℃区で約5.2 、25/23℃区で約6.5と、温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.017〜0.019であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、区間で大きな差がなく、0.016〜0.024であった。器官別重量比のうち葉の重量比は区間で有意な差がなかったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、ショカツサイに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、発芽・生長期における気温上昇により、休眠する種子が減り発芽が早まるとともに、相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。また発芽期間の長期化は、攪乱が生じた場合の地上個体群の絶滅確率を低下させるであろうから、ますます生育地が拡大する危険性があると推察される。

光に対する生長反応

 栽培実験期間中の群馬大学荒牧キャンパス構内の裸地における気温と相対光量子密度の季節変化(図28)をみると、気温はほとんどの日時で20℃〜40℃の範囲内、PPFDの日最高値はほとんどの日で500μmolm-2s-1以上であったので、植物の生育にとっておおむね適当な条件であったと考えられる。ただし、2010年は記録的酷暑の年であり、7月〜9月の日最高気温がしばしば40℃を越えていたので、植物の生長にとって何らかのマイナス影響があった可能性は否めない。

 異なる光条件下において、ショカツサイの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、相対光量子密度3%区で約0.009、9%区で約0.026、13%区で約0.030、100%区で約0.056となった(図19)。すなわち本種は明るい処でよく生長するが、林床のような暗い環境では生長が著しく悪くなると考えられる。このことは、本種が主に道路沿いや草原といった明るい環境下に分布する理由の一つであると推察される。

 中嶋(2003)の行った野外栽培実験では、ショカツサイは秋季(8月〜10月)に栽培した場合、相対光量子密度が10%以下になると枯死率が増大し、最も暗い被陰区である3%区で枯死率が最大となった。一方ショカツサイの本来の生育時期である冬季(10月〜12月)に栽培した場合は、枯死率に光条件区間で差がなく、枯死したものも少なかった。

 2004年冬季(10月〜12月)に同様の実験を行った慶野(2005)によると、ショカツサイの生育と分布するのに最も適しているのは相対光量子密度14%程度であるという結果が得られている。以上の結果は、気温が高くなると呼吸量が増加するという植物の性質により、呼吸量の多い時期に栽培すると枯死率が増大することを示していると考えられる。

 今回の実験では枯死したものも少なく、相対光量子密度が100%区で最も良く生長し、3%区では著しく生長速度が低かった。植物は、暗い生育環境ほど葉面積を増やして光合成生産を高めようとするが限界がある。したがって、6月から7月の気温の下では、相対光量子密度9%未満の場所にショカツサイは生育することが難しいことが示唆される。温暖化の進行に伴って、ショカツサイ以外の植物もより大きくなり被圧(日陰にすること)が強くなれば、ショカツサイはそれによって生長低下を引き起こされると推察される。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、3%区で約0.3、100%区で約3.2と相対光量子密度が高い区ほど高くなり、特に13%以下の光条件区で著しく低い値となった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、明るい光条件の区ほど低くなった。

 以上の結果から、本種のRGRが光条件が明るい区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の増加であり、LAR、すなわち葉の量の減少はこれを抑制していたと考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、3%区で0.086、100%区で0.027と相対光量子密度が高い区ほど低くなり、特に100%区で著しく低い値となった。器官別重量比のうち葉の重量比は区間で有意な差がなかったので、結果としてLARは100%区では低くなったものと考えられる。

キク科植物

4 オオブタクサ(キク科一年生草本、Ambrosia trifida):要注意外来種

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、オオブタクサの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、その産地間で有意な差が見られた。すなわち、10/8℃では前橋・菅平いずれの産地の個体も約0.03、25/23℃で約0.09〜0.10と同等であったが、15/13℃では菅平産(約0.10)の方が前橋産(約0.08)よりも有意に高くなった(図20)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)も、その産地間で有意な差が見られた。すなわち、10/8℃区では前橋・菅平いずれの産地の個体も約1.7〜1.8、25/23℃区で約8.3〜8.4と同等であったが、15/13℃区では菅平産(約8.5)の方が前橋産(約6.2)よりも有意に高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間でも産地間でも有意な差がなく、0.016〜0.021であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。またこうした温暖化の生長速度促進効果は、菅平のような寒冷な地域で温暖化が進行した場合の方が、前橋のような温暖な地域よりも高いと考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、区間でも産地間でも有意な差がなく、0.022〜0.040であった。器官別重量比のうち葉の重量比も区間でも産地間でも有意な差がなかったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、オオブタクサに対しては生長促進効果があり、寒冷な地域でその効果はより高くなると考えられる。すなわち、発芽・生長期における気温上昇により、相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。

光に対する生長反応(河毛(2011)との共同研究)

 異なる光条件下において、オオブタクサの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、相対光量子密度3%区で約0.00、9%区で約0.05、13%区で約0.06、100%区で約0.09となった(図21)。すなわち本種は明るい処でよく生長するが、林床のような暗い環境では生長が著しく悪くなると考えられる。このことは、本種が主に道路沿いや河川敷といった明るい環境下に分布する理由の一つであると推察される。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、3%区で約0.0、100%区で約5.9と相対光量子密度が高い区ほど高くなり、特に13%以下の光条件区で著しく低い値となった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、13%区以下の暗い処理区で約0.030〜0.033であったが、100%区で約0.019とこれより低くなった。

 以上の結果から、本種のRGRが光条件が明るい区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化とLAR、すなわち葉の量の変化であると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、3%区で約0.078、100%区で約0.028と相対光量子密度が高い区ほど低くなり、特に100%区で著しく低い値となった。器官別重量比のうち葉の重量比は100%区でやや低くなっていることから、オオブタクサは少ない葉面積で高い光合成活性が可能であることが推察される。結果としてLARは100%区では低くなったものと考えられる。

 以上の結果から、温暖化の進行に伴ってオオブタクサ以外の植物もより大きくなり被圧(日陰にすること)が強くなれば、オオブタクサはそれによって生長低下を引き起こされると推察される。

土壌窒素濃度に対する生長反応(河毛(2011)との共同研究)

 異なる土壌窒素濃度下において、オオブタクサの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、無施肥条件区では0.042、3000倍施肥条件区では0.069、1000倍施肥条件区では0.081となった(図22)。無施肥条件区でのRGRの値を基準とすると、3000倍施肥条件区ではNAの約1.7倍、1000倍施肥条件区では約1.9倍の値となり、施肥しない場合でも十分に生長するが、より多く施肥した方がより早く生長するといえる。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、無施肥条件区で2.6と最も低くなり、これに対して3000倍施肥条件区、1000倍施肥条件区ではそれぞれ4.7、5.3と倍近い値となった。LAR、SLAには処理区間で有意な差は見られなかった。

 以上の結果から、本種のRGRが土壌窒素濃度が高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。

 茅島(2005)もオオブタクサについて類似の施肥実験を行い、ハイポネックス1000倍溶液が本種の生長を著しく促進することを明らかにした。このことは、本種が主に道路沿いや河川敷といった明るい環境下に分布する理由の一つであると推察される。

 以上の結果から、温暖化の進行に伴ってリターの分解速度が増大したり河川の汚染が進めば、土壌窒素濃度が増大し、オオブタクサはそれによって生長促進を引き起こされると推察される。

 以上、オオブタクサへの温暖化の直接影響には、冬季の短縮による発芽時期の早期到来、それに伴う生育期間の伸張、生育時期の温度上昇による生長速度の促進と、オオブタクサの巨大化をさらに進行させる可能性が考えられる。またこれらの温暖化の影響は寒冷地ほど大きいと考えられる。温暖化進行によってより高温にさらされると、より多くの種子に二次休眠が誘導されるため発芽率自体は低下すると考えられるが、その分さらに大きな土壌シードバンクを形成する可能性があると考えられる。しかし、オオブタクサは気孔を大きく開けることにより高い光合成速度を達成しているため、蒸散速度も高く、水ストレスには弱いため、主として河川付近に分布が限定される要因の一つであると推察される(石川ら 2003)。したがって、大幅な気温上昇はストレスを増大させ、生長を抑制することも考えられる。

5 アメリカセンダングサ(キク科一年生草本、Bidens frondosa

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、アメリカセンダングサの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、10/8℃区で約0.03、15/13℃区で約0.12、25/23℃区で約0.13と、温度が高い区ほど高くなった(図23)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、10/8℃区で約1.5、15/13℃区で約9.0、25/23℃区で約9.6と温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.017〜0.024であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、10/8℃区で高く(0.049)、温度の高い区ではこれより低くなった(0.025〜0.032)。器官別重量比のうち葉の重量比は低温の区ほどやや高くなったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。一方根の重量比は高温の区ほどやや高くなった。アメリカセンダングサは温度が高いほど根への光合成生産物の投資を大きくして、資源(水や栄養塩類)の獲得力を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、アメリカセンダングサに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、生長期における気温上昇により相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。また、根への光合成生産物の投資が大きくなって資源の獲得力を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

 河毛(2011)によると、1ヶ月の冷湿処理を施したアメリカセンダングサの種子の最終発芽率は、いずれの培養温度区においても0%〜13%と低いが、2ヶ月の冷湿処理を施した種子においては、最終発芽率は10/6℃で〜30/15℃の広い温度区で約81%以上の高い値となった。以上の結果から、アメリカセンダングサの種子休眠の解除には2ヶ月以上の冷湿処理が必要であるが、土壌シードバンクを形成する可能性は低いと考えられるとした。

 しかし温暖化が進行して冬季が短縮された場合、アメリカセンダングサの種子の多くが休眠解除に十分な冷湿処理を受けられないことになり、その後も種子が生きていれば、土壌シードバンクが形成されるようになる可能性があると考えられる。

6 ギンネム(マメ科亜高木、Leucaena leucocephala

気温に対する生長反応

 10/8℃区では、いずれの個体も生長せずに全て枯れてしまった。

 異なる温度条件下において、ギンネムの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、15/13℃区で約0.011、25/23℃区で約0.051と、温度が高い区ほど高くなった(図24)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、15/13℃区で約0.6 、25/23℃区で約3.7と温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく0.016〜0.019であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、区間で有意な差がなく0.019〜0.025であった。器官別重量比のうち葉の重量比は区間で有意な差がなかったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。一方根の重量比は高温の区ほどやや高くなった。ギンネムは温度が高いほど根への光合成生産物の投資を大きくして、資源(水や栄養塩類)の獲得力を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

 以上の結果から、温暖化が進行した場合、ギンネムに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、生長期における気温上昇により生存率や相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。また、根への光合成生産物の投資が大きくなって資源の獲得力を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

光に対する生長反応

 異なる光条件下において、ギンネムの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、相対光量子密度3%区で約0.000(有意な生長なし)、9%区で約0.022、13%区で約0.026、100%区で約0.040となった(図25)。すなわち本種は明るい処でよく生長するが、うっぺいした林床のような暗い環境では生長が著しく悪くなると考えられる。こうした生長特性が、本種が道路沿いなどの裸地的な環境下で繁茂する(村上・鷲谷 2002)原因の一つであると考えられる。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、3%区で約0.0(有意な値なし)、100%区で約2.5と相対光量子密度が高い区ほど高くなり、特に13%以下の光条件区で著しく低い値となった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、13%区以下の暗い処理区では0.028〜0.031であったが、100%区では0.018とこれより低くなった。

 以上の結果から、本種のRGRが光条件が明るい区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化とLAR、すなわち葉の量の変化であると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、9%〜13%区で0.065〜0.069、100%区で0.031と、100%区で著しく低い値となった。器官別重量比のうち葉の重量比は100%区でやや低くなっていることから、ギンネムは少ない葉面積で高い光合成活性が可能であることが推察される。結果としてLARは100%区では低くなったものと考えられる。

 鈴木ら(2001)によると、攪乱による倒木が引き起こす光条件の改善は、在来種よりもギンネムの生長を促進させ、攪乱地でのギンネムの定着や優占を強める結果を導いている一方、うっぺいした林冠下では、在来種に比べてギンネムの生育が妨げられていることが示された。

 以上の結果から、温暖化の進行に伴ってギンネム以外の植物もより大きくなり被圧(日陰にすること)が強くなれば、ギンネムはそれによって生長低下を引き起こされると推察される。

 もともと暖かいところを好み生育しているギンネムは、低温環境下や暗い林床では生育することが難しいと考えられる。ギンネム林の追跡調査によると、在来種の優占する区へのギンネム稚樹の新規加入はほとんど見られなかったことから、在来植生に侵入し分布を拡大する可能性は考えにくい(鈴木ら 2001)。しかし人為的攪乱と温暖化によって、ギンネムの発芽可能域、生育可能域が現在の温帯域に拡大する可能性があると考えられる。一度ギンネム林が形成されてしまうと、遷移の次段階に出現する種の実生の定着を妨げると推測されている(畑・可知 2002)。したがって、温暖化や人為的攪乱によるギンネム優占区の形成は、植物種多様性の低下を引き起こすと考えられる。

イネ科植物

7 ヒメモロコシ(イネ科多年生草本、Sorhum halepense forma muticum

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、ヒメモロコシの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、10/8℃区で約0.000(有意な生長なし)、15/13℃区で約0.023、25/23℃区で約0.061と、温度が高い区ほど高くなった(図26)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、10/8℃区で約0.0(有意な値なし)、15/13℃区で約1.5 、25/23℃区で約4.6と、温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.016〜0.018であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.024〜0.035であった。器官別重量比のうち葉の重量比は区間で有意な差がなかったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。一方根の重量比は高温の区ほどやや高くなった。ヒメモロコシは温度が高いほど根への光合成生産物の投資を大きくして、資源(水や栄養塩類)の獲得力を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、ヒメモロコシに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、生長期における気温上昇により相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。また、根への光合成生産物の投資が大きくなって資源の獲得力を大きくすることで競争力を高めるものと推察される。

 ヒメモロコシは群馬県南部〜南関東で猛威をふるっており(石川ら 2009)、群馬県明和町のアドバンテスト・ビオトープにおいては、引き抜き除去を入念に行っているにもかかわらず、地下部が残って再生長するため、根絶に至っていない(星野 2004)。今後温暖化に伴ってさらに地下部が増大すれば、ますます駆除が困難になってしまうかもしれない。

シソ科絶滅危惧種

8 ミゾコウジュ(シソ科越年生草本、Salvia plebeia):準絶滅危惧種

気温に対する生長反応

 異なる温度条件下において、ミゾコウジュの相対生長速度(RGR, g g-1day-1)は、10/8℃区で約0.026、15/13℃区で約0.084、25/23℃区で約0.136と、温度が高い区ほど高くなった(図27)。

 光合成活性を表す純同化率(NAR, g m-2day-1)は、10/8℃区で約0.9、15/13℃区で約3.9、25/23℃区で約7.5と、温度が高い区ほど高くなった。

 各個体の乾燥重量と葉面積の比率を表す葉面積比(LAR, m2 g-1)は、区間で有意な差がなく、0.029〜0.032であった。

 以上の結果から、本種のRGRが気温の高い区ほど高くなった原因は、NAR、すなわち光合成活性の変化であると考えられる。したがって温暖化の進行に伴って、本種の光合成活性が促進され、光合成産物の葉への分配率は変化せず、結果として生長速度は促進されると考えられる。

 各個体の葉の厚みを葉面積/重量ベースで表すSLA(m2 g-1)は、10/8℃区で約0.037、15/13℃区で約0.025、25/23℃区で約0.019と高い温度区ほど低くなった。器官別重量比のうち葉の重量比は温度の高い区ほど高くなったので、結果としてLARは区間で有意な差がなかったものと考えられる。ミゾコウジュはナズナと同様に茎がほとんどない形態をとっており、光合成産物は積極的に葉へ投資されていることが示唆される。

 ミゾコウジュの種子に1ヶ月間の冷湿処理を施した後に30日間培養した場合(青木 2011)と、種子に2ヶ月間の冷湿処理を施した後に60日間培養した場合(高橋 2009)の最終発芽率は、22/10℃区-30/15℃区で50%以上と、温度が高い区ほど高くなった。一方10/6℃区ではほとんど発芽は見られなかった。

 以上の結果から、温暖化が進行して冬季が短縮された場合、ミゾコウジュに対しては生長促進効果があると考えられる。すなわち、発芽・生長期における気温上昇により、発芽が早く確実になり、相対生長速度が高まり生育可能期間も長くなるため、より早い時期により大きな個体サイズになるものと考えられる。しかしながら、冬季の短縮は冷湿処理期間の短縮を招き、発芽率自体の低下を引き起こす危険性もあると推察される。

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