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教員紹介

荒木詳二 (あらき・しょうじ)教授

荒木詳二

ARAKI, Shoji

  • 出身地: 熊本県
  • 最終学歴/学位: 東京教育大学文学研究科修士課程修了/修士(文学)
  • 研究室: 教養教育棟GC208
  • 所属学会: 日本独文学会,世界文学会
  • 専門分野: ドイツ文学,外国文化論
  • 担当科目: ドイツ語Ⅰ・Ⅱ,独文法Ⅰ・Ⅱ,情報文化論など
  • 個人ページ: http://www.si.gunma-u.ac.jp/~tiger/index-j.html

現在の研究テーマ

専攻分野・研究内容紹介

読書遍歴 ― 乱読から読書会へ

誰でも思い当たるところがあると思いますが、田舎の中高校生の読書好きの少年は広い世界に憧れるものですね。日本の児童文学を卒業した私も日本にはないある香気をもった西洋文学を読んで、遠い欧州(パリ)で詩人になって、貧しいながらも心豊かな生活を送ってみたいなあと漠然と考えておりました。そんな中で、ゲーテやヘッセやリルケなどの独文学や、バルザックやフロベールなどの仏文学、ヘミングウエーやマーク・トウェインなどのアメリカ文学などを受験勉強の傍らで乱読しておりました。でも一方では世間はそんなに甘いものではない。なにかちゃんとした職業に就かねばという思いもありました。しかし一年大学浪人している間に、人生は一回きりだ、自分の好きな文学を勉強して、もし生きていけなければそれまでだと決心しました。「しなければならないことをする」から「したいことをする」と発想を転換したことになります。

私が大学へ入学した年は1970年で学園闘争の後で、政治の季節は終わったという人もいましたが、政治や社会科学に関する学生の関心は強く、私もいろんな読書会に参加し、自分でも芸術論研究会を立ち上げたりしました。政治と芸術、芸術と情報操作などのテーマは今でも私の一貫したテーマでもあります。私が参加した読書会の一つは卒業後三十年経った今も続いており、そこでよく読んだフェミニズムのテーマは、現代社会を分析する切り口の一つとして今でも関心を持ち続けています。卒論や修論は、作家兼革命家兼科学者であるドイツのゲオルク・ビューヒナーについて、作家と時代の係り方、個人と社会の対立等をテーマとしました。

異文化理解 ― 日本の現代社会の中の異文化

日本文化は、明治時代まで中国文化、明治から第二次大戦敗戦までは欧州文化、戦後はアメリカ文化の大きな影響を受けて発展してきました。その中から現在私は明治大正・昭和前期に注目し、欧州文化の日本への影響と、日本における欧州文化の変容に興味を持って研究しています。十八世紀欧州で誕生した恋愛結婚の考えが、明治二十年代に日本に紹介されて、どのような変化を遂げたか、またドイツで成立した教養という考え方が、大正時代に日本に輸入されて、どういう運命をたどったかといってテーマに取り組んでいます。日本にすっかり定着したクリスマスを、その起源や日本での普及の歴史などにも興味を持って研究しているテーマです。また外国文化の日本への定着に貢献してきた翻訳に関する研究は、現在の日本文化の分析に欠かせません。

異文化研究は女性の歴史や人権という考え方の普及などさまざまな現象をも対象とする幅広いエクサイティングな研究分野です。

異文化を理解することは、日本を外側から見て、外国文化と自国の文化の影響関係を考え、また共通点や異質な点を考えて、より豊かな文化を構想していくことといえます。


Last Update 2010/06/04