
情報行動学科 情報メディアコース

社会情報過程の主体として人間は情報行動を営んでいます。本コースでは,この情報行動の根本的な理解のために
- 情報メディアと人間の関係
- メディアの変容とコミュニケーションの変容の関係
- 情報行動とコミュニケーションの社会文化論的理解
- 情報倫理とメディア・リテラシー
という4つの側面について総合的かつ実践的に学習します。
これらの学習を通して,情報機器の普及・発展と表裏一体をなしているさまざまな「影」の問題についても正しく把握し,ますます多様化していく今後の社会情報過程のあり方について,具体的に提案できる能力を身に付けていきます。
人間という視点から情報社会の光と影を解明
本コースは,本学部の基本理念のひとつである「情報社会の光と影の解明」について,人間という視点から理解することを目的にしています。そのために人間と情報メディアの関係やあり方,私たちが日常的に営む社会情報過程について,情報科学と人文・行動科学の諸知見を幅広く学びます。そして「情報化と人間の共存」という立場から,高度情報社会の進展を支える最新の情報メディアのメリット・デメリットを把握する手法を学びます。これにより,高度情報社会のさまざまな情報行動の問題を把握し,解決策を具体的・実践的に提案できる能力の習得が可能となります。
こうした本コースの目的を達成するため,次のような3つの履修科目群を用意しています。
1)人間の情報行動を理解する
人と人を結びつけるコミュニケーションや情報行動の仕組み,行動の原理などを中心に学びます。
〈科目例〉コミュニケーション論,人間行動論,情報行動実験実習
2)情報メディアの本質を理解する
私たち人間を取り巻く各種メディアの本質をメディア・リテラシー形成の立場から深く学びます。
〈科目例〉情報メディア論,映像メディア論,マスコミ論
3)社会・文化・歴史から人間を理解する
人間と社会と情報メディアの関係やそれらの問題を幅広い視野からとらえ直します。
〈科目例〉理論社会学,歴史情報論,情報文化論
科目紹介
一部の科目をご紹介します。
マスコミ論A・B
ジャーナリズムの思想について歴史的背景を考慮しながら解説します。特に日本のジャーナリズムのあり方を欧米との比較で解説します。全体的に,実際のジャーナリストとしての取材体験をもとにした講義を展開します。
情報行動実験実習
基礎実験を中心として,人間の意識と行動を科学的に理解するための方法を学びます。実験法の典型的なものから,それぞれの意義や相互の関係といった方法論的問題についても扱います。脳波実験やウソ発見器として知られるポリグラフなどの実験を行います。
国際社会リテラシー
異文化コミュニケーションにおける言語メッセージと非言語メッセージの果たす役割,外国人には理解しにくい「甘え」という概念などを取り上げて,日本人の心の深層に迫っていきます。
社会倫理I・II
社会情報学における倫理問題の成り立ち・位置づけを探り,社会情報研究と倫理思想研究の関連の仕方・倫理問題へのアプローチの方法を考察します。そのうえで実際の社会的事件について,倫理的視点から考察を試みます。