理論社会学研究室・ゼミナールの紹介

キーワード

社会学、社会理論、コミュニケーション、近代的個人、近代産業社会、メディア、民主主義、正義、規範、公共圏、市民社会、官僚制、家族、ジェンダー、権力、宗教、消費社会、個人化、モバイルインターネット、ネット依存/ゲーム依存

社会学とは何か/何を学べるのか

社会学とは、いろいろな社会現象の原因や背景について、根拠を示しながら説明する試み、と考えてください。よく使われるたとえですが、社会学の「理論」は、いわば社会現象を見るための「レンズ」のようなもので、(十分によいレンズであれば)それを通して見ることで、以前はぼんやりとしか見えなかったものがくっきりと見えたり、よくわからなかったことが理解できたりするはずです。

このレンズを通して何を見るかは、ゼミ生次第です。「日本社会の特徴は(あるとしたら)どのようなものか」「摂食障害が若い女性に集中して発生するのはなぜか」「フリーターが増加している原因は何か」「少年犯罪が凶悪化している(と言われている)のはなぜか」「結婚しない人々の割合(未婚率)が上昇している理由はなにか」といった、さまざまなテーマについて探究することが可能です。下に掲載してある、ゼミ生のテーマを見てもらうと、かなり多様(というか、バラバラ?)であることが分かるかと思います。

ゼミ生は、それぞれの関心と好奇心にしたがって、最終的には自分なりのレンズを作り上げることを目標に研究することになります。こちらは、今までの社会学の議論にはこんなものもあるとか、そのやり方ではここがおかしいとか、ゼミ生が自分なりに議論を組み立てる手助けやアドバイスができたらいいと考えています。

さらに詳しく知りたい人は…

現在のゼミ生(3・4年生)のテーマ

現3年生(情報学部生)

なぜBLを好み、隠すのか/ノンバイナリーの社会的・性的マイノリティコミュニティでの孤立とそれによる「生きづらさ」について/若者の価値観の多様化とそれに伴う広告産業の変化/日本におけるK-POP人気と日韓関係/テレビCMとYouTube広告が与える人々への影響/オールジェンダートイレのあり方について/中学生のインターネット利用と教育について/聖地巡礼は地域活性化に繋がるのか

現4年生(社会情報学部生)

個人化による現代社会の変化とこれからについて/ミニ・パプリックスの可能性について/日本における韓流の受容とその流行のあり方について/現代の若者における恋愛とメディアの関連について/レディーススーツの負の影響/台湾は本当に親日か/現代社会における子どもの貧困問題と非認知能力について/労働環境と幸福度の関連について/人々がスポーツ観戦に熱狂するのはなぜか/日本人はなぜ多額の投げ銭・課金をするのか

過去のゼミ生のテーマ

2022年度卒業生

シンデレラは本当に理想の女性なのか/運転免許自主返納率と自治体による支援施策の関係の考察/群馬県の墓の傾向とニーズの多様化/日本の児童虐待の取り組みとこれから ― 海外の取り組みから学ぶ ― /情報化の進展はラーメンにどのような影響を与えたか/アパレル企業がInstagramマーケティングに注力する理由とは/現代社会とお笑いの関係性/恋愛映画から読み解く日本社会の変化 ― 2010年から2022年までの13年間において ―/未成年がネット依存に陥る要因と対策

2021年度卒業生

Black Lives Matterの広まりと黒人差別に対する意識/炎上する美容広告/なぜ感染予防でなくともマスクを着用したいと思うのか/醜形恐怖とルッキズム/なぜ人々は映画を倍速で観るのか/出生順位によるSNS利用の違い/アニメの聖地巡礼による地域振興/社会変化と流行の関係性/電子書籍は出版業界を救うのか/ポストコロナ時代における大学の在り方について/流行の仕組みとファッションのリバイバル

2020年度卒業生

貧困の母子家庭世帯が貧困から抜け出すために/群馬県における未婚化対策/スクールカーストとコミュニケーション能力の関係について/「Jポップ」が日本で好まれる理由と日本特有の文化的要素/日本におけるミニマリストの誕生と受容の要因/日本アイドルの応援の変化若者はなぜSNSに個人情報を開示するのか ― 監視文化から考える ― /コンプレックス広告の容姿差別について/外国人単純労働者を受け入れるべきか ― コロナ禍での受け入れ体制

2019年度卒業生

ジェンダーに関する人々の意識の変化 ― なぜ広告は炎上するのか ― /学歴分化前の子どもがいる母子家庭世帯の貧困の現状と課題 ― 親の養育費受給率と子どもの自己効力感から見えてくるもの ― /女性仮面ライダーが見せるロールモデル/アイドルにおける「プロフェッショナル」とは/Twitter上での無意識なプライバシー情報の公開を防ぐために ― プライバシー・パラドクスとリスクの回避 ― /現代の若者が求める「心の豊かさ」とは ― 消費傾向からの考察 ― /「スクールカースト」によって生まれる友人グループ内の人間関係/外国人を包摂のためのスポーツの有効性/日本におけるアロマテラピー受容について/2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた外国人に対する防災 ― 中越地震から東日本大震災を通して得られた教訓を生かして ―

2018年度卒業生

いれずみの今後/今、なぜ「普通っぽい」アイドルなのか/食品ロス問題解決において、消費者に対する道徳意識への呼びかけは有効なのか −社会的ジレンマとして考える−/やさしい社会の生きづらさについて/インスタ映えとInstagramが問題解決に果たす役割/社会がLGBTに対して十分に寛容ではないのはなぜか/なぜSNSが煩わしいものになるのか/現代において「美術」となるグラフィティとは/現代日本における不寛容/貧困の責任を個人に問うことは妥当なのか〜自己責任論の考察〜

2017年度卒業生

テレビ広告に残された可能性/現代日本の音楽消費の変化/現代の消費社会におけるファッションの役割について/少年期のスポーツ指導者はどのようにして勝利追求するべきか/持続可能な開発における国際意思疎通のジレンマ/今後のインターネット広告に必要な考え方について/現代の女性が化粧を強制されることによる生きづらさについて/学歴がもたらす格差と不平等の現状と課題/なぜSNS利用はやめられないのか ― SNS利用の現状を踏まえて ― /情報技術の変遷による情報モラル教育の重要性

2016年度卒業生

日本で代理母出産を認めるにはどうしたらよいか/なぜドーピングは悪いとされているのか/「ペットロス」のつらさはどうしたら軽減できるか/場に集う ― 前橋市のサードプレイス創出について/青少年のスマートフォン利用におけるルールの在り方/パブリックアートが市民理解を得る方法とは何か/未婚化をすすめている原因は何か

2015年度卒業生

現代社会における命名文化の変容と認識について/常識とは何か。/働きすぎの時代でのグローバル化と資本主義との関係また企業の実態について/未婚化・晩婚化について/未成年者の携帯電話利用における問題点とそれに対する保護者の対応に関する考察/ICTの活用による障害者と健常者の共生と意識変化について/なぜインターネットコミュニティが煩わしいものになるのか

2014年度卒業生

離婚という選択の是非 ― 不自由で無責任な日本の離婚/教育機会の不平等による貧困再生産の現状とその課題/日本の現代社会におるけ文化の認識/子どもの携帯電話・スマートフォンの利用 ― 自治体の取り組みの可能性について/女性ファッション誌 ― 需要減少の原因とその展望/地域密着型スポーツとしてのJリーグの意義と可能性/クールジャパンはなぜ批判されるのか/日本人の時間意識と変化する生活時間 ― 豊かな時間意識とは/台湾人はなぜFacebookに没頭するのか/現代社会における監視と自由について

2013年度卒業生

インターネット時代における少年犯罪の『凶悪化』/国内の携帯電話販売体制とガラケーへ求められる姿/日本人のジェンダー意識の変化〜創作物に見る男らしさ〜/モンスターペアレントに関わる社会の背景/結婚願望のある若者が結婚できないのはなぜか/長時間労働が減らないのはなぜか

2012年度卒業生

コミュニケーション的行為として考える口コミ・レビューサイト/LINEから見る現代社会/若者(論)について考察する/現代社会における流行現象/男性の育児参加はなぜ進まないのか/社会と子供の名前の変化について/未婚化について/日本社会の笑い

2011年度卒業生

ネット社会に生きる青少年〜なぜ青少年はネット遊びをするのか〜/日本の労働についての分析と問題提起、その解決策/日本におけるアメリカンフットボールの普及可能性/なぜ日本のアニメ文化は世界へ広がっていったのか/共働き夫婦における子育てをいかに支援すべきか/被災地における情報伝達のあり方/若年層女性の専業主婦志向増加について

2010年度卒業生

子どもにケータイを持たせるとしたら/Jポップ産業に表れる社会構造/ディストピアを描く漫画は何を象徴しているか/空気系ジャンルの想像力について/男子校出身者は女性と上手くコミュニケーションがとれないのかについての研究/『Q10』を中心とした木皿泉のドラマ批評/日本のセックスワークについて

2009年度卒業生

情報化時代における監視社会について/人はなぜmixiに惹かれるか/日本サッカーにおけるステレオタイプ/若者の無気力について/家族の変容について ― 新しい家族の形 ― /ビール離れの社会構造

2008年度卒業生

なぜワーキングプアは増えているのか/日本の自殺原因とその対策について/社会と「やさしさ」/現代日本における格差の再生産について/ブログにみる日米社会の違い/日本の温暖化対策はなぜうまくいかないのか ― 社会的ジレンマとの関係について ― /報道被害を防ぐには/アメリカ黒人とスポーツの関係/戦後安定社会と近年のナショナリズム

2007年度卒業生

なぜ人は美容クリームを買ってしまうのか〜化粧品の購買行動に関する一考察/若者はなぜ上司に従わないのか ― 権力の観点からみた会社における若者の現状 ―/地域間格差はなぜ拡大するのか/なぜ企業不祥事が後を絶たないのか/ユーゴスラヴィア紛争とナショナリズム/ドラマトゥルギーから見たいじめ/高等教育の教育費問題/科学としての五行説 ― 近世日本において「理論としての科学」が発展しなかった理由/ニートの社会的構成

2006年度卒業生

現代日本社会における関係性―「ひきこもり」を通しての一考察/『働きマン』からみる現代の仕事観/近代化における中央と地方の差別化のメカニズム〜方言はなぜ笑われるのか〜/クローン技術の捉え方/少年犯罪への対策/なぜニート対策は成果をあげられないのか/なぜ出会い系サイトに惹かれるのか/日本の薬物問題/現代女性の労働と結婚/アルコール依存と近代社会/家族介護 ― 理想の「終のすみか」へ ―

2005年度卒業生

社会的ジレンマとしての環境問題/日本の少子化の原因について/女性はなぜ母性を受け入れたのか/少年犯罪の凶悪化イメージ形成におけるマス・メディアの役割/ダイエット産業を発達させたもの/ドメスティック・バイオレンスにおける女性の人権侵害とその対策/日本人論はどのくらい信頼できるのか/ドーピングを招く社会構造

2004年度以前の卒業生

農産物のトレーサビリティが国内農業に及ぼす影響/宗教受容から見た日本社会の特性/我が国の少子化について

授業の概要

3年前期は社会学の入門的なテキストの輪読、3年後期は各参加者の問題意識(希望)に応じたテキストの講読、ゼミ生による研究報告です。基本的には輪読のゼミなので、一人では読めないような難しい本をみんなで読む授業です。

2023年度前期は『入門 社会学』(李侖姫・渡辺深, 2022, ミネルヴァ書房)を使いました。後期は『性差別の損失 ― なぜ経済は男性に支配され、女性は排除されるのか』(リンダ・スコット,2023〔原著は2020〕,柏書房)を講読します。

夏休みにゼミ合宿を行い、それぞれの卒業研究計画を報告してもらっています。2020〜22年度はコロナウイルス流行の影響で中止しましたか、23年度に復活する予定です。

過去に用いたテキストとゼミ内容

受け入れ可能人数

8名

メッセージ

ゼミについての質問は、メールを出すか、研究室(10号館508)に直接質問に来てください。オフィスアワーは木曜 12:00〜14:00です。この時間以外でも授業や会議がなければ対応しますので、連絡してください。

評価

報告と授業への貢献度(授業中の発言)を総合的に評価します。


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