調査地概要

 

群馬大学荒牧キャンパス構内雑木林

群馬県前橋市北部の群馬大学荒牧キャンパス構内雑木林は構内の南西部に位置する。構内雑木林は、二次的な成立をした林であると考えられ、アカマツ林からクヌギ、コナラ林へと遷移する途中の、関東広陵地に多い里山(恒川 2001)の典型と位置づけられる(写真1)。ここはもともと利根川の河川敷であり、赤城山と榛名山に挟まれた関東平野の北端に位置する。群馬大学荒牧キャンパスが設置される以前から成立していて、前橋市内の市街地に残された数少ない里山林であると推察される。
 高木としてはアカマツ、コナラ、シラカシ、クヌギ、エノキなどの在来樹木が生育し、林床にはアズマネザサが繁茂する部分と、ヒナノガリヤス、アキノキリンソウ、ノコンギク、ヤクシソウといった里山植物と、多くのシラカシ、コナラの稚樹が生育する部分がモザイク状にみられる(高畠 2012)。成木の立木密度は、1haあたり、約1466本と算出されている(町田 2005)。


チノー・ビオトープ

群馬県藤岡市森、株式会社チノー藤岡事業所敷地内に造成されたビオトープで、2009年9月に造成開始、2010年10月に竣工したものである。正式名称はチノービオトープフォレストである。設計段階から群馬大学社会情報学部環境科学研究室の石川真一教授が、生態学的学術調査に基づいたアドバイスを行っている。本ビオトープの周辺にはJR高崎線、国道17号が走り、敷地内600m北側には烏川が、約1㎞西側には鏑川が流れている。
 本研究で、枯損木を除外して毎木調査を行い、その結果に基づいてコナラの成木樹木生長量、現存量の推定を行った。

 


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