研究方法

1 植物相調査

足尾町

 2005年4月18日に予備調査を行い、2005年5月14日に南橋(A1)、新渡良瀬橋(A2)、2005年7月18日に新渡良瀬橋(A3)、2005年10月27日に足尾の親水公園(A4)で複数個体の出現が確認できた植物種を採取または、デジタルカメラで撮影し、研究室に持ち帰って種名を調べた(図2)。

草木ダム周辺

 2005年4月18日に予備調査を行い、2005年7月18日に沢入発電所周辺や草木湖展望台(KD1〜KD4)、2005年11月5日に沢入発電所付近の地点(KD5)、草木橋のボート乗り場(KD6)で複数個体の出現が確認できた植物を採取または、デジタルカメラで撮影し、研究室に持ち帰って種名を調べた(図4・図5)。

桐生市

 2005年4月18日に予備調査を行い、2005年6月20日に桐生大橋の人工的にのり面緑化や石が固められている地点(KR1)、桐生大橋の川辺(KR2)、2005年10月22日に桐生大橋の川辺で在来種が多い地点(KR3)、桐生大橋の川辺でハリエンジュが茂っている地点、(KR4)、松原橋の丸石川原付近の地点(KR5)、松原橋の川辺でハリエンジュが茂っている地点(KR6)で複数個体の出現が確認できた植物を採取または、デジタルカメラで撮影し、研究室に持ち帰って種名を調べた(図6・図7・図8)。

2 発芽実験

材料

 群馬大学荒牧キャンパス構内(馬術部周辺)で2005年8月26日に採取したハリエンジュの種子を用いた。

予備実験

 ハリエンジュの種子は、種皮に傷をつけて不透水性を解除しないと、吸水せず、発芽しないとされている(慶野2005)。そこで温度発芽実験に使用する種子は、硫酸に浸し、種皮に傷をつけて不透水性を解除したものを用いることとした。2005年9月5日に予備実験を行い、硫酸に浸しておく適切な時間を解明した。

 5分・15分・30分・60分の4段階の時間間隔で硫酸に浸し、5分間水道水で洗い、さらに、蒸留水で洗った。次に石英砂と蒸留水を入れた直径9cmのプラスチック製シャーレを、硫酸に浸した時間ごとに1シャーレずつ用意し、1シャーレにつき種子を10個入れた。これらを、温度勾配型恒温器(TG100-ADCT、NKSYSTEM)の10℃/6℃(昼間14hr/夜間10hr)の温度区に入れ、一晩置いた。

 この予備実験の翌朝(2005年9月6日)には、硫酸に60分浸した種子の吸水率が88%と最も高かった。よって、温度発芽実験では、より吸水性を高めるため、75分硫酸に浸すこととした。

発芽の温度依存性解析実験

 予備実験の結果より、種子を硫酸に75分浸し、水道水で2時間洗い流し、さらに蒸留水で水洗いした。石英砂と蒸留水を入れた直径9cmのプラスチック製シャーレを、各温度条件につき3シャーレずつ用意し、1シャーレにつき種子を50個入れた。これらを温度勾配型恒温器(TG100-ADCT、NKSYSTEM)と、4℃の冷蔵庫内で培養した。温度勾配型恒温器内の温度設定は、30℃/15℃、25℃/13℃、22℃/10℃、17℃/8℃、10℃/6℃(昼間14hr/夜間10hr)の5段階とし、昼間の光量子密度は、蛍光灯を用いて約30μmolm-2s-1に調整した。2005年9月12日から実験を開始し、実験後、2005年9月23日までは毎日、その後は1〜3日おきに2005年10月21まで観察した。根の出現が確認出来たものを発芽種子とみなし、数を数え記録し、取り除いた。また、観察ごとに蒸留水を注ぎ足し、常時湿った状態を保った。また、高温では、カビが生えやすいので、30℃/15℃、25℃/13℃のシャーレには、カビ防止のため、農薬(ベンレート)を入れた。実験開始から2日経っても吸水していない種子は、カッターナイフを用いて、1つずつ種皮をカットした。

発芽阻害物質の確認

 ハリエンジュの種子に対して?何も手を加えない、?カッターで種皮をカットする、?カッターで種皮をカットして水洗いする、の3種類の処置を施した。その後、石英砂と蒸留水を入れた直径9cmのプラスチック製シャーレを各処理につき3シャーレずつ用意し、1シャーレにつき種子を50個ずつ入れた。これらを温度勾配型恒温器の10℃/6℃の温度区で実験を行った。2005年9月12日から実験を開始し、実験後、2005年9月23日までは毎日、その後は1〜3日おきに2005年10月21まで観察した。根の出現が確認出来たものを発芽種子とみなし、数を数え記録し、取り除いた。また、観察ごとに蒸留水を注ぎ足し、常時湿った状態を保った。5日経過後も発芽が見られなかったので、全てのシャーレを30℃/15℃の温度区に移し替え、農薬(ベンレート)をいれて実験を継続した。

3 土壌窒素濃度分析

 2005年10月22日に桐生大橋直下の川辺の在来種が多い地点(KR3)、ハリエンジュが茂っている地点(KR4)、松原橋直下の丸石川原(KR5)、川原から一段上がったハリエンジュが茂っている地点(KR6)、2005年10月27日に足尾の親水公園(A4)にて、2005年11月5日に草木ダムの沢入発電所付近の地点(KD5)、草木橋直下のボート乗り場(KD6)にて、各調査地点内の3箇所から土壌を採取した。土壌は表層1?を取り除き、その下10cmの部分を採取して、測定まで冷凍庫で保管した。

 各箇所の土壌30gを蒸留水30mlで懸濁して、約10分間静置した後、ガラスファイバー製濾紙(GFC-NO2、ADVANTEC)を使用して濾過した。この濾液中の硝酸態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度、アンモニア態窒素濃度をポータブル簡易全窒素全りん計(TNP-10、東亜ディーケーケー)を用いて測定した。

 なお、KD6、KR3、KR4、KR5、KR6にて採取した土壌は、濾過だけでは測定が不可能であったため、濾過の後に濾液を遠心分離機(M-160-24、佐久間製作所)に6000rpmで10分間かけてシルトを沈降させ、上澄みを測定に用いた。

 また、各地点の土壌30gを送風低温乾燥機(FC-610、ADVANTEC)内にて80℃で1週間乾燥させた後、乾燥重量を測定し、湿潤重量と乾燥重量の差分をもって土壌含水量を算出した。

 湿潤重量 − 乾燥重量 = 土壌含水量 

 ポータブル簡易全窒素全りん計での測定値と土壌含水量から、土壌中の水分1Lあたりの硝酸態窒素濃度、亜硝酸窒素態濃度、アンモニア態窒素濃度を算出した。

( 土壌含水量 + 30ml ) / 土壌含水量 = 倍率

 倍率 × 測定値 = 1Lあたりの濃度 [mg/L]

 また、算出値から、アンモニア態窒素の比率を以下の計算より求めた。

 アンモニア態窒素濃度 / ( 硝酸態窒素濃度 + 亜硝酸態窒素濃度 )= アンモニア態窒素比


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