IV-2. 方法


 覚満淵では2001年7月から9月にかけて植生調査、地形調査を行った。また、覚満淵の管理主体である群馬県自然環境課に対して、覚満淵に対する管理方法についてのヒアリング調査を行った。


[ 調査1] 植生調査


 覚満淵内を計6地点において調査した。2001年8月1日、9月13日に、木道・遊歩道沿いを中心に観察を行い植物をリストアップした。調査地点は[図1]に示す。調査地2-1、2-2は木道からの距離と植生をみるために調査地を木道から20mまでの地点と20m以降の地点の二点に分けることとした。なお、調査地1、2-1、2-2(木道から20m地点)は、2001年3月下旬からの木道補修が行われた地域であるため、特に重点的に調査を行った。


[ 調査2] 湿原範囲と木道位置調査、土壌含水率分布


 覚満淵は湿原とそこに設置されている木道を含む地図が作られていないため、木道と湿原の位置を測定した [ 図1][ 表1-1, 1-2]。現地では、巻尺を用いて、湿地帯の木道に対しての距離、木道の幅を計測した。湿原の奥深くは地盤が緩く踏み込めないため、巻尺に重石をつけ、それを投下することで計測した。その際の湿地帯とは、水際から低木林までのことである。
 また、土壌内水分状態の勾配を明らかにするために、土壌含水率を測定した。湿原から低木林にかけて9mの範囲内0.5mごとに土壌含水率計(Theta-Probe.Delta-T社)を用いて測定した。また、その内の4地点の土は持ち帰り、乾燥重量を測ることで土壌含水率計(Theta-Probe.Delta-T社)の出力を補正した。湿重量と乾燥重量から含水率を以下の計算式により求めた。
  土壌含水比=(wetwt-drywet)/drywet
    土壌含水率=((wetwt−drywet)/wetwt)


[ 調査3] 覚満淵管理主体に対するヒアリング調査


 県有公園内に属する覚満淵の管理の在り方について、群馬県自然環境課(公園管理係、公園整備係)にインタビュー形式によるヒアリング調査を12月12日県庁にて行った。質問項目は以下にあげる4点(事前にメールで連絡済み)を中心としたものである。なお、インタビューに際して適宜質問を追加した。
 質問項目
 ・湿原の管理についての指針は何を根拠に決めているのか。
 ・覚満淵周辺の木道整備工事の工期、予算、概要等。
 ・群馬県にとって県立公園はどのような意味合いを持っているのか。
 ・群馬県の管理方法はどういった手順を踏んで行っているのか。

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