ゼミナール・ガイダンス資料 ― 理論社会学
(理論)社会学とは何か
…という話は、ゼミ紹介でしてあるので省略します。
伊藤の研究内容について
講義「社会学的コミュニケーション論」で触れていますが、ドイツの社会学者Habermasの社会理論を中心として、規範的社会理論・現代社会論について研究しています(最近は、G. Saadの進化論的消費社会論、U. Beckの個人化論、G. Ritzerのマクドナルド化論、H. Rosaの加速化理論、G. Saadの進化心理学的消費論などにも興味を持っています)。
中高生のモバイル・インターネット問題やいわゆるネット依存(ゲーム行動症)の調査にも関わっています。2013年度から前橋市で小中学生対象、2020年度は全国の小学生の保護者対象の調査、2021年度は全国の小中高生対象のアンケート調査を実施しました。
授業内容について
ゼミは基本的に参加者のやりたいことをやるべきだと思っています。前期は、社会学の入門的なテキストの輪読、後期は、各参加者の興味に応じたテキストを読み、ときどき個別の参加者の研究報告を入れることにしたいと思います。特に後期には、ある程度読みごたえのあるテキストを用いたいと思います。
ブックガイド
比較的読みやすい(多分)ものを集めてみました。こういう本に興味があるのなら、伊藤ゼミに向いているのかもしれません。
■社会学全般に関するもの
- 出口剛司, 2019, 『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』, KADOKAWA.
- 豊泉周治・鈴木宗徳・伊藤賢一・出口剛司, 2014, 『〈私〉をひらく社会学 ― 若者のための社会学入門』,大月書店
- 佐藤俊樹, 2011, 『社会学の方法 ― その歴史と構造』, ミネルヴァ書房.〔難しいところもかなりあります〕
- 見田宗介, 2006, 『社会学入門 ― 人間と社会の未来』, 岩波新書.〔後半はちょっと難しいかも〕
- 見田宗介, 1996, 『現代社会の理論 ― 情報化・消費化社会の現在と未来』, 岩波新書.
- 奥村隆(編), 1997, 『社会学に何ができるか』, 八千代出版.〔読みやすくてオススメ〕
- コリンズ, 1992, 『脱常識の社会学 ― 社会の読み方入門』, 岩波書店.
■社会学の古典
- ヴェーバー, 1989, 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』, 岩波文庫.
- デュルケーム, 1985, 『自殺論』, 中公文庫(他の版もあり).
- マルクス, 1971, 『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』, 国民文庫(他の版もあり).
- フロム, 1965, 『自由からの逃走』, 東京創元社.
- リースマン, 1964, 『孤独な群衆』, みすず書房.
- バーガー&ルックマン, 1977, 『日常世界の構成 ― アイデンティティと社会の弁証法』, 新曜社.
■文化/教育
- 真木悠介, 1986, 『気流の鳴る音 交響するコミューン』, ちくま文庫.
- 苅谷剛彦, 1996, 『大衆教育社会のゆくえ ― 学歴主義と平等神話の戦後史』, 中公新書.
- ドーア, 1990, 『学歴社会 ― 新しい文明病』, 岩波書店(同時代ライブラリー37).
- 竹内洋, 1991, 『立志・苦学・出世 ― 受験生の社会史』, 講談社現代新書.
- イリッチ, 1977, 『脱学校の社会』, 東京創元社.
- ウィリス, 1996, 『ハマータウンの野郎ども 学校への反抗 労働への順応』, ちくま学芸文庫.
- 門脇厚司, 1999, 『子どもの社会力』, 岩波新書.
■ナショナリズム/権力
- 小熊英二, 1995, 『単一民族神話の起源 ― 〈日本人〉の自画像の系譜』, 新曜社.
- アンダーソン, 1987, 『想像の共同体 ― ナショナリズムの起源と流行』, リブロポート.
- ウォルフレン, 1994, 『日本/権力構造の謎(文庫新版) 上・下』, ハヤカワ文庫.
- アレント, 1995, 『革命について』, ちくま学芸文庫.
- フーコー, 1977, 『監獄の誕生 ― 監視と処罰』, 新潮社.
- 吉野耕作, 1997, 『文化ナショナリズムの社会学』, 名古屋大学出版会.
- 佐藤俊樹, 2005, 『桜が創った「日本」―ソメイヨシノ 起源への旅』, 岩波新書.
■家族/結婚
- ブリントン, 2022,『縛られる日本人 ― 人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか』, 中公新書.
- 赤川学, 2017,『これが答えだ!少子化問題』, ちくま新書.
- 山田昌弘, 2004, 『希望格差社会』, 筑摩書房.
- 赤川学, 2004, 『子供が減って何が悪いか!』, ちくま新書.
- 山田昌弘, 1996, 『結婚の社会学 ― 未婚化・晩婚化は続くのか』, 丸善ライブラリー.
- 山田昌弘, 1999, 『パラサイト・シングルの時代』, ちくま新書.
- 河原和枝, 1998, 『子ども観の近代 ― 『赤い鳥』と「童心」の理想』, 中公新書.
- 落合恵美子, 2000, 『近代家族の曲がり角』, 角川叢書.
■ジェンダー
- 若桑みどり, 2003, 『お姫様とジェンダー ― アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』, ちくま新書.
- 瀬地山角, 1996, 『東アジアの家父長制 ― ジェンダーの比較社会学』, 勁草書房.
- 伊藤公雄, 1993, 『〈男らしさ〉のゆくえ ― 男性文化の文化社会学』, 新曜社.
- ホックシールド, 2000, 『管理される心 ― 感情が商品になるとき』, 世界思想社.
- 上野千鶴子, 1990, 『家父長制と資本制』, 岩波書店.
- 大日向雅美, 2000, 『母性愛神話の罠』, 日本評論社.
- 金野美奈子, 2000, 『OLの創造 ― 意味世界としてのジェンダー』, 勁草書房.
- 浅野千恵, 1996, 『女はなぜやせようとするのか ― 摂食障害とジェンダー』, 勁草書房.
- 村松泰子/ヒラリア・ゴスマン編, 1998, 『メディアがつくるジェンダー ― 日独の男女・家族像を読みとく』, 新曜社.
- 加藤まどか, 2004, 『拒食と過食の社会学 ― 交差する現代社会の規範』, 岩波書店.
- 小笠原祐子, 1998, 『OLたちの〈レジスタンス〉』, 中公新書.
■情報社会論
- 佐藤俊樹, 1996, 『ノイマンの夢 近代の欲望』, 講談社選書メチエ.
- ウェブスター, 2001, 『「情報社会」を読む』, 青土社.
- 吉見俊哉, 1995, 『「声」の資本主義 ― 電話・ラジオ・蓄音機の社会史』, 講談社選書メチエ.
- 吉見俊哉ほか, 1992, 『メディアとしての電話』, 弘文堂.
- 佐藤卓己, 1998, 『現代メディア史』(岩波テキストブック), 岩波書店.
- サンスティーン, 2003, 『インターネットは民主主義の敵か』, 毎日新聞社.
- 森健, 2006, 『グーグル・アマゾン化する社会』, 光文社新書.
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