eデモクラシーの理論と実践:詳細/リンク集.
電子民主主義(electronic democracy,e-democracy)は,社会情報学が電子資本主義のつぎに取り組まなければならない重要なテーマである.同じような意味でしばしば使用される言葉には,teledemocracy,digital democracy,cyberdemocracy,virtual democracyがある.最近,IEEEと国際政治学会で大きな特集が組まれ,国内外での出版が相次いでいる.これらの文献は基礎とするディシプリンや吟味の視点などの違いを背景に固有な特徴をもっている.しかし,電子民主主義の研究をどのように進めるべきかという枠組みを構想しつつ,過去のいくつかの具体的な研究成果をそのもとに位置づけながら,今後の問うべき問いを提示し,それらを共有していこうとするという点で共通している.ここでは,上述の学術研究の大きな流れに沿って,これまで試みられていなかった意思決定科学の立場から,今後の電子民主主義研究における問うべき問いを理論面と実践面から検討する.
不確実性のもとでの集合的意思決定:詳細/リンク集.
従来の集合的意思決定理論は,社会的選択論や集合的選択論に代表されるように「確実性のもとでの集合的意思決定」を対象として多くの成果を生み出してきた.しかし,「不確実性のもとでの集合的意思決定」をまったくと言っていいほど,対象にはしてこなかった.不確実性の視点から,集合的意思決定理論の新たな展開と再構築を試みる.
コンドルセの陪審定理とその展開・応用:詳細/リンク集.
Condorcetといえば「投票のパラドックス」が有名である.近年の社会的選択理論はこのパラドックスに端を発し発展してきた.しかし,コンドルセ自身の本来の関心はこのパラドックスにはなかった.それは,じつは,「陪審定理(Jury Theorem)」にあったのである! この定理のさらなる展開と現実への応用可能性を探る.
社会的マッチングの理論と実証:詳細/リンク集.
“入試,就職,結婚”といえば,われわれ「個人」の人生にとっての最も重要な転換点である.と同時に,これらが公平性と平等性・安定性を満たした状態で実施されているかどうかは「社会」にとっても重要な現象である.“理論を背負って現実に入り、現実を背負って理論に入る”という理論と現実のあいだを行ったり来たりしながら,社会的マッチング現象の実像を分析し,望ましい社会的マッチングの制度を設計する.
投票の理論と方法:詳細/リンク集.
「投票とは何か?」 これまで数多くの研究者がこの問いの答えを探し求めてきた.「民主主義はいかにして正当化できるか?」というより大きく重要かつ本質的な問いに答えるために不可欠だからである.しかし,これまでの答えには一長一短があり,論争は決着していない.従来の研究成果を踏まえ織り込みながら,an epistemic interpretation of voting の意義と射程を解明する.