群馬大学と中央工科デザイン専門学校による初の連携教育プログラム
「学生パワーの結集による“ぐんまブランド”創出プロジェクト」
に関する発表資料
群馬大学社会情報学部 経営学研究室
1.概要
群馬大学社会情報学部経営学研究室と中央工科デザイン専門学校デジタルデザイン科は、本年4月より、エントリーした企業の新商品開発を、両校の学生たちの手によって実現するという新たな教育プログラムを開始します。この教育プログラムは、大学と専門学校がそれぞれの強みを生かしながら連携することによって初めて可能になるもので、学生たちには、教室の授業のみではけっして得られない実践的学習の場や、自らのアイデアやセンスが企業の商品化や新規事業展開に結びつくというインセンティブが提供されることで、きわめて高い教育効果が期待されます。また、極度の閉塞(衰退)状態に陥っている群馬産業界にとっても、若者たちの活力や柔軟な思考を活用しながら現状からのブレイクスルーを模索する機会が得られるという点で、これまでになかったタイプの地域振興策として位置づけることができます。
2.教育プログラムの流れ
本プログラムは、次のような流れで進行します。
@本プログラムの告知・募集要項の配布
A参加企業の募集(今期は5社程度を予定)
B参加企業の審査・決定(参加費用として10万円をご負担いただきます)
C各エントリー企業を担当する学生チームの結成
D両校の共同作業(調査・分析・マーケティング・コンセプト立案・デザイン
E学生による各エントリー企業へのプレゼンテーション
Fエントリー企業と指導・支援スタッフによる商品化審査
G商品化が決定したアイデアに関する各種契約(⇒商品化)
H県内マスコミを通じてのパブリッシング
3.プログラムの意義・特徴
(1)教育上の意義
群馬大学での経営教育も、中央工科デザイン専門学校でのデザイン教育も、そこで習得した能力やスキルが企業や各種組織における顧客獲得や競争力強化に寄与することで、はじめてその教育効果が検証されることとなります。ところが、多くの大学や専門学校は、既存のカリキュラムの中のみでは、必ずしもそうした教育効果を検証する場を十分に持つことはできませんでした。本プログラムでは、実際の企業の新商品開発に学生が直接関わることで、現在の教育効果が検証されるだけでなく、それがフィードバックされることによって、実践性・現実適用性を重視したカリキュラムの継続的な改善・高度化が可能となります。また、本プログラムに参加する学生は、さまざまな授業を「社会に出てから何となく役に立ちそう」という中途半端な姿勢で学ぶのではなく、「それが企業や各種組織のいかなる場面でどう役に立つのか」を明確に実感しながら学べるようになることから、学習効果が大きく向上することは言うまでもありません。もちろん、努力次第では自分のアイデアやセンスが実際の商品化に結びつくかもしれないという醍醐味は、最高のモティベーションを学生に与えることとなるはずです。
(2)シナジー効果
両校の連携は、経営教育とデザイン教育の融合を目指すという点で、世界的な潮流に合致した絶妙な組み合わせとも言えます。近年、欧米のリーディングカンパニーにおいては、デザイン教育を行っている大学を「イノベーションをマネージする人材の供給源」として見なすようになってきています。これらの企業では「デザイン」を、色や形を主たる内容とする狭い概念としてではなく、経営戦略の中核を形成するきわめて重要な機能やスキルとして捉えています。著名なビジネススクールのプログラムに、デザイン関連科目が豊富に組み込まれるようになってきたのも、デザインの重要性に関する認識の高まりを示したものと言えるでしょう。戦略的・マーケティング的な手法やスキルには熟達しているものの、美術的なセンスや技能は不足する群馬大学の学生と、デザインに関するセンスや技能には秀でているものの、そのベースとなる顧客分析や競合分析等には必ずしも慣れ親しんでこなかった中央工科デザイン専門学校の学生との共同作業は、日本の高等教育の世界ではこれまで生み出しえなかったユニークなシナジー効果を発揮するものと期待されます。
(3)産業界への貢献
不況にあえぐ群馬の産業界の唯一とも言える現状打開策が、オリジナルで新規性ある商品・製品・サービス等を開発し、“ぐんまブランド”として国内外に大々的にアピールしていくことであるのは、以前から主張されてきているところです。とはいうものの、それはそう簡単に実現できるわけではありません。多額の投資が必要なばかりか、それを投下したとしても新商品開発に成功する保証はまったくないからです。こうした時に必要なのが、2つの発想転換です。1つは、技術系の商品開発ばかりにこだわらずに、より少額のコストでヒット確率の高いデザイン性やイメージ性で勝負するという発想転換を試みること。もう1つが、最近煮詰まりつつある専門家のアイデアに依存するのではなく、思考が柔軟で時代の流れにも敏感な若者の力を活用してみることです。多額の資金を投下しても成功するかどうかわからない新商品開発ですから、10万円のコストで若者に賭けてみるという手も十分に合理性を有しているのではないでしょうか。
4.プログラムの指導・支援体制
本プログラムが実効性を上げるかどうかは、両校のスタッフによる指導・支援体制にかかっています。本プログラムは、次のようなスタッフによって高いパフォーマンスを目指します。
◇中央工科デザイン専門学校講師
清水 朗(UOVO DESIGN代表、リ・タウト学会会長)
◇群馬大学共同研究イノベーションセンター客員教授
岡 俊明(I&Oマーケティング代表、元サッポロビール飲料椛纒\取締役社長)
◇群馬大学社会情報学部教授
寺石 雅英(潟Gスイー監査役、潟Rシダカ監査役)
◇群馬大学社会情報学部講師
井上 俊也(NTTコムウェアエンタープライズ・ソリューション事業本部事業推進部長)