色グラデーション帯尺度による集団間関係の研究
b集団間差別についてb

                         高田愛衣

  私たち人間は、常に集団を形成しながら生活や行動をしている。一人では生活できないほど他の人 や集団に依存し生活していると言えるだろう。学校や職場、家族といった小集団から、国家、民族、人種といった大規模集団などさまざまな集団が存在している。さらに、これらの集団も単独ではなく常に複数の集団が存在し、人びとはたとえ個人であったとしても何らかの集団の成員として相互作用に参加している。
 このような状況において、人が所属している集団、あるいは、その集団の成員であることを認知している集団を内集団と呼び、所属していない集団を外集団と呼ぶ。この集団間には、常に集団間競争や集団間葛藤が引き起こっていると言える。また、自分の所属している集団(内集団)をひいきする内集団ひいきなども生じる。
 ここでは、色グラデーション帯を使って優劣の価値判断に左右されない2集団間の区別の度合い、知覚レベルでの集団間関係を研究する。