友人関係におけるソーシャル・サポート
−受け手にとって有益なサポートとは?−

                          榎並 明美

 ソーシャル・サポート研究とは、対人関係と人間の心身の健康との関連について解明するため行われているものである。本研究では、ソーシャル・サポートが人の心身の健康に効果的な働きをするとすれば、受け手にとって有益なサポートとは何なのかということに注目した。そこでこれまでの研究結果から、友人関係において行われるソーシャル・サポートは、サポートの種類を情緒的/情報的/実体的の3つに分け比較すると、情緒的サポートが最も有益であると仮定した。しかし調査の結果、情報的サポートが最も有益であるという評価を得た。これは、情緒的サポートが必ずしも望まれていないことを示した。そして、情報的サポートは、情報の正当性が高ければ有益と評価されやすいことを示唆した。ストレスを処理するためには、情報的あるいは実体的といった道具的サポートも有効であり、友人という共同関係においても有益だと評価されたのである。