異文化間接触における単純接触効果の研究
−電子メールを使った事例研究−

                          相場 千亜美

 ビッグベント短大と米沢女子短期大学の間で、学生同士による電子メール交換を通した交流計画を去年に引き続き行うことになった。
 この交流は電子メディアでの交流であるため、文字によるメール交換と、画像による顔写真の呈示を繰り返し行うことで相手に対する親密度が増すという仮説と、異文化間接触により、個々に持つステレオタイプが解消され、異文化への理解を深めることで友好的な意識への変容を引き起こすという仮説に基づき研究を進めた。
 調査対象期間は5月中旬から7月下旬までとし、実際にメール交換を行い、自己紹介と顔写真を掲載したホームページも作成した。そして事前・事後での質問紙、面接という方法で調査を行った。
その結果顔写真による身体的魅力という点では、写真が頻繁に呈示されなかったこともあり、裏付けとなるような結果は得られず、あまり効果が見られなかったといえる。しかし、顔を見たことで相手への印象が強くなり、親密度も深まり、友好的なメール交換が行われたと考えられる。
 異文化間接触という点では、繰り返し接触することで、今まで抱いていたイメージの変化もともない、相手との共通点、相違点も見いだすこともでき、異文化への理解を少しでも深めることができた。アメリカに対する友好的感情が増し、多少距離は縮まったといえた。