電子メールを通した異文化間接触の影響(要約)

                             田村 葉子

 1995年、Big Bend短大と米沢女子短大間での学生同士によるインターネットでの交流の計画が提案され、1996年春よりBig Bend短大と米沢女子短大間で電子メールの交換が可能になった。
 そこで、パソコンによる交流であるため、通信によって攻撃性が生じること、異文化間、集団間の接触であるため、接触すれば友好性が増し、偏見の解消がなされていくことの仮説についての調査を行うことになった。
 調査を行うにあたり参加者を募集し、12人の参加者が集まった。調査対象期間を6月中旬から7月末までとし、事前と事後にアンケートを行った。その他に、参加者の中から5人を選出してインタビューを行った。
 それらの回答結果からは、ほとんどの参加者はアメリカ人に対する友好的感情があり、接触を重ねることによりその友好的感情(友好性)は増していく、ということが得られた。けれども、通信によって攻撃性が生じること、接触すれば友好性が増し、偏見の解消がなされていくことの仮説は、非リアルタイムの通信だったこと、日本のアメリカナイゼーションがあったために、裏付けとなるような結果を得るまでには至らなかった。