2020年度〜2023年度科学研究費補助金・基盤研究(B)
研究課題名:不健全なインターネット利用により顕在化した健康被害の実態調査と啓発プログラム開発
このページは、2020〜23年度・科研費による研究「不健全なインターネット利用により顕在化した健康被害の実態調査と啓発プログラム開発」(課題番号 20H01672)に関する情報を提供するものです。随時更新していきます。
研究目的
近年,子どもたちの生活に急速にネット機器が入り込み,インターネット依存やゲーム障害が深刻な社会問題になっていますが,同時にネット機器との長時間接触が心身の発達へ悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。本研究は青少年の「不健全なインターネット利用」(Problematic Internet Use: PIU)によって引き起こされる(依存を含む)健康被害に関する実態調査と,関係者・支援団体へのヒアリング調査を実施し,そこで得られた知見に基づいてネット健康問題に関する啓発プログラムの開発を目指すものです。
近年,わが国ではネット機器が浸透しているだけでなく,さらに高速のネット回線が整備され,PIU のリスクはますます高まっています。他方では,いたずらに不安を煽る情報や報道も出始めており,ネットのリスクを正しく恐れるための啓発プログラムの開発は急務です。
研究組織
- 研究代表者:伊藤 賢一(群馬大学)
- 研究分担者:山田 真理子(九州大谷短期大学),船木 昭夫(青森大学),川島 芳昭(宇都宮大学),谷塚 光典(信州大学),友納 艶花(九州女子大学),照山 絢子(筑波大学)
- 研究協力者: 大谷良光(プロジェクト事務局長),田草雄一,成田弘子,内山陽子,伊藤理恵(ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会),古野陽一(NPO子どもとメディア),本間史祥,ウッド一美,矢野さと子,原口剛,古石木未(子どものネットリスク教育研究会),下田太一(NPO法人青少年メディア研究協会)
研究プロジェクト
- 園・学校での無料出前授業・講演(2021.12−)
本研究プロジェクトの目的のひとつは,青少年による不健全なインターネット使用による健康問題に関する啓発プログラムの開発です。発足当初から,ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会(THInet)と連携し,教材開発やカリキュラム開発を展開してきました。
これらの成果を社会に還元するために,2022年度から希望される学校に出向き,出前授業および保護者啓発講演を無料で行うことといたしました。下記のご案内をご覧になり実施をご検討ください。
- 横断型大規模調査(2021.12−2022.01)
2020年度に,小学生・中学生・高校生を対象とした横断型大規模調査を企画していましたが,コロナ禍により学校での調査が難しくなったため,2021年の年末〜2022年の年始に実施しました。
実施報告書の公開が遅くなって申し訳ありません。以下からご覧いただけます。
- 教員免許状更新講習
ネット健康問題に関する教師向けの啓発プログラムの開発・評価の一環として,教員免許状更新講習を実施しました。
2020年度(群馬大学・2020.08.23-24)
- ネットいじめの学校での指導とネット・ゲーム依存
- ネット長時間接触による心と脳・体の発達阻害と学校での指導
2021年度(群馬大学・2021.08.18-20)
- 乳幼児のメディア・スマホ接触の実態と健康被害の全体像
- ネット長時間接触による心と脳・体の発達阻害と学校での指導
- ネット依存の予防教育と依存者への支援
- コロナ臨時休校中の小学生メディア接触実態調査報告(2020.05.26)
新型コロナ禍により,本年3月より全国の多くの学校が休校となり,子どもたちは突然登校できない事態となりました。研究チームは,この状況下で子どもたちはどのように過ごしているのか,どんな影響がでているのか,保護者はどのような懸念を持っているのか,その全体像を明らかにする必要があると考え,小学生の子どもがいる保護者を対象としたweb調査を実施しました。回答を求めた項目は,小学生のネット利用環境,家庭での学習状況,メディアの利用時間,健康状態,保護者の困り事・心配,等です。 本件はこのアンケート結果の速報値について報告するものです。
報告書に一部ミスがあったので差し替えました。すでにダンウロードされた方は差し替えてください。(2020.05.27)
報告書にもう一カ所ミスがあったので再度差し替えました(2-7.のグラフ部分)。すでにダンウロードされた方はお手数ですが差し替えてください。(2020.07.09)
- プレスリリース・記者会見案内(655.9 KB)
- 速報値・簡易報告書(1.05 MB)
報道(2020.07.21 更新)
- NHK前橋放送局「オンライン学習は疲労度高い研究」(2020.05.27)
- 共同通信「小学生のメディア利用83%増 休校中の1300人調査」(2020.05.27)
- 上毛新聞「オンライン学習 低学年ほど疲労度高い? 群馬大などが共同研究」(2020.05.28)
- 下野新聞「オンライン学習 疲労誘因 コロナで休校中児童 宇大と群大の研究者ら調査」(2020.05.28)
- 東京新聞「〈新型コロナ〉長時間のオンライン学習 小学生 高い疲労の恐れ ゲームやテレビよりも高く」(2020.05.28)
- 東京すくすく「長時間オンライン学習はゲームより疲れる? 専門家チームが全国の児童1300人調査」(2020.05.28)
- 毎日新聞(群馬版)「オンライン学習、子どもの疲労度高く 機器別ではスマホが最大 群馬大ウェブ調査」(2020.05.28)
- 読売新聞(群馬版)「オンライン学習も大変 群大など調べ ゲームより疲労度↑」(2020.05.28)
- Web東奥「オンライン学習、長時間で子ども疲労? 青大調査」(2020.05.28)
- 日本経済新聞「休校中の小学生、パソコン・ゲーム増 8割 群馬大教授ら調査」(2020.05.29)
- リセマム「オンライン学習、長時間利用は疲労度高い可能性」(2020.05.29)
- 朝日新聞「オンライン学習、ゲームより児童に疲労 群馬大など調査」(2020.05.29)
- 教育新聞「オンライン学習で疲れ蓄積 休校中の小学生調査、群馬大」(2020.06.01)
- とちぎテレビ「ナイトニュース9 子どものオンライン学習課題は…大学関係者が研究」(2020.06.03)
- AdverTimes「小学生のメディア接触「増加」 WPP、子ども向け広告配信へ」(2020.06.04)
- 群馬テレビ「ニュースeye8 小学生も楽じゃない?オンライン学習と疲労度の関係」(2020.06.04)※「6月5日(金)放送」とありますが、実際には4日(木)です。
- 毎日新聞(福岡版)「休校期間中、小学生の55%がオンライン学習 群馬大とNPO調査」(2020.06.06)
- 日本教育新聞「オンライン学習、小学生に疲労感 群馬大調査」(2020.06.08)
- 日本経済新聞「長期在宅でネット依存、脱却準備を「脳過労」懸念も」(2020.06.09)
- 毎日新聞(東京夕刊)「コロナ休校中、小学生5割ネット学習 群馬大など調査」(2020.07.10)
- 朝日新聞「オンライン、体と心の疲れ考えて ゲームより疲労度高い傾向」(2020.07.21)
- 産経新聞「オンライン授業、準備加速も課題山積 新たな学力格差リスク、健康被害の懸念も」(2020.07.21)
学会報告
- 伊藤賢一「青少年のネット長時間利用と疲労度」2023年社会情報学会(SSI)学会大会自由報告「情報行動・コミュニケーション1」, 立教大学, 2023. 9. 16.
- ITO, Kenichi, "A Prerequisite for Digital Citizenship: Health Problems Associated with the Problematic Internet Use," XX ISA World Congress of Sociology 2023, International Sociological Association, Melbourne Convention and Exhibition Centre, Melbourne, Australia (online), 2023. 7. 1.
- ITO, Kenichi, "Between Addiction and Devotion: Internet use among schoolchildren in Japan," Wellness in the Digital Era: Building a Healthy Relationship with Technology, TSUKUBA Global Sciece Week(筑波大学・オンライン開催), 2022. 9. 26.
- ワークショップ「コロナ禍における子どものメディア利用を考える(2)」2021年社会情報学会(SSI)学会大会WS4, 大妻女子大学(オンライン開催), 2021. 9. 12.
- 伊藤賢一「調査概要と本ワークショップの趣旨説明」
- 本間史祥「インターネット利用による健康被害の自覚症状の実態〜高校生web調査より〜」
- ウッド一美「スマホやネットの長時間視聴による眼への影響」
- 伊藤賢一「精神的疲労とメディア利用」
- コメンテーター:矢野さと子,照山絢子
- ワークショップ「コロナ禍における子どものメディア利用を考える」2020年社会情報学会(SSI)学会大会WS5, 同志社大学(オンライン開催), 2020. 9. 6.
- 大谷良光「調査概要と本ワークショップの趣旨説明」
- 本間史祥「休校中のメディア接触増加の要因」
- ウッド一美「保護者のネット依存危機感と子どものメディア接触時間」
- 伊藤賢一「社会学的属性から見る子どものメディア利用の特徴」
- コメンテーター:矢野さと子,照山絢子
論文
- 伊藤賢一, 2023. 3,「不健全なインターネット利用が青少年にもたらすリスク ― 大規模アンケート調査から見えてくること ― 」『群馬大学社会情報学部研究論集』第30巻, pp. 1-16.
- 本間史祥, 伊藤賢一, 2022. 3,「臨時休校中のメディア接触増加要因 ― 新型コロナ禍の中でのメディア接触実態調査の分析を通して」『群馬大学社会情報学部研究論集』第29巻, pp. 25-42.
- 伊藤賢一, 2021, 3,「コロナ禍における小学生のメディア利用 ― 保護者を対象とした緊急 web 調査に基づいて ― 」『群馬大学社会情報学部研究論集』, 第28巻, pp. 1-15.
- 古野陽一, 2020, 7,「子どもたちの放課後とオンライン生活」『月刊自治研』自治研中央推進委員会編, Vol. 62, No. 730, pp. 37-43.
講習会の講師
- 伊藤賢一, 2021. 1. 22,「コロナ禍でのゲーム依存 ― なぜ惹きつけられるのか、社会学の視点から考える ― 」, 静岡県教育委員会令和2年度ネット依存対策講演会, 清水町地域交流センター(静岡県清水町)〔オンライン参加〕
- 伊藤賢一, 2020. 11. 11,「青少年のネット・ゲーム依存問題 〜なぜ惹きつけられるのか,社会学の視点から考える〜」, 令和2年度伊勢崎市PTA連合会理事・女性委員合同研修会, 伊勢崎市役所5階第1研修室(群馬県伊勢崎市)
- 伊藤賢一, 2020. 11. 7,「青少年のネット・ゲーム依存問題 〜なぜ惹きつけられるのか,社会学の視点から考える〜」, 令和2年度館林市青少年育成運動推進大会, 館林市文化会館小ホール(群馬県館林市)
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