参議院文教科学委員 様
2003年6月15日
東京大学教養学部学生自治会正委員長 藤田智久
同副委員長 平塚順
同書記長 石田精一郎
2003年6月5日、東京大学教養学部学生自治会はその最高意思決定機関である代議員大会を開催し、177人の代議員やその他一般学生の参加のもと、国立大学の法人法案の廃案を求める提案を賛成:128票、反対:22票で可決しました。提案主文は以下の通りです。
教養学部学生自治会はこれまでも、1999年と2001年に全自治会員による学生投票で国立大学法人化反対の決議を挙げました。また、学内では東京大学職員組合などの教職員組合が反対決議を挙げていますし、いくつかの教授会から法案の数々の問題点を指摘する見解や決議が出されています。佐々木毅東京大学総長は、参議院の参考人質疑の際に法人法案の支持を表明しましたが、それは東京大学構成員の総意では決してありません。
学生からは国立大学法人法案について危惧の声が上がっています。「即座に利益とはならない研究が自由にできなくなるかもしれない」、「学費が上がりそうなので困ります」、「学費が上がるだけで何も利点がないと思う」、などの意見が寄せられています。
教養学部では、全学生のおよそ五人に一人が、日本育英会の奨学金を受けています。先日の審議でその廃止・独立行政法人化が決まり、奨学金の縮小が懸念されています。さらに国立大学の法人化が決まれば学費が著しく上昇するのは明らかです。現在でも多くの東京大学の学生がアルバイトにあまりに多くの時間を割かれ、十分な時間を学問に費やすことができなくなっているのですが、大学が法人化されれば、金銭的な理由で大学を去らざるを得なくなる学生が多数発生するでしょう。
また、学内では目に見える形で学生への自主自治活動への規制強化が進んでいます。2001年には学部当局による一方的な決定により駒場寮が廃寮となり、私たち学生は大きな活動拠点を失いました。最近でも学生の自主自治活動に大きく関わる学内問題を学部当局が学生との交渉を介さずに進めたり、些細なことが原因で、ある学生団体の体育館の使用が一方的に停止されるなど、様々な点で学生の自治自治活動への規制強化が見られます。
これらの原因は国立大学の法人化の問題と強く関連していて、国立大学が法人化されれば学生の自主自治活動は無駄なものとされ、更なる規制強化が行われるのではないかと考えられます。
是非、国立大学の法人法案に反対するよう、お願い申し上げます。
以上
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