ハナダイコン・ルドベキア・オオキンケイギクは観賞用として花壇に植えられたり、緑化用として道路の法面に使われていたことから、きちんと管理していないとそこから逃げ出して繁殖し分布域を拡大する可能性は十分にある。ケナフは全国の小学校など環境教育の一環で栽培している。しかも、学校内だけでなく、一般道の道路脇や河川敷や空き地などにも植栽されていた。ケナフは二酸化炭素をよく吸収するので地球温暖化防止に役立つと注目されているが、一年草のケナフはその年の内に枯れてしまうため、吸収した
二酸化炭素はすぐ分解されて空気中に放出されてしまう。環境教育の一環としてケナフの栽培を導入したものの、大量に栽培してしまい使い切れずに焼却処分している学校もある。環境資源の大切さは別にケナフを使わなくても、日本にある竹やススキなどを使っても教えられる。環境教育の材料として扱うからには、植栽する場所の周辺状況を考慮した上で、栽培後の処理を含めた管理計画をきちんと立てる必要がある。
帰化植物は原産地とは異なった気候条件下に持ち込まれて生育することが多い。そのため、それに適応できなければ生き残るのは難しい。しかし、言い換えると条件さえ整えば、いつでもその地域の植物の仲間入りをして広がっていく可能性を持っていることを忘れてはならない。