松井 猛

松井 猛 (まつい・たけし)准教授

松井 猛 准教授
  • 出身地:島根県
  • 最終学歴/学位:広島大学大学院工学研究科/博士(工学)
  • 研究室:10号館602
  • 所属学会:電子情報通信学会,日本経営システム学会,日本オペレーションズ・リサーチ学会,日本知能情報ファジィ学会,The Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)
  • 専門分野:最適化,意思決定支援,群知能,制度設計
  • 担当科目:メカニズム・デザイン特論,数理モデリング特論
  • 個人ページ: http://sol.si.gunma-u.ac.jp/index.html

現在の研究テーマ

  • 先進的数理最適化手法の開発
  • 不確実性や曖昧性の下での数理モデリングと最適化
  • 現実の意思決定状況への応用

代表的な研究業績

  • M. Sakawa and T. Matsui (2015) "Heat load prediction in district heating and cooling systems through recurrent neural networks" International Journal of Operational Research, Vol. 23, No. 3, pp. 284-300.
  • M. Sakawa and T. Matsui (2013) "Fuzzy multiobjective nonlinear operation planning in district heating and cooling plants" Fuzzy Sets and Systems, Vol. 231, pp. 58-69.
  • T. Matsui and M. Sakawa (2013) "Stackelberg solutions to noncooperative two-level nonlinear programming problems through particle swarm optimization" International Journal of Biomedical Soft Computing and Human Sciences, Vol.17, No.1, pp. 43-48.

専攻分野・研究内容紹介

ソフトコンピューティング手法に基づく最適化手法やデータ分析法の理論および産業への応用に関する研究を行っています.

産業における生産計画問題,構造最適化問題,最短経路問題あるいは施設配置問題などに代表される,与えられた制約条件の下で,ある一つの目的関数を最小にするような解を求める問題は数理計画問題と呼ばれます.このような現実の数理計画問題は,一般に,多数の変数と複雑な制約条件を含む大規模な非凸非線形計画問題として定式化されます.このような制約がある非凸非線形計画問題に対して,厳密解を得ることは計算時間の点からも極めて困難なものであることと,実用においては準最適解で充分である場合も多いと言うことから,効率的な近似最適化手法が求められています.

そこで,高い精度や確実性を要求しないで現実世界に広く存在する「あいまいさ」や「不確かさ」を巧みに取り込むことにより,頑健かつ安上がりな計算を目指して「やわらかな」計算(ソフトコンピューティング)が提案されています.ソフトコンピューティングは,現実世界に広く存在する不精確性や不確実性を考慮した,より人間の思考や自然界の原理に近い計算様式の総称です.従来の計算方法(ハードコンピューティングとも呼ばれます)では,精確性と確実性が前提とされているので,例えば,数学モデルの係数を決定する際に高価な計測器や膨大な回数の実験が必要としたり,不確実なデータに対しては計算ができない,というような費用や柔軟性が問題となる場合があります.一方,ソフトコンピューティングでは,常にあいまいさや不確かさが存在する状況下にある人間や生物を含む自然界における思考や計算の原理に基づいた計算様式が主流となっています.

以上のように,ニューラルネットワーク,遺伝的アルゴリズム,粒子群最適化手法などのソフトコンピューティング技術を駆使しながら,さまざまな意思決定モデルに基づく人間や環境に優しい問題解決法(ソリューション)を開発しています.